京都禊ぎ神殺人物語: 民俗学者 竹之内春彦の事件簿
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秋月達郎氏の京都ミステリを読むのは2冊目です。最初に読んだものは船岡山を舞台にしていましたが、今回は上賀茂神社とその周辺にある、昔は神職が住んだという社家です。 神社の中の清い小川で、裸体に豪華絢爛な振袖を着せられた女性の死体が連続してみつかったという不可思議な殺人事件。それらの着物を製作したのは、業界では神とも呼ばれている天才的な熟年染織家の男性。事件が起きた原因は、彼を中心にしたどろどろの人間関係にがあるらしい。舞台は上賀茂神社、下鴨神社から、日本で唯一、3本柱の鳥居がある蚕の社へと移り・・・というようなストーリーです。とにかく京都舞台のものが好きという人には十分楽しめるお話だと思います。 いつもの通り、歴史や背景についても詳細に下調べされていて、今回は神道や、記紀をはじめとした古文書について詳しいです。 ただ、他のレビューアさんも書かれていましたが、探偵役の竹之内春彦が、民俗学者だというのに、神社や歴史、古い文献について「知りません」「わかりません」ばかりで、それは変でしょうというの確かにあります。大学教授だということですが、大学で授業している様子もなく、京都の一等地にある旅館に住みこんで(高いでしょうに、1泊数万円すると思います。どこにそんなお金が??)文化庁のための調査の仕事をしているというのがなんだか不自然というか。 テレビの京都ミステリ・ドラマと同じで、まずは京都ありき、雰囲気ありきだと思うので、そこは突っ込まなくてもいいでしょうが(汗)、本格的な推理小説を求める方にはこういうところはいまひとつだと思います。まさに2時間ドラマに仕立てたらぴったりで、京都の雰囲気に浸りたい方におすすめです。 | ||||
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こちらの本屋さんでは秋月作品はなかなかおいてないので、よかったです。 | ||||
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上賀茂神社に下賀茂神社、糺の森、蚕ノ社と、実に魅力的な舞台が選択された、雅な物語である。死体を取り巻く状況も美しく、たとえばミレイの『オフィーリア』のように、「絵になる」状況設定が素晴らしい。 しかし、物語に登場するのはミレイではなくて他の画家の作品であるのが残念。 何より死体の「見立て」が「見立て」としては弱いのも興を削ぐ。そもそも「禊ぎ」とは何に対してのものか? という点でも説明不足である。 また、第二の事件の状況には、「その絵」ではなく、そして「その神話」ではなくて、やはりスサノヲの天の斑馬のくだりの方が似つかわしいだろうと思える。 何より副題の「民俗学者」という言葉が宙に浮いているのは問題だろう。民俗学的な知識が事件そのものに対してはほとんど生かされていない。ならば「民俗学者」という副題を掲げる必要はないし、読み手に無駄な期待を抱かせる結果に終わるだろう。 人間関係も、どうせならばもっと複雑に絡め合って欲しかった。京都を舞台にして、かつ人間の愛憎を描くならば、少なくとも赤江瀑に匹敵する退廃が欲しいところである。 材料は良いのに作り方に丁寧さが感じられない作品。 | ||||
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