琅邪の虎
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『琅邪の鬼』に続く求盗(警官)希仁の活躍は痛快。同僚の陽武とのやり取りが面白く笑いっぱなし。ミステリーとして奇怪だがその謎解きは読者にはできない。最後に無心の解説で一気に全貌が見えるしかけ。『邯鄲の誓』の登場人物たちが、こういう形で現れ、悲願を胸に活躍することに心躍る。1話完結の凄いトリックの推理小説というだけでなく、連作を読んでわかる深い作品になっている。 | ||||
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今回も同じ琅邪の街を舞台に、虎の妖怪の伝説にまつわる殺人が起きます。五百年以上生きた虎が人を食うと、その人間の姿にも化身できる人虎になるというのです。話がややこしいのは、虎に食われて生命を落とした人の霊魂が'ちょう鬼とよばれる目鼻のない妖怪になり、虎の手先となって先導することもあり、またもっと混乱させられるのは、後半出てくる、虎族という盗賊の一団も虎と呼ばれることで・・・。 枝に吊された死骸が消え、またあらわれたときは別の女の死骸であったり、それが徐福塾の巫術によってよみがえったり、また人虎になってしまったらしい半人半虎の死骸が見つかったり、という怪事件に、この人虎伝説がからみ、だれが人虎なのか情報をつのると、疑心暗鬼で民がお互いどうしを訴えあう、という心の闇も広がってゆきます。 求盗の希仁にからむ、もったいぶった儒学者の笠遠、なぞの風水博士、匂いを追って大活躍する犬の呉多、殺された女の夫で顔を白布でおおった謎の男など、古代中国の説話の不思議な味わいは健在です。 ただ、冒頭に書いたように、虎といっても三つが混在して描かれるため、なかなか話がすっきり見えず、もどかしい気持ちが三分の二くらいまで続きますが、そこからは例のごとく無心先生があらわれ、謎を解きます。盗賊にだまされた孫通の民族的悲劇、片恋の相手を人虎と疑ったあげくの事故死、その他、人虎伝説へのお上の混乱した対応、始皇帝の観光台の崩落など、今回は少し痛ましい味わいの古代史の現実の中に着地します。そして女ふたりの妄執がめらめらと立ち上がり。 「女か、虎か。それは人間にとって永遠の謎」という言葉でしめくくられるラストは心憎いです。 | ||||
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