チベットの薔薇
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あらすじ
著者ライオネル・デヴィッドスンは、出版社の社員として、ある手記にめぐり会った。それは、一介の美術教師の手になる、驚くべき冒険の記録だった―この英国人は、チベットで消息を絶った弟の行方を追って、遠くヒマラヤの奥地へ潜入した。そこは、輪廻転生を信じ、独自の世界観を持つ人間たちが住む、神秘的な土地。そしてまた、中国が覇権を狙う危険な領域でもあった!CWAゴールド・ダガー賞を3度受賞した巨匠が、現実と虚構の狭間に語りおこした冒険ロマンの歴史的名作。出版社からのコメントグレアム・グリーンも絶賛!巨匠デヴィッドスンの幻の名作冒頭から、著者デヴィッドスン自身が登場し、謎の原稿との出会いを語る...そんな仕掛けをほどこし、虚実の狭間にあざやかな冒険小説を成立させた、ライオネル・デヴィッドスン初期の傑作。当時の英国人にとっては、まさに秘境であったチベットを舞台に、密教的な修道院や中国による侵攻、冬の山中でのサバイバルなど、多様な要素を盛りこんだ、ロマンあふれる逸品です。小森収氏の解説も、デヴィッドスン作品を読むうえで、貴重な指針となっています。(「BOOK」データベースより)
外部リンク
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評判
チベットの薔薇の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 B ランク
チベットの薔薇の総合評価:
9.00/10点 レビュー 4件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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解説には、「どこか関節のはずれたような作風」と表現されていて、そういわれると確かにそんな感じがします。(文章自体は変じゃないのですが、説明をわざと少しずつ省いているような、印象があります。)
「物欲に弱い主人公が、自分の身の回りにしか関心のないままに、事件にまきこまれ、陰謀の全体像はついに分からないまま、颯爽とは言いがたい不恰好な活躍で、窮地を脱する」という形にすることで、「定型をはずしている」とも書かれています。(確かに、中国のチベット侵攻にまきこまれてるんだろうなあ、ということは漠然とわかるのですが、)「当事者にはそんな全体のことなんてわかんないよとでも言いたげな様子があります。」(小森 収 解説文より)
「全体を通じているシニカルなユーモア」「異文化の衝突が起こす混乱」「卑俗で即物的な、ディテイルの描写の重要視」「西欧人の目から見る都合のいいエキゾチズム、を回避するための、さまざまな工夫」。
解説の、こうした言葉をあわせていくと、「やっぱり一筋縄ではいかない小説なのだ」、とおぼろげに分かってきます。
でも、「チベット登山(あるいは下山)」のくだりとか、自然の猛威や外敵の恐ろしさがひりひりと伝わって、作品につねにユーモアはあるのですが、描かれている「窮地」は、物凄い、と私は感じました。
解説者はこの作家のことを、「大ぼら吹きデヴィッドスン」と、愛情をこめて呼んでいますが、確かにホラ話を聞かされてるような安心感もあり、けれど同時に同じだけリアルさもあって、面白いのですが、私の読解力では、正直かなり読むのに苦労しました。
終盤のクライマックスのところまでたどりついたときに、ふいに突然「それまでの読書の苦労がむくわれた」と感じました。
この本の中身を忘れてしまっても、そのクライマックスシーンだけは、たぶん忘れないと思います。