レビュー一覧
マリオネットK さんのレビュー一覧
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犠牲者の数が増えると、絞殺犯にはやがて新聞紙上で、被害者を殺害した絹紐を尻尾に見立てた<猫>という異名がつけられた。
被害者はニューヨーク市民であること以外は年齢、性別、人種、職業、素行全てがバラバラで共通点が見えず、無差別に行われる連続殺人にニューヨーク全土は絞殺魔<猫>の恐怖に包まれる……
一見異常者による動機なき無差別殺人だが、その裏に犯人の真の動機や意図があるはず……
というホワイダニットな作風はクリスティの『ABC殺人事件』を意識し、挑戦しているような所がうかがえました。
(実際『ABC事件』の根底に関わる部分のネタバレに近い台詞もあるので、未読の方は先にそちらを読むべきだと思います)
しかしもちろん真相は全く違った形が用意されていました。
連続殺人犯<猫>に対する、ニューヨーク市民の恐怖によって発生するさらなる問題や、
名探偵という存在があるがゆえ、殺人をはじめとする悲劇が起こる、所謂「後期クイーン問題」に対する、クイーンの苦悩が描かれるなど、見所の多い作品です。
完成度も高く感じ、楽しく読めました。
▼以下、ネタバレ感想