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はつえ さんのレビュー一覧
はつえさんのページへレビュー数35件
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正統派イヤミスです。イヤミス小説の中には気をてらった過激な表現で嫌悪感を煽るものがありますが、この作品は出来事のみが淡々と語られ、静謐な雰囲気すら醸し出しておりました。ラストの展開も予想できるものではあるのですが、底深い不安感がじわりじわりと沁み出して来る…そんな気持ちに包まれました。解説にもありましたように決して二番煎じではない作品です。
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ミステリーとしての出来ではなく、作者の人生感や人間の描写に惹かれました。社会は他人は決して人に対して優しいものではありません。そんな現実を見事に描き出しています。いちいち納得できる含蓄のある言葉に首肯きながら読みました。
オススメの一冊ですよ。 |
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とにかく切ないです。人間は性善、性悪、どちらもある…。そんな記述がありました。そうですね、性善人がその善ゆえに性悪人に振り回され、人生を破壊されてしまっている現実は、目に見えないだけで、社会に蔓延っているのだと、突きつけられた気がします。私たちは薄氷のような人生を「運」に左右されながら、歩み続けているのですね。
オススメの一冊です。 |
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私は自殺を容認しませんが、人生から逃げたくなる人の気持ちもわかります。生まれてきた以上、必ず誰かの人生に影響を与えていることは確かです。何を持って迷惑かはわかりませんが、周囲の人を不幸にするなら、やはり自己満足以外の何ものでもないように思います。
読み進めるうちに、生きることの価値は人に寄って異なることは前提にしても、正義、真実…何が正しく、何が偽りなのか、考えることさえ無意味に感じてしまいそうになりました。 考える自分以外の視点を持つことは難し、ズレや矛盾を修正しようとしても出来ないことの方が多いのですが、それでもなんとか折合いをつけて生きて行くことしかできないと、再確認した作品でした。唯一言えるのは、人は自分の幸せを求めて生きるしかない、そしてそれは自分勝手であり自己満足でしかない…っていうことでしょうか。 |
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面白かった。文句なしに誰でも楽しめるエンターテイメント小説です。
惜しむべくはただ一点、映画は観ていませんが、私の頭のなかでは常にキムタクと長澤まさみが動き回っていました。 |
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宮部さんというのは人の心の機微をなんて上手く描き出す方なのでしょう。謎ときや衝撃的な出来事以上に、語られる主人公、杉山の心の動きや彼の心情分析が、ど真ん中過ぎて、まるで共鳴しているかのような心持ちで読みました。特にこの逆玉主人公の性格は一般市民以上に庶民的でストレートでした。
自分が一般的な感覚の持ち主であることを確認できると、安心できるものですに。 |
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読みごたえのある内容の作品です。「決断」…人生は常に選択の連続であり、人は進むべき道を選びながら生きている。限られた時間の中で最良、最善の道を見つけるには、様々な葛藤と向き合わなくてはならない。そんな人生が濃縮された新聞記者の生き様が描かれています。「決断」の後に斑のように訪れる後悔の数々に読者は自身の人生を重ね合わせるのではないでしょうか。
生きることは容易いことではない、それでも後悔の積み重ね、同じ過ちを繰り返しながらも、諦めることなく生き続ける。この命を全うするまで…それが私の感想です。 |
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百鬼夜行シリーズの中でも読み易かったと思います。本屋の京極堂が言葉で表すことのできない悟りの世界へ尊敬や畏怖を持って挑む…。禅の世界を堪能したと言った方がよいでしょうか。
「生きることこそ修行なり」。悟ろうなどとおこがましいこと考えたりしませんが、日々を大切に生きることが大切だということが、随所に出てくる公案に共にいどむことでじわじわとしみてきました。 「京極夏彦さんって何者~⁉」 |
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勧善懲悪!スッキリしたはずなのに…果敢に権力に挑む佐方貞人に潜む悲哀が心を揺らします。この人、幸せになって欲しいな…そんな気持ちで本を閉じました。
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警察組織の中でも目立たない陰の部分を支える人々の物語。ある組織の中では「権力」がこんなにも大切なものなのですね。組織を守るという大義名分のもと、意地を通しプライドを守るために男たちはここまでする…。女性の主人公もいるのですが、やはり男性的な思考としか言いようがありません。
管理社会に生きる男たちの悲哀を目の当たりにしたところに夫が帰宅…いつも以上に優しくしてあげたくなりました。感謝。 |
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加賀恭一郎シリーズはとても美しいですね。前作は茶道、2作目はバレエの世界が描かれています。登場人物も洗練されて美しい人たちが多く、今回も恭一郎の淡い恋が物語の根底にあります。ラストは女性読者の心を擽るシーンでした。韓流ドラマを観た後のような、そんな読後感でした。続けて読破を目指します。
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とっても面白い。考えて、感じて楽しめる作品です。
社会の不条理な仕組を弱者の視点で表現する…そんな太田愛氏の作風が大好きです。 でも、先に読んだ「幻夏」でも感じましたが、脇の登場人物一人一人までもその生き様を大切にするがために、そこは読者の想像力にお任せ下さい…といった「too much感」が残るのが少し残念なところです。 そうはいっても、絶対おすすめです! |
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得体の知れぬ不安のせいで小刻みな鼓動がずっと続いていました。心の底に潜む不安と恐怖の描写が巧みすぎです。
以前「ユリゴコロ」を読んでいた時も、同じ心もちの中で翻弄されたことを思い出しました。愛しくて弱くて純粋で、護るべきものをなのに壊したくなる、意味不明の欲望。どこから湧いて来るのか、何に由来するのか、わかりたくない恐怖。 すてきな作品でした、が、しばらく再読はしたくない…そんな作品でもあります。 |
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「更年期少女」で読みました。なぜ改題したのでしょうか?更年期女性の少女帰り(文中より)が面白いように描かれているのに。
更年期を乗り越えた今、愉悦のひとときを与えていただきました。ミステリーとしても充分楽しめました。 |
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初期の作品だそうですね。真梨さんの作品の中でも特に大好きな作品になりました。近著はあっさり、わかり易い感じで、さらりと読んでいたので、軽い気持ちで手にしたのですが、この作品はじっくりと考えさせられました。思春期の少年・少女の繊細な思考にかつての自分を投影できたからでしょうか。評価が低く目で驚きでした。
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