レビュー一覧
iisan さんのレビュー一覧
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
死刑執行のトラウマを抱える刑務官・南郷は、冤罪の可能性がある死刑囚・樹原を救うための調査を高額の報酬で依頼されたのを機に早期退職し、傷害致死罪で服役後に出所したばかりの青年・三上を助手にして調査を開始した。再調査の手がかりになるのは、犯行時の記憶を失っていた樹原が思い出した「階段を上った」という根拠が無い記憶だけ。二人は、当時の関係者から話を聞き、犯行現場周辺を掘り返して調べるのだが、冤罪の証拠を見つけることはできなかった。一方、樹原の死刑執行命令書は役所の手続きの階段を踏み、執行の時間は刻々と迫っていた。南郷と三上の調査は、死刑執行に間に合うのだろうか・・・。
誰が、何故、どうやってという謎解きに、タイムリミットのサスペンスが加わって非常に読み応えがある。当然のこととして人の命を奪う業務を背負わされた刑務官、傷害致死の前科を持つ青年という異色の探偵役を設定したことで、罪と罰、法の正義と私怨、応報と更生という重いテーマがストーリーに無理無く取り入れられ、物語に厚みを増している。「誰が死刑囚を救う調査を依頼したのか」という、構成の肝になる部分がやや強引すぎる気がするが、作品全体から見れば大した問題ではない。
ジャンルを選ばず、幅広いミステリーファンにオススメできる。