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永遠の0
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永遠の0の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1513件 1481~1500 75/76ページ
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あとがきにあるように日本がクレイマー社会となり果て、金ばかり要求するみっともなくさもしい時代が到来している。そんなタイミングにこの作品に出会えてよかった。 特攻隊という題材に引きずられることなく、冷静な分析と静かな強い決意に満ちたストーリーに何度も涙した。 内容の素晴らしさはほかのレビューに譲るとして、中でもマスコミに言及した個所に強い共鳴を覚えた。 ペンは剣よりも強し、と豪語しながら、ペンの暴力については不問にし続ける卑怯極まりないジャーナリズム。 ろくでもない質問しか用意できない幼稚さを棚に上げて他者を上段から非難し糾弾する彼らにはうんざりしている。彼らは、戦争を引き起こした一権力集団であった。 軍人を戦犯呼ばわりする資格はない。 自らを総括すらできなかったジャーナリストたちはそのまま大きな顔をして戦後社会を破壊させていった。 現代日本にあふれるおかしな定義の「弱者」を作り出したのも彼らだったのだろう。 読後、生まれて初めて靖国に出向いてみた。 彼らの残した「遺書の行間」をせめて受け止めたいと思ったのだが、とても受け止められるものではなかった。 ただ、ただ涙して彼らの冥福を祈ることしかできなかった。 生きるとは、過酷なものである。 それは戦争のあるなしには関係がない。どう生きるか。どんな生き方を選ぶか。 清々しさと凛とした魂に満ちている作品。 | ||||
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作家には様々な能力があると思うけど 最も基本的であると思われる、筆力にこそ作家としての力の差が現れると思う。 読者を引き込み、時として読むスピードすらも加速させる そんな筆力を持つ作者は、どんな作品を手掛けても安心できるのではないでしょうか? 僕は以前から気になってたこの作品を手に取り、気まぐれに開いたページの 「いいか、空の戦場は地面の上とはまったく違う。」から 「しかし零戦の性能は、一対二くらいで不利になるほどのものではない。」 辺りまで読み、これはアタリかも・・・と、購入しました。 そしてそれは、太平洋戦争や兵士達の真実、主人公の魅力・・・ それらが作者の期待以上の筆力によって紡がれた、素晴らしい作品でした。 プロローグとエピローグの扱いも気が利いてますね。(笑) 正直、構成面など多少の疑問がないわけでもないです。 けど、そんな個人的な感想など関係なしに、全ての人にオススメしたいです。 アメリカの人達への配慮も充分なので、彼等にも是非読んで欲しいですね。 | ||||
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タイトルの〇には斜め線が入り、様々な意味が込められている。当初、特に泣ける本を探した訳でもなく、むしろ泣ける本、と紹介されていたら手に取らなかったろうし、太平洋戦争がテーマなので、多少は胸にくるとは思っていたのだけれど、最後に、松乃のセリフを読んだら、そこからしばらく先が読めなくなって、映画『フラガール』で後半、泣きっぱなしだった時のようにずっと泣いた。寝静まった家族がいなかったら、声をあげて号泣したと思う。また非常に多くのセリフ、ひとつひとつが当時の人々の無念さを代弁しているようで、著者自身、相当資料を読み込んでいるため、史実に基づき、しばらく公に明かされていなかったことや、実際の数字もかなり正確に調べ出しているように思う。 司法試験浪人の健太郎は26歳。あるとき4歳上で、フリーライターの姉、慶子が、自分たちの母の実父について調べたいと言い、そのため、祖父を知る人々に会って話を聞くのを手伝ってもらえないかと言う。浪人中ながら暇をもてあましていた健太郎は承諾する。実はその祖父、宮部久蔵に2人は会ったことはない。久蔵は、健太郎たちの母、清子を見ぬまま特攻で亡くなったのだ。彼らの祖母、松乃はその後、再婚し、2人男の子を生んでいる。 宮部久蔵がどんな人であったのか?誰もが口にするのは「臆病者」、「優秀なパイロット」の2つ。話は久蔵を知る人々の話を中心に構成されているのだが、その構成も非常に巧みで、一番最初の人は戦争に対してうわべ的な、感情的なことしか語らない。それが徐々に何人も会うにつれて、彼らの話は深いところに入り込み、冷静に当時を振り返り、祖父の実像も次第に明らかになってくる。しかも彼らの話が伏線になっていて、それが最後にみごとに結実するのだ。零戦がいかに当時、優れた飛行機であったと同時に、弱点を抱えていたか、祖父が見事な操縦を身につけるのにどんなことをしていたのか、その言葉遣いから誤解されていたことと「臆病者」に見えた理由や、祖父の言葉、当時の海軍の事情や戦略、ラバウルが「パイロットの墓場」と言われる以上に地獄であった、ガダルカナル島にいた陸軍の兵士たち(「これこそ太平洋戦争の縮図」)、長篠の戦いで織田の鉄砲隊に敗れた武田軍のような戦法、日本軍が「飢え」で死んだ作戦、エリート同士がかばい合い、真実が見えなくなるのは現在も同じく、責任は現場の下級将校が取らされ、パールハーバーも「駐米大使館の高級官僚は誰も責任を問われていない」ままであること、「勝つための作戦」とされていたはずの特攻が、敵艦に爆弾を命中させても帰還が許されていなかったことなど、当時の状況もしっかり把握できる。歴史の本ではなかなか頭に入らなかったことも、すっと入った。 こうした戦争下でのやり方は、その時だけにとどまらず、そのまま戦後に繋がっていることも見えてくる。日本人が「道徳」心を失っていくのも、急な出来事ではないようだ。 インドの「ぼくと1ルピーの神様」とは表面的には違うのだが、自分でしっかり見るか、または目に入ったものを鵜呑みにしちゃいけない、ということが分かってくる。「戦争というのは、工場の時点から戦い」だと分かっていた人々、戦況がおもわしくないことを薄々感じていた本土に残っていた一般国民、そんな苦境の中で、いかに自分の筋を通すか、自分に正直でいられるか、本当に難しいことだと思う。「朝元気で笑っとった人が、夕方にはもうこの世におらんということは普通のこと」。自分たちが今ここにいることは、それなりの歴史があってのこと・・・。 | ||||
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死ぬことが美化されている時代に、生き抜くことの大切さを理解していた。 それは、愛するものたちへの責任と深い愛情。 毎年3万人を超える自殺者が出ている現代にこそ貴重な作品であると思う。 自分のルーツを探るため、特攻死した祖父を知る元軍人たちに、インタビュ−をする主人公。 その、元軍人たちにも数多くの戦争に対する思い。 生に対する思いがあり、その言葉が、若い世代に重く感銘を与える。 スト−リ−は太平洋戦争を網羅しており、戦争のことを知らない世代の、入門書としても素晴らしい内容である。 特攻のことは、戦時中の美化されたイメ-ジや、天皇のために自ら命をなげうった若者という作られたイメ-ジが、根強いと思うのだが、この作品や、角川文庫の”知覧”などから、等身大の特攻隊が感じ取れる。 戦争の真実、特攻の真実、生きるということの意味。 色んなテ-マがこの短くはない小説に満ち溢れている。 家族から離れて、一人家族を守るために生き抜く。 浅田次郎の”壬生義士伝”を髣髴させる傑作 | ||||
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今までこれほど感動した作品を読んだことはなかった。フィクションであることを分かっていつつ主人公である宮部久蔵の生き様にぐいぐいと引き込まれ読み進むうちに涙が止まらなくなりました。最後に明かされる秘密についてはここでは書けませんがいつまでも感動が繰り返しあふれてきます。 | ||||
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読みながら何度涙を流したでしょう。 宮部久蔵の生き方が本当に優しく、強く、心に響きます。 特攻の、戦争の話ですのでやはり悲しい、それでいてどこか心があたたまる、そんなお話でした。 戦争の小説が好きな人はもちろん、そうでない人にも是非読んでもらいたい作品です。 永久保存版として何度も読み返そうと思います。 | ||||
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まさしく傑作! ページを繰る手が止まらない。 そして、読後は深い感動が待っている。 これぞ、小説の醍醐味である。 | ||||
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神風特別攻撃隊をモチ−フにした小説ですが、 坂井三郎さんや岩本少尉など、実在した日本海軍撃墜王 の話も随所に登場し、信憑性を確保しながら小説としての 完成度もかなりのものになっている、近年稀に見る戦記文学だと思います。 自虐ではなく右翼でもなく、戦争という不条理に立ち向かった 一人の青年の葛藤を描いた、はかなくも清々しい内容に、通勤電車 の中で何度も涙を流しました。このような真の日本人らしい感性を持った 作家には、今後も同様の作品を発表し続けて欲しいと切に願います。 特攻に散った名誉ある先人の、赤裸々な姿を描いてくれた著者に ただただ、感謝の念で一杯です。ありがとうございました。 | ||||
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上司から、「これ面白いから、読んでみ」と渡され、どんな内容の小説なのかもほとんど 知らないまま読み始めましたが、あっという間に読んでしまいました。 ある意味での主人公である「宮部久蔵」が孫と、孫が出会う戦友たちの証言によって少し づつその正体が明らかになっていくのですが、その過程が非常にうまく表現されており、 引き込まれます。 最後のどんでん返しは、衝撃ですが、説明に無理がなく、また泣けること請け合いです。 これ程「死にたくない。妻と娘の為に絶対に死なない。」と言い続け、全ての行動を それに基づいて行動していた主人公が、何故「特攻」(特攻は志願制です)で死ななくて はならなかったのか…。あの戦争の不条理さ、今の社会にも通じる不合理さを描く快作 です。 | ||||
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読み終わってわかりましたが、この題名はすべてを物語っています。とても信じられないくらい悲惨な話ばかりなのですが、読後はとても感動して拍手を送りたい気分にさせられました。 こんなに心が引きつけられるのは、宮部さんの人柄ではないでしょうか?目下の者にも丁寧な言葉を使い、決して傲慢にならない。臆病者と言われても、生きて帰ると言った妻との約束を貫こうとする。大変厳しい状況の中にあっても信念を変えない。本当の意味で強い人です。 私は戦争の話はここ数年の間で興味を持つようになりました。真珠湾攻撃のくだりは大変衝撃的です。もし本当なら、日本の歴史は変わってしまうのでは?とさえ思います。 私たちがまだまだ知らないことがあるのでしょう。実際に戦争を体験された方々のお話をもっと聞いてみたいです。そして今、私たちが平和に暮らせることに感謝して、もう二度と戦争が起こらないように一人一人が意識することが大切だと思います。 | ||||
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そういう意味では非常によくできた物語ですが、だからこそのチープさが出てしまっていて、普段あまり本を読まない方にオススメの1冊です。 普段から本をよく読む方にはちょっとこじんまりまとまり過ぎて2時間のスペシャルドラマのようです。 | ||||
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一般論として、まず戦争という手段を避けることができるなら避けるべきだということは当然だ。 また特に太平洋戦争において、日本軍が集団としてなしてきたことの多くに、許すべからざる、あるいは愚かしく醜い問題があったということはもちろんだろう。 しかしだからといって、あの戦争で戦った一人一人の兵士の営みがすべて同じように断罪されるべきなのか、ということは別問題だ。 こうした考えがこの本の思想的な中心テーマをなしている。 戦争という、それ自体はよほどのことがない限り正当化しえないような状況においても、そうした状況の中での個人一人一人の行動には、その状況下でとれる行動の選択肢の範囲内において、平時と同じような善悪の判断基準があてはめうるのではないか。 その善悪の判断基準をかんたんな言葉にあらわせば、自らを大事にするように仲間を重んじるということになる。 もちろん戦争という状況下において、その「仲間」という範囲にはどうあっても「敵」はふくまれない。それこそが戦争という状況を招くことの問題ではある。 かといって、じゃあ戦争という状況下で行われるあらゆる個人の行為はすなわちすべて悪なのかというと、決してそうはいえないだろう、ということがこの小説の主張であるといってよいように思う。 これは、簡単に肯定することのできない、難しい問題ではあると思う。 一方で、こうした仲間を思った上での行動が、そもそも戦争という事態を支えているとも言える。 仲間のための自己犠牲という精神なくして軍隊はありえないからだ。 しかし一方で、人道的にまったく許せないようなこと(安易な例かもしれないがアウシュビッツ収容所のようなできごと)がなされているとき、それをとめる唯一の手段がもし戦争だったとするならば、それが戦争だというだけで否定することはできないのも確実である。 またもう一つの問題は、こうした仲間のための自己犠牲は、生死が直接関わらないような局面においては、とても否定できるようなものではないのである。 もっとも次のような極論も可能といえば可能かもしれない。 そうした平時においてさえ、人は自分を第一に生きるべきである。なぜなら、他者の自己犠牲を称揚するような社会は、結局誰かがそうした自己犠牲を利用し搾取につながるからである。 だから人はみな自分のための打算で他者と関わっていくような社会こそが、よい社会なのだと。 しかし僕らの感情はそうした極論を正当化することはとてもできない。 それは単にそうした社会に生きることの束縛によるのかもしれないが。 いずれにしてもこうしたことを真剣に考えさせ、しかもこうした重い問題を暗澹たる気分ではなく、共感をもって読み進めさせる、とても貴重な小説であることは間違いない。 ただこうした話の聞き役となる主人公の思いとは別に、姉の結婚をからめた展開にしたてたことだけは蛇足だったように思う。 | ||||
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戦争をテーマにした小説をいくつか読みましたが、私の中で本書はNo.1ですね。 現代に生きる姉弟が、特攻でなくなった祖父のことを調べるべく、彼を知る人々を訪ね歩くという書き方が最初はどうもしっくりきませんでした。祖父「宮部」が最後は「死」に至ったという結末は冒頭から解っていましたので。 しかし、本書の意図するところは、「宮部」という一個人を描きつつ、戦争に行かねばならない時代に生まれてしまった若者が、その時代の中で、精一杯自分らしく生きようともがく姿を通じて、現代に生きる我々に、大きなメッセージを残したと言う事実でしょう。「生きて帰る」ことをなにより大事にしていた「宮部」が、どうして「特攻」で命を落としたのか、真相を知ったときは号泣しました。 こんなに泣いた本は初めてです。 もちろんフィクションでしょうが、戦争を語る人々が消え行く今、こうした書が多くの人の手に取られることを望みます。日本が通り過ぎてきた戦争の流れも、すんなり入ってきます。 | ||||
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この本を昭和3年生まれで少年飛行兵だった伯父にプレゼントしました。感想を聞いたら、その夜、久々に練習機に乗った夢を見たそうです。 伯父は琵琶湖周辺の基地で練習をし、特攻機に載らずに終戦を迎えたそうです。そんな伯父が孫から「じいちゃん、特攻隊ってテロなんだって」と云われた時、学校に抗議したそうです。 「特攻隊は決して一般市民を狙ったものではない、テロと一緒にするな」と。 | ||||
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これは、すごい本だ、と思った。 天才零戦パイロット・宮部は「妻子の為に絶対に生きて帰る」と誓った。 敗戦後60年が経ち、彼に救われた人たちの思い出を通して描かれる、 彼の誇り高き生き方と当時の恐るべき状況。 この本のおかげで、いろいろな事を知った。 ノンフィクションではないので、どこまでが事実かは分からないけど、 それでも恐るべき内容だった。 戦争中も現代も、日本は官僚に支配されていた。 そして、官僚たちが私たち国民の命を何とも感じていないのも、 昔も今も同じだ。 いかに官僚が無謀で破天荒な作戦を立て、そしていかに責任を 取らなかったか。 真珠湾攻撃が、なぜ宣戦布告前のだまし撃ちになってしまったか。 (ワシントンの駐米大使館員が前日の送別会で飲みすぎ、翌日遅刻。 タイプが送れ、宣戦布告文書をハル国務長官に渡したのは、真珠湾攻撃が 終った後だったから。このおかげで「日本は卑怯だ」というレッテルを 貼られ、しかも、外務省は今もこのミスを認めていない) 9.11テロと神風特攻隊の違いは何か。 戦争をあおったのは新聞社だった。 私の高校時代の日本史は、現代史にまではたどりつけなかったけど、 できればこの本に書いてあるような事を学びたかった。 中国や韓国の愛国教育は明らかにやりすぎだと思うが、日本は逆にやらなすぎだ。 今の日本の歴史教育に必要なのは、この本に書いてあるような内容だと思った。 | ||||
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子どもの頃からわりと戦争に関するノンフィクションを読んできたので、多少の知識はあるつもりでしたが、航空隊の最前線がこれだけ緻密に描かれたものは初めて読みました。フィクションではあるのでしょうが、かなり正確な調査の上で書かれたフィクションなのでしょう。緻密に書かれていると思いますが、百田さんの文章は、気がつくとかなり読み進んでいます。 絶対に生きて帰ると言い続けた主人公が最後は特攻で死んでしまう。戦後60年過ぎた今、彼を知る生き残りの元兵士たちの口を通して、それぞれの人の目に写った通りに語られていきます。じわりじわりと浮き上がってくる人物像。しかし、絶対に生きて帰ると言い続けた主人公が、なぜ特攻で死ぬことになったのか、わかるようでなかなかわからない。私は読むスピードがとても遅いのですが、この作品は一気に読めました。読み終わって数日経ちますが、まだ、次の本に手が伸びません。いまだに余韻に浸っています。40代後半の私ですが、人生観が変わりそうなほどの衝撃を受けました。 | ||||
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今まで読んできた小説、これから読む小説含め、これ以上心を打たれることはないだろう。 日本に富士山より高い山が無いのと同じで、これ以上の小説は出ない。 | ||||
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「BOX!」が非常に面白かったので 百田氏の作品を追っかけてみて読んだものである。 目次を読めば分かるとおり、 全12章のうち11章は複線を張りまくって 最終章でつながっていく構成となっている。 プロローグとエピローグもなかなか良い出来である。 戦時中において 「臆病者」「卑怯者」と呼ばれてもなお、 「生き延びる」ことこそが最優先であると 公言しながら、戦闘機乗りとして生き、特攻で死んだ「宮部久蔵」 自分たちが生まれる前に死んだその祖父の生き様を戦友達に聞いて回る孫の姉弟。 そして明らかになる真実。 これがこの物語の骨格である。 別の方向で興味をそそられたのが 日本軍は最終的に負けはしただろうが、 局面的には勝利をつかむことが出来たかもしれなかった場面で 上層部の保身により、それすらもかなわなかったといった表現が何度も出ていることだ。 これについては、前線で戦ったものばかりの話となっているので、深くは追求されていないが、戦後世代にはほとんど知られていないこと、いや、戦争に行ったものにしても後に調べないと分からなかったことではないであろうか? 話が少しそれたが、この物語は決して、「戦争」を描いたものではなく、生きることの大切さ、そして、必死で生きれば死んでさえも、何らかの形で生き続けることが出来るということではないだろうか。 どこにでもあるありふれた表現しか出来ない自分が歯がゆいが、私はそう感じた。 ただ、エンターテイメントとしては「BOX!」が全編興奮しながら読めたのに対し、構成上仕方が無いが、最後に全部つながるのを信じて11章を読まなければならないのが少し不満。決して個々のエピソードが面白くないわけではないが、一人ずつ話を聞くだけでなく、二人一度に話を聞き、食い違いが生じるぐらいの途中での面白さがあってもよかったのではないかと思う。 と、いうことで星は4つどまりである。 | ||||
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特攻隊に関する本は何冊か読みましたが 今のところこの本が最高だと思います。 フィクションとして書かれてますが実在の方々も出てきます。 元特攻のじいちゃんが新聞記者を怒鳴る場面は個人的にすっとしました。 | ||||
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天才的な操縦技術を持ちながら、「妻と娘のために生きて帰る」という信念のために、“臆病者”の謗りを受けても“生”に固執した零戦パイロット。彼は何故、終戦まで数日と迫る中、特攻隊の一員として南洋の空に命を散らせなくてはならなかったのか?60年後の現代、その謎を追う孫たちが辿り着いた真実とは…。 戦争という、死と常に隣り合わせの過酷な時代。しかし、その過酷さゆえに、それを生きざるを得なかった若者達…我らの祖父・祖母の世代…の生きる姿の何と切実で、であればこそ何と美しいことか。既亡き主役である「宮部」だけでなく、その時代を生きた“証言者たち”それぞれの壮絶な生き様には胸をつかれる。 しかし…それに比べると、“狂言回し”となる主人公の孫たち…我らの生きる時代でもある現代に生きる世代の物語がちょっと物足りない。60年以上前の戦争を現代に引き寄せようという趣向なのだろうが…。 それから、旧軍を批判したいのは分かるが、現代の若者達がしたり顔で解説してみせる場面は少々興ざめだった。それを支えた日本社会に対する批判的メッセージは、戦争を生き抜いた人びとの証言部分だけで十二分に伝わると思う。 そうした部分があるとはいえ、ストーリーテリング総体は巧みで、物語は感動的だ。特に(前述と矛盾するようですが)近現代史に詳しくない若い世代にオススメしたい。 | ||||
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