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永遠の0



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【この小説が収録されている参考書籍】
永遠の0 (ゼロ)
永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0の評価: 3.96/5点 レビュー 2076件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.96pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1513件 1361~1380 69/76ページ
No.153:
(5pt)

悔しく、悲しく、清々しい

長編小説であったが、一気に読み通した。込み上げてくる悔しさ悲しさが、これほどまでに物語の域を超えて心に残る戦争関連作品は、『二つの祖国』(山崎豊子)以来、久し振りのものであった。
会ったことのない祖父の影を追って、祖父を知る老人達を訪ね歩く。人生を終えようとするかつての軍人の話から浮かび上がるのは、65年前、多くの若者たちがどのように国を、家族を想って戦い、散っていったか。帝国陸軍・海軍が、どのように米国相手に戦い、敗れたか。そして、祖父が一体どのような人物であったか、どれほど家族を愛していたか。
まるで、現実の世界で、祖父世代から戦争の話を聞いているかのような錯覚に陥る。それらの話がどれほど「真実」を映しているかは、正直分からない。しかし、戦争を知らない日本人には必読の物語の一つではないかと思う程に、悔しく悲しく清々しい作品である。
永遠の0 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:永遠の0 (講談社文庫)より
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No.152:
(5pt)

小説です

ストーリーは出来過ぎ。
小説ですから。
フィクションの中に史実を交え、大東亜戦争を語る。
その中に登場する人物が泣かせる善人ばかり(小説ですからね)。
最近は戦後の自虐史観も改められ、是々非々の論調になったことはいいと思います。
この本もその点を踏まえ、当時の兵士の考え,思いを素直にぶつけた、よい小説です。
そうですね、戦争を知る世代から若い世代まで、満遍なく感動できる佳作です。
永遠の0 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:永遠の0 (講談社文庫)より
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No.151:
(4pt)

戦争ものの中でも読みやすい作品だと思う

主人公の祖父についての物語を関わった人たちによって語らせるという作風はいいが、なにぶん説明くさい。
私は戦争について詳しくないので「そうだったのか」と感心させられることも多々あり、わかりやすくはあったのだが、語っている人の心情がそれで薄れてしまい、作中の語り部への感情移入をしきれない場面が何度かあった。
また、新聞記者の偏った考え方による傍若無人な態度、これは後に姉弟とひと悶着あるのかなと思ったら
…え?それで終わり?という肩すかしのような締め方。
一番気になったのは主人公の姉弟の会話。
現実味をまったく感じさせない。一体なんの少女マンガよ!?という不自然さ。読んでるこっちが恥ずかしくなる。
…と文句を書き連ねたが、著者の場面描写は秀逸で、読み進めているその場面がまさに目の前に広がり、空中戦の場面などは本当にぐいぐい引き込まれていく。
作品の全体像も戦争時代を生き抜いた、あるいはそれぞれの想いを抱きながら亡くなっていった人々の清く勇ましく美しい物語であり、いやな感じは受けない。
宮部はなぜ死んだのか?もう少しでわかりそうなのに、すり抜けていくような感覚。
ラストにつながる伏線。「ああ」とおもわず声を出してしまったことも。
宮部の思いや無念を思うと胸が締め付けられ、エピローグまでぐっと涙をこらえなければならないものだった。
それだけに、前半に書いたマイナス点が残念で仕方がない。
永遠の0 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:永遠の0 (講談社文庫)より
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No.150:
(5pt)

百田さんに感謝。

 タイトルを見ても、「0」が何を意味するのかわかりませんでした。読み始めるとそれは明らかになりましたが、ゼロ戦のことは初めて知りました。
 その程度の知識ですから、史実としての戦争は知っていても、どのように日本軍が戦っていたのかは詳しく知りませんでした。話が魅力的ですから、時間を忘れて読めます。読み進めていくにつれ、ストーリーに引き込まれていきましたが、同時に、自分の無知さに恥じ入りました。
 様々なレビューを拝見しましたが、現代の場面における人物描写についての批判がありました。物語中では好意的に描かれていない司令官への解釈についても指摘がありました。
 小説を読む視点は、さまざまな角度があってしかるべきです。しかし私は、著者の作品によって新たな見方を得ることができたので、高い評価を示したいと思います。
 小説を読み終えたとき、ふと現実に戻ると、周りの風景が全く違って見えたり、深く見直したりすることがあります。これを感じさせてくれる小説が、良い小説だと思っています。
 「永遠の0」に登場する宮部を初めとする人物は、私の心に深く残り、また新たな見方で周りを見させてくれました。
 その機会を与えて下さった著者に、感謝したいです。
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No.149:
(4pt)

若い世代が戦争を知る良いきっかけだとは思うが、

私は30代半ばで太平洋戦争の事も学校の授業で習った程度のことしか知らない。
本書を通じて、私を含め若い世代が戦争を知る良いきっかけにはなったとは思うが、小説としての構成にはやや不満が残る。
主人公がインタビューをさせてもらう戦争体験者の言葉が、資料を読んでいるかのようにすらすらと出てきて現実味を感じなかった。
また、名乗り出てくれる人たちの話がちょうど亡き祖父の記憶をきれいに並べて貼り合わせたかのように前の語り部の話の続きの話となっていて、いかにも作為的な匂いを醸してしまって気持ち的に作品に入り込むのを邪魔してしまった。
太平洋戦争に駆り出された若者たちの気持ち、ゼロ戦乗りの現実、意外性のある結末など、見るべきところが多く感動したため、作品に入り込むための仕掛けについてはしっかり練りに練ってほしかった。
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No.148:
(5pt)

平和な時代に生きる意味

物語は熟練のゼロ戦パイロットであり、特攻隊員として終戦間際に亡くなった主人公を軸に彼に関わる人々の様々なエピソードが紡ぎ合わされ、構成されています。放送作家だった百田尚樹さんの文章は人物、情景を非常にリアルに描き出し、落ち着いた筆致にも関わらず、どんどん物語に引きずり込まれていきます。主に戦友だった人々の思い出から彼の人物像が鮮やかに浮かび上がります。フィクションでありながら、作品には実在の有名な戦闘機パイロットたちも多数登場し、ノンフィクションの面持ちを持っています。戦争の惨さ、当時の軍首脳部の兵隊や民間人を人間とは思わない身勝手さを、人々の無念の想いが随所に語られ、戦争が個人の意思や人生を抹殺する絶対悪であることを改めて認識させられます。終章で個々の物語は一気に繋がります。先の大戦で亡くなった多くの人々の無念の思いの上に現在の平和の礎が築かれていることを思いました。戦争ものでありながらヒューマニズムに溢れた素晴らしい作品です。次代を担う若い人々にも是非読んでもらいたいと思います。
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No.147:
(4pt)

戦争の代償

レビューを読み購入を迷っていたこの本を、結局街の書店で見かけたときに購入しました。正直もっと安く買えたかもしれないと思ったのですが、読み始めると定価以上のものを手に入れた感がありました。
この本の感想は、戦争を知らない私が語るのがおこがましい気がします。「特攻隊がテロリストと同じ」というくだりがあり、確かに目や耳に入る情報だけならそういう解釈もできるかなと最初は思いましたが、この本を読んでいるうちに、自分が浅はかだと思いました。そして今私たちがテロリストと呼んでいる人々についても、自分は何も知らないのにその人たちを悪人、狂人扱いしている分がかなりあると思いました。
戦争の時代、今の民主主義とは程遠い思想の世界のなかで殆ど人生の選択肢もなかった若者がそれでも気丈に死を覚悟して帰ることができない戦場に赴く。そんな人たちからみれば今の日本の姿は信じられないかもしれません。また、どこかで落胆されているかもしれません。。。
この本を読んでただ1つ切に思うのは、多くの人々の命をなくしてしまう戦争は二度と起こしてはならないということです。戦争という状況下、人間らしく思い、感じ、生きることがどれだけ難しいことなのか。そして人間らしく生きたがために、皮肉にも死を選ぶことになってしまった「宮部さん」は戦争の犠牲者です。多くの「宮部さん」が戦争で亡くなりました。今もどこかで多くの「宮部さん」が、もがき苦しんでいると思います。
永遠の0 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:永遠の0 (講談社文庫)より
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No.146:
(5pt)

素晴らしい作品

あまり戦争ものの作品を読まないがこの本は読む手が止まらず、素晴らしい作品だと感じた。
昭和の戦争の時代をその時代に生きた人間と現代人だけでなく、日本とアメリカに至るまで
多面的に客観的にどちらの視点からも捉えて描かれていると思う。
それでいて登場人物に感情移入しやすく、話に入り込むことが出来る。
後半部分では感動や悲しみ、やりきれなさなど様々な感情が交じり合い、
涙なしには読むことが出来ない。
永遠の0 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:永遠の0 (講談社文庫)より
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No.145:
(5pt)

日本人としての誇りを感じた

まるで映画を見ているように、戦場の様子が目に浮かびました。読み進むにつれ、宮部さんたちを始めとする海軍パイロットや陸軍兵士たちが幹部の無謀な作戦によって使い捨ての駒のようにいいように使われていく様を見て、憤りと共にあまりの絶望ぶりに苦しくなりました。 この本は翻訳されて、全世界の人に読んでもらうべきものだと思います。 少なくとも神風はテロリストでは決してないということだけでも知ってもらいたいです。 この本は愛国心を教えてくれました。筆者の百田さん、そして当時の世代の全ての方へ感謝申し上げます。
永遠の0 (ゼロ)Amazon書評・レビュー:永遠の0 (ゼロ)より
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No.144:
(5pt)

今の時代にこそ必要な小説

『永遠の0』は、戦争の小説だ。戦争、と聞いただけで少し隔たりを感じるかもしれないが、
語り手は現代を生きる若者で、若者が自らの祖父を調査する、という筋なので、徹底して昔の様子が描かれるわけではない。
現代と、戦時中が交差しながら、「物語」という形で、鮮やかに、私たちの前に戦争はその姿を現していく。
戦時中の舞台では、今を生きる私たちと何ら変わらない、「生きたい」という希望を持った一人の無名の戦士の人生にスポットが当てられる。
読めば読むほど、時代の壁や、世代の壁を超えて、そこにいるのは、かけがえのない人だ、と痛感していく。
随分前に歴史の授業で耳をすべりぬけた、戦時中には何万人、何百万人の人が死んで・・・という温度のない言葉が、急にそら恐ろしく思い出された。
あのときはどうしても自分に近しいことに思えなかった真実が、この小説では、恐ろしいくらい身近で、決して他人ごとではない、自分のことのように、苦しいことに思えた。
今の時代も、人を愛する気持ちには変わりがない。無名のたった一人、一人が、自分の愛する人だったら、と考えると、胸がつんざかれるような気がする。戦争の時代は、決して遠い出来事ではない。今も私たちの世代に脈々と受け継がれている、それぞれのおじいさん、おばあさんの、かけがえのないたった一つの人生の、たくさんの集まりなんだ、と思う。それは決して他人ごとではない。
ヒトゴトで終わってはいけない。今一度深く考えるべきだ、と強く思わされた。
今の時代が戦争の時代の続きに存在していることに。愛する人を愛せる、愛する人から愛されるこの幸せに。日本という国のありかたに。
現代を舞台にした部分については描写が足りない、と思うところはあったけれど、小説の「テーマ」は十分に大きく伝わって、静かに考えさせられた。
今年一番感動した小説だった。
永遠の0 (ゼロ)Amazon書評・レビュー:永遠の0 (ゼロ)より
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No.143:
(5pt)

避けてきた戦争ものですが…

サッカー日本代表の松井が「日本人として知っておかなきゃならない」的なことを言ってたけど、なかなか戦争物は避けてきたというのが実際。
どのくらい史実に忠実なのかはわからないけど、「評判のいい本」ということが背中を押してくれて読むこととなりました。
資料をもとに描いているせいなのか、しつこい部分や重複する部分が気になりましたが、全体的に引き込まれてゆきました。
宮部という人間に強く興味がわいたせいかもしれません。
姉弟の話やその婚約者の話など、どうでもいい部分(急に文章が下手になる??)もありましたが、
ラストの持って行き方はキライじゃありません。
でも、ヤクザの財布の件は、いらないかなー??
永遠の0 (ゼロ)Amazon書評・レビュー:永遠の0 (ゼロ)より
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No.142:
(5pt)

命の選択。

戦争のイメージって?
国と国の利権の取り合い?
殉教精神の貫徹?
積年の恨み辛み?
カッコつけて戦争を語る前に、改めて
考えなければならないこと。
それは、生と死のはざまで、もがき苦しむ
戦士が必ずいるということ。
そして、その戦士にはほとんど必ず家族がいるということ。
「命の洗濯」ではなく「命の選択」。
生きるか死ぬか、選択できない状況が想像できるか?
不治の病ならいざ知らず、他人から死になさいと言われる
ことが現代日本であり得るだろうか?
今作はフィクションであるが、そういう時代・史実が
確かにあったことを忘れてはいけない。
日本の作戦の無謀さがあったかどうかはどうでもいいし、
現実は違ったのかもしれない。
ありきたりに、「戦争の悲惨さ」のみで語りたくない作品であり、
日本人のみならず、現代人には読んでほしい、というより
読まなければならない作品だと思った。
ミステリー要素が、テーマの戦争に輪をかけて感涙を呼ぶ。
斜に構えて、現代の平和を謳歌している我々が恥ずかしいと
思うとともに、先達の功績と犠牲の上に成り立っている
現代社会と、先祖や家族への無類なき感謝を胸に、
「生きている」実感をかみしめて、生きていかなければならない。
選択なき人生を全うしていった諸先輩方に報いるために。。。
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No.141:
(5pt)

電車の中で号泣しました。

はじまりの舞台は現在。
ジャーナリストである姉と、
弁護士を目指して勉強中だったが目標を見失っている弟が
ひょんなことから「神風特攻隊でなくなった本当の祖父」のことを
調べていくお話です。
姉弟の現在の祖父は、
祖母が戦争で夫を亡くした後に再婚した相手だったということがわかり、
二人は家族には内緒で、本当の祖父・宮部について調べていく。
すると、ある人は「優秀な飛行機乗りだった」と言い、
ある人は「あんなに卑怯なやつはいない」という。
何が本当なのか? それを調べていくうちに、
祖父・宮部が持ち続けた信念にたどり着き…。
作中では、非常に詳しく飛行機の特長やそれに乗っていた人たちの
能力、技術、精神力などについても語られています。
特に印象的だったのは、
「零戦は非常に優秀な飛行機。7時間もの長距離飛行を可能にした。
でも、パイロットは人間だ。いつ、敵に襲われるかわからない中、
7時間もの長時間の緊張に人は耐えられない」
という宮部のセリフ。
このセリフを読むまで、そんなことを考えたことはありませんでした。
どちらかというと、特攻隊の方々は、ただただ突撃していった悲しい人たち。
そう思っていたのですが、突撃するにもそれはそれは難しい状況があったのだとか。
そういったことは、この小説を読むまで恥ずかしながら全く知らなかったので、
ただ突撃していく以上の恐怖や悲しみをしみじみと感じました。
また、神風特攻隊をテロだという人が、現在いるということも非常に衝撃でした。
これを読んだらそんなことは、絶対に言えなくなる。
彼らは別に、狂信的にに神風特攻隊を信じていたわけじゃない。
死んで行く仲間を送り、気が狂いそうな死への恐怖と戦い、
心の中では「嫌だ、死にたくない」と叫びながらも、
それが許されない状況の中、飛び立っていった。
こんなに悲しいこと、ない。
最後には祖母や現在の祖父の過去についても触れられ、
戦争での被害の別の側面についても考えさせられました。
久しぶりに号泣して、戦争の話はちゃんと語りついていかなければいけないなと
真剣に思いました。
すごく、すごく勉強になったなと思った一冊。
読みやすいので、ぜひどうぞ。
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No.140:
(5pt)

26歳、感動しました!

文庫でも580ページ近くあるので読みごたえたっぷりです。しかし、会話形式で書かれているため非常に読みやすく、活字離れの象徴みたいな私でも、「続きが気になってつい読んでしまう」という体験を初めてしました。戦争モノにありがちな「戦争はどうの」といった説教じみた内容ではなく、話の中で自然と戦争についての考え方を読者の心に生み出させる内容です。老若男女問わず、日本人なら読むべきです。後悔しない1冊です。
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No.139:
(5pt)

分厚い本は得意でないが、苦なく読めてしまった!

分厚い本を読むのはあまり得意ではないので、
全部読みきるのにどのくらいかかるかなぁと心配していました。
ところがその心配は全くなく、楽しく読みすすめることができて、思ったよりも時間かからずに読めました。
話の内容としては、戦争で亡くなったおじいさんがどのような人だったのかというのを
孫がかつての隊員達に話を聞きに行くというスタンスですすみます。
様々な人からみたおじいさんの人物像にわくわくしながら、
戦争の残酷さ、特攻隊の本当の心境などにも触れていきます。
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No.138:
(5pt)

今生きていることを無駄にしてはいけないと教えられた傑作です!

この本は百田尚樹さんのデビュー作です。もともと放送作家という立場であった方ということは後で知りましたが、この本がデビュー作というのはかなり驚きです。何冊かの本を既に出版された熟練作家という印象を持ちました。
さて、話の内容はゼロについてです。
知り合いから頂いた本でしたので、読み始めるまではどういう内容か全く知りませんでしたが、ゼロの意味するものは太平洋戦争で活躍した日本の零戦のことでした。
特攻で命を失った祖父の最後の真実の姿を孫達が明らかにしていくというストーリーです。具体的には生き残った人たちに手紙を書き、祖父を知っているという方々に取材をしていくという形式を取ります。その中で少しずつ、祖父の本当の姿が描き出されます。
それと同時にこの戦争の経過が大変よくわかるようにもなっている一冊でした。フィクションだということですが、私にはそれが信じられません。あまりにもリアルな内容にノンフィクションだと思い込んでいました。
私は勉強不足もあり、もちろん戦争のことはよく知りません。1941年12月8日に真珠湾を攻撃し、その後の戦いがどんどん不利に展開し、そして原爆が落とされて終戦を迎えるというくらいの知識です。
他には小さい時に大阪の天王寺の陸橋で片足のない傷痍軍人が募金を募っている姿がかすかに記憶の中にあります。それから小学生の時に空を飛んでいる飛行機を見ていたら、横にいた知らないおばあさんが「あれがB29だったらどうする?」と私に話しかけてきた思い出もあります。
社会人になり、ミクロネシアのパラオの最南端に位置するペリリュー島(当時は天皇の島と呼ばれたそうです)で中川さんというご年配の方が経営する民宿に泊まった経験があります。この方はやはり戦争の時にこの島を脱出したそうですが、民宿の壁という壁には軍艦や戦闘機の写真が張り巡らされていました。夜遅くまで昨日のことのようにその島での戦争の様子を事細かく私に説明してくれました。アメリカ兵、日本兵がおよそ2万人も死んだということで、毎年来る遺族の方を迎えるために私はこの島に住んでいますとおっしゃっていたことが印象的でした。
ちょうどこの島の南部には今も零戦が落ちています。その零戦を見た時の感想は「零戦とはこんなにも小さい飛行機だったのか」というものでした。
戦争が終了し、日本という国がここまで復興し、発展したのはこういう戦争で犠牲になった方々があるからだと思いました。まただからこそ、戦争を2度と起こしてはいけないし、今自分が生かされていることを肝に銘じ、無駄な人生を歩んではいけないということを再認識させられた、そんな本でした。
興味のある方は是非一度ご覧ください。
傑作です。
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No.137:
(5pt)

待望の戦争小説。

ゼロ戦の小説、こういう物語が欲しかった。
今まで数々の戦争物を読んできた。
特に「指揮官たちの特攻」が心に残るが、
現代小説として多くの青年に読んでもらえるものがでないかと願っていた。
まさにその願いに叶うものだった。
デビュー作とのことで文体の硬さが目につくが、
元兵士の語りは真に迫り、圧倒的なパワーで読み手を戦時に誘う。
ちりばめられているエピソードも、はずせない有名なものが多く、
まんべんなく戦争の悲惨と青年達の熱誠を現している。
懸命に生きた。
しかし恐ろしい時代が奔流の如く荒れ狂う。
誰もが、死にたくて死んだのではない。
愛する人々を守るため、それだけだ。
家族・恋人を残し、言葉も交わせず、
この世を去ることがどれほどの悲しみであったことか。
日露戦争の時にすでに兆していた軍指導層の傲慢、保身、狭量、臆病、
そしてそれらを決して直視しない(できない)人間的未熟さ。
苦労を知らないエリートを上に持つ恐ろしさが猛威をふるっている。
2度と忘れてはならない。
こういう指導層を持つために明治維新があったのではないはずだ。
そして新聞記者・高山とのくだり。
現代にも一部ある論難を喝破するやりとりに熱くなる。
それにしても、わからない者にはわからない。
それは、戦時のエリート指導層にも通じる通弊ではないだろうか。
そういう”人の心”をわからない者が世を誤った方に導いてゆく。
元整備兵・永井がいう。
「日本は戦後、素晴らしい復興を遂げました。」
「それは生きること、働くこと、そして家族を養うことの喜びに
溢れた男たちがいたからこそやと思います。」
「宮部さんのような男たちが尊い血を流したからやと思います。」
あの至純な青年達の思いを受け継ぐべきは今の青年しかいない。
未来を担う世代にこそ、読み継がれていくべき小説だ。
※よく練られた構成に著者の力量を感じますが、
 浅田次郎「壬生義士伝」に似た感をぬぐい去れませんね。
(壬生義士伝も、子母沢寛をベースにしてると思われますが)
 それでも十二分に読み継がれる価値のある小説だと思います。
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No.136:
(5pt)

号泣

戦争について、深く深く考えるようになりました。読んでよかったです。
最後は号泣でした。電車で読まなくてよかったです。。。
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No.135:
(5pt)

ゼロ戦の物語

「パールハーバー」という映画が何年か前にヒットしました。あの映画でゼロ戦が真珠湾に向かって飛んで
いくシーンを覚えておられる方も多いと思います。あの時のゼロ戦は実にカッコよかった。
たくさんの人が感動したと書かれているこの小説の主役はゼロ戦です。
粋がよく、最高のパフォーマンスで他を圧倒するゼロ戦が次々に出てくる新しい後進に抜かれて老いていき、
そして・・・。
確かにこの作品は”命””戦史””愛”といった視点で読むのもいいし、ミステリーとしてもよくできてい
ます。何人かの方も書かれていますが、読後、しばらく残ります。
「いい本だったなぁ」と後々思える秀作です。
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No.134:
(5pt)

反論します

この本を読んで、ほかの方のレビューを読ませてもらった。
主には星の少ない方だったが、あまりの批評にちょっと反論めいたことを書きたくなった。
いわく「これを読んでいいという人は本をあまり読んでいない人だ」
この本は過去に出版された戦記の再構成だという。そのとおりである。だから、何だというのだろうか。その戦記を読めばいいとでも言うのだろうか。戦記は戦記であって小説ではない。時に戦記はこの作者が訴えたいテーマとは別のテーマを持っている。この批評は、自分が何者かである、という前提に立った具にも着かぬ批評だ。
いわく「主人公とも言うべき人間とその姉のストーリーが陳腐だ」という。そのとおりである。だからこの小説のテーマがぼけるといいたいのだろうか。なにをこの本から読もうとしたのだろうか。
この本のテーマは、戦後60年以上がたって、時に愛国心が叫ばれるとき、先の戦争でなくなった人を敬いこそすれ、その死を徒に美化する論説にあったとき、今一度深く一人ひとりが考えなければならない、ということではなかっただろうか。靖国に参って記念館を見るのもいい。知覧を訪れ、遺書に涙するのもいい。しかし、皆が皆、天皇陛下万歳などと信じて死んでいったのでないということ、国という得体の知れないものに殉じていったのではないということ、それよりも、自分の家族やもっと漠然とした愛している人のために、自分に残された少ない道を選択して言ったのだということを、繰り返し訴えているということに思いを致してほしい。
いくつかの本のサマリーといった点もあるのだが、きっとこのテーマを繰り返し訴えるエンターテーメント性に、もしそのテーマに考えがいたったならば、帰着することを願う。
永遠の0 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:永遠の0 (講談社文庫)より
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