1Q84

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評判

1Q84の評価:

3.66/5点 レビュー 983件。 D ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.66pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全716件 421〜440 22/36ページ
No.296
(4pt)

三人称としての完成形

村上春樹の“僕”が語る物語が長らく好きだったので、村上春樹が三人称で語り始めた時点で
どうもなじむことができず、書いている著者自身も本当の意味ではしっくりきていなかったのでは
ないかという気がしていました。
以前とは違い、“現在”を描くうえで三人称への転換は作家の中で重要なテーマだったのかと。
そして、その三人称での語りが『アフターダーク』を経て、この作品で完成したように思えます。
オブライエンの『ニュークリア・エイジ』を村上春樹は“魂の総合小説”と称していましたが、
この作品も同様に村上春樹にとっての“魂の総合小説”を目指しているのでしょう。
そのため、これまでの作品の焼き直しに思えるところなどはありますが、明らかなミステリでも
ないのに文学作品でこれだけ読ませるのはさすがだなあと思いました。おそらくbook3が発行された
ところで物語ははっきりしないのでしょうが、「よくはわからないけど、読後感にしばらく包まれる」
くらいの作品として着地してほしいですね。
このbook1だけで考えると非常に出来はいいと思います。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.295
(5pt)

同時代に読める幸せ

著者の小説をしばらく(カフカ以来)読んでいませんでしたが,「1Q84」は面白いと思う。1984年というと自分は14歳で,「羊〜」を既に読んでいたのかな?文庫で読んだ覚えがあるので,それはさらに数年後のことなのか,まぁ,そんな頃です。ちなみに著者は当時35歳。若い・・・
青豆と天吾が交互に登場して,それぞれのシーンが交錯しながら進んで行く今作ですが,結構退屈させることなく読ませてくれる。それもそのはず,「タカシマ塾」なる農業コミュニティ(ほぼカルトですが・・・)が登場し,そこから派生した「さきがけ」というコミュニティが舞台のひとつとなっているのですが,自分の住んでいた町にちょうど「タカシマ塾」のモデルとなった「ヤ○ギシ会」(いまは名称を変更していますが)がありまして,同じクラスにヤ○ギシの子どもがいたので,なんだか妙な気分と,変な盛り上がりのなかBOOK2まで読了しました。
途中,別の世界に行ってしまうところもありますが,まずまず楽しめる本。BOOK3は2010年の4月発売,BOOK4まででるのかな?おそらく著者の最高傑作ではないと思うけれど,同時代に読める幸せは感じる。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.294
(5pt)

一つ上の次元

村上春樹氏の言う、一つ上の次元からの救済を
この本を読んだときに感じました。
『海辺のカフカ』のときよりもそれははっきりしているように思います。
『ノルウェイの森』で救えなかったものを、この作品では救えると思うのです。
宗教、孤独、やるせなさ、を常に意識させられますが
Book2を読み終えて、やっぱりよかったなって思いました。
彼の作品の中でも、出口が大きいものだと思います。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.293
(4pt)

読み応えがある

文学界の話や、宗教の話がでてくるのですが、個人的にもクリスチャンで、小説家になりたいと思った事が
あるので、内容をとても身近に感じました。春樹氏に僕個人の内面を見抜かれたようにも思えました。
青豆と教団のリーダーの会話が面白く、知的好奇心をくすぐられますね。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.292
(5pt)

内容が深すぎる

 この小説は、適当に開いてどこか一文を見ただけでも、なるほど真理だ、と納得させられる文章の集まりである。美文の集合体とされる三島文学の金閣寺のようなものだ。
 読んでいてとても面白いのだが、登場人物は何か幽霊のようで顔を感じない。彼らがなぜそんなに絶望していて虚ろなのかよくわからない。
 最初から最後までなにか平凡である。色々な事を考えさせられて、小説自体は形を持たず、読んだ側次第ということだろう。
 ストーリーは納得のいくものではない。ねじまき鳥クロニクルの第二巻を読み終えたときのような印象が残った。book3が出ることは、多くの人が予想していただろう。
 迷える不幸な主人公たちを、きちんとした場所に導き、終わらせてもらいたい。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.291
(5pt)

典型的な春樹ワールド

ジムのインストラクターでもある若き殺し屋の青豆。
予備校講師をして生計を立てる小説家の卵、天吾。
そんなふたりが入り込んだ「こうであったかもしれない」
1Q84年を描いた近過去小説。
読み始めて感じたのは、典型的な春樹ワールドだなと
いうこと。酒と音楽とセックス。そして不思議ちゃん。
別に嫌いじゃないんだけれども、どうしてここまで
売れて騒がれるのかが分からない。
予約数がすごいってことで話題になって、みんなそれに
乗せられて買っちゃったっていうのが多いんじゃなかろうか。
どちらかと言うと、俺もその口だしね。
今まで春樹は文庫本になるのを待って読んでいたのに、
久々に単行本で小説を読んだよ。
春樹の単行本は小学生のときに読んだ「ノルウェーの森」
以来です。
書評を見ると、賛否両論あふれていますが、
それでもやっぱり読むと引き込まれてしまうのが
春樹のうまいところ。
BOOK2のあの終わり方で、完結させて、
それはそれでありだと思うんだけれども、
続編のBOOK3が今春に出されるっていう話。
きっと、読んだ誰もがそれぞれの天吾と青豆のその後を
思い描いているだろうから、どんな続け方にしても、
そのギャップで文句は出るだろうね。
上下巻じゃなくて、BOOK1、BOOK2ってなっていたことで、
さもありなんとは思っていましたが、ちょっと商業主義に
走っているようで、なんだか嫌ですね。
なんてことを言いながら、あんなに1,2を読んだ人が
いるわけだから、BOOK3も売れちゃうんでしょうけど。
って、俺もきっと買っちゃうだろうし。
http://teddy.blog.so-net.ne.jp/2009-11-25
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.290
(4pt)

本作は純文学ではない

2009年6月16日の読売新聞に村上春樹のインタビュー記事がある。
「バルザックのような世俗そのものを書いた小説が好きで、この時代の世相全体を立体的に描く僕なりの「総合小説」を書きたかった。純文学というジャンルを超えて、様々なアプローチをとり、たくさん引き出しを確保して、今ある時代の空気の中に、人間の生命を埋め込めればと思った」(抜粋)
また過去にインタビューで
「今の日本人には『カラマーゾフの兄弟』は長いし、難しい」と言っていた。
つまりバカにしているのだ、見下しているのだ。
チミたち、ガチで怒りたまへ。
歯食いしばって読め。ロシア正教をウィキで調べろ。
亀山郁夫のドストエフスキー関連書籍を全て読め!
ファウストも読め!!
そして春樹に言ってやるのだ。
「はぁ?『カラマーゾフの兄弟』ぐらいチョロイし」と。
まぁ、でも実際のところ深いとこまで読める人は絶対的少数だよね。
割合としては1割も厳しいような気がする。
某外務官僚は「日本人の実質識字率は5%」と言ってるし。
本書の中身について。
Book1のレビューで遠まわしに「もう、これ純文学じゃなくなってるよね?」と書いた。
筆者本人が「純文学というジャンルを超えて」といってる様に、本作は純文学作品ではない。
倫理観(善悪)、DV、宗教、物語、人のつながり等々色んなテーマがてんこ盛りの本作はとっちらかし過ぎていること、文体が読み易すぎることでひっかかりがないものになっていて、心にあまり響いてこない。けれど、それなりに楽しく(自分の中では漫画を読むに近い感覚で)読めたのでエンタメ小説として面白い、という評価。
ところで、Book1とBook2あわせて原稿1984枚で書いているのだから、
氏はBook3を出すつもりは最初なかったと思うので(インタビュアーに「続編を期待する声も上がるが」と聞かれ、氏は「どうなんだろう。この後どうするかということは、ゆっくり考えて行きたい」と言っているし)
Book3は蛇足になると思うのだけど、どうよ?
でも、出たら出たでとりあえず読むのだけど。
実際蛇足かどうか判別するためだけでなく、
エンタメ小説として楽しむために。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.289
(5pt)

私には合ってた

今までに読んだ村上作品の中で一番良かった。
万人に向けた文章になったと思います。なんだか安心感。
いろんなジャンルの事がちりばめられているので
何度も読めるんじゃないかと楽しみ。
個人の成長だけじゃなくて、
日本の成長についても考えさせられました。
出てくる単語がワールドワイドな感じ。
独自性のこと、依存症のこと、
神経症のことなんかを考えました。
リトルピープルは依存症だと思う。良くも悪くもなる。
この話は十分免疫つけるのに役立ちました。
どうもありがとう、と言いたい。
いろんな人がいろんな気持ちになるといい。
そういう目的の本じゃないかな。
これからもこういう、頭がすっきりするようなお話を
たくさん作っていって欲しいです。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.288
(5pt)

面白かった。純粋に。

小説なので、読者によって当然好き嫌いはあると思います。
スピード感のあるスリラーが好きな人もいれば、熟考されられるミステリーが好きな人もいると思います。それを踏まえたうえで、この本をオススメする理由は、この本以外に、この本で感じることができる本を探すことができないからです。村上春樹は、だからすごいんだなと思います。
似たようなミステリーや、似たようなルポは散見されます。なので、あの本が好きなら、この本も好きでは?などと、推薦することもできます。
しかし、この本を似たものに出合ったことはありません。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.287
(5pt)

代替本なき、唯一の本

小説なので、読者によって当然好き嫌いはあると思います。
スピード感のあるスリラーが好きな人もいれば、熟考されられるミステリーが好きな人もいると思います。それを踏まえたうえで、この本をオススメする理由は、この本以外に、この本で感じることができる本を探すことができないからです。村上春樹は、だからすごいんだなと思います。
似たようなミステリーや、似たようなルポは散見されます。なので、あの本が好きなら、この本も好きでは?などと、推薦することもできます。
しかし、この本を似たものに出合ったことはありません。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.286
(5pt)

楽しめました春樹ワールド♪ わくわく、どきどき!

久しぶりの村上春樹本、ハードカバー、同時に買った「ブラック・スワン」も楽しめました。内容はさておき、ハードカバーは文庫本に比べると眼に優しく非常に読みやすいです、年齢のせいですが。ハードカバーと同じように読みやすく、安ければ電子ブックは大賛成です。やはり、定価 本体価格x2は高いです、だいたい2回読むことなどないのに、資源の無駄使いのような気がしてきて。。。
感想としては、BOOK1はわくわくどきどきで読み進み、BOOK2は終わりが見えてきて少し読み進むのを躊躇う感じでした。もしかしてSF?パラレルワールドかーと思いましたがハードボイルドに青春文学に私小説とやはり春樹ワールド、久しぶりに素直に楽しめました。続編を期待させる思わせぶりな終わり方で次作が楽しみです。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.285
(4pt)

BOOK3が楽しみです。

久しぶりの村上春樹入魂大長編!
凄まじい数のセールスを誇りましたが(セールス手法の上手さもあり。。)
その商業的評価と作品本体への評価は微妙に分かれるのでしょうね。。
僕は素直に楽しめました。
女:殺し屋:DV:淫行:金満の老女:教祖+教室での思い出。。。
男:作家の卵:美少女:小説:代筆:教団+教室での思い出。。。
そして異世界を分ける二つの月。
ファンタジックでもあり、現実感もあり、そしてこういった要素を
高い文章力で表現して読了後、えも言われぬ感覚をプレゼントしてくれた
筆者はやはり確かに「ハルキワールド」の持ち主でした。。
BOOK3が待ち遠しいです。。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.284
(4pt)

物語ることのリズムを一度棚卸ししたかったのかな?

風の歌からアフターダークまではフォローしてたけど、
しばらくごぶさた。ブームなのでひさしぶりに手にした村上本。
24章×2巻、2人の主人公の交互の章立てと、読みはじめじきに
バッハの「平均律」2巻のフォームを模してることはわかったが、
そのとき思ったのは、「もしかして、自分なりに物語の教本つくり
ごっこをしてますか?そういう境地になりましたか?」
「物語ることについて、いったん自分のもってるものを棚卸しでも
しようとしてるのですか?」でした。
音楽好きで有名な作者なので、やはり、一定の形式を採用した
うえでのリズムの確認、みたいなことを、ここで一度立ち止まり?
やってみたくなったのかなと。
性的な、しかもかなり露骨な表現が頻出するので、あまり子供に
よませたいと思わないなぁ。
物語としては「電脳コイル」がやりたかったの??っ感じ。
ただ、とても気持ちよく読めます。なぜか。
やはり、ラノベなんじゃないのかな?と思いました。良い意味で。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.283
(5pt)

第3部が楽しみ

なぜニュースになるほどのベストセラーになったのだろう。
あれほど世間で話題になったのは、ノルウェイの森以来ではないだろうか。
おかげで、入手するのにしばらく時間がかかった。
やれやれ。
大好きな作家だし、多大な人気があることも承知しているが、万人受けする作家ではないような気がするのだが。
独特の展開と文章を受け入れられない読者もたくさんいただろうに。
世間よりもやや遅れて読んだ村上春樹の「1Q84」は、期待を裏切らない非常に面白い小説だった。
驚いたことに、彼が書いた以前の長編小説よりも格段に内容が「わかりやすく」なっている。
このストーリーがだめな読者は、おそらく彼のこれまでの長編作品のどれを読んでも受け入れることができないだろう。
それほど「村上臭さ」が以前より薄れている。
相変わらず、ある種のメタファーなのか、それとも読者に謎を仕掛けているのか、わかりかねる部分が多々あり、戸惑う面はある。
それでも、以前よりもストーリーに吸引力がある。
淡々とページを繰るのではなく、次の展開が待ち遠しくて先へ先へと読み進むのは初めてかもしれない。
ストーリーは、彼得意のパラレルワールド。
登場人物は、新人が書いた小説の書き直しの片棒を担がされる、小説家の卵「天吾」。
もう一人は、美貌の殺し屋「青豆」。
それぞれ過去に複雑な家庭事情を持ち、現在はそれぞれたった一人で生活を送っている。
まったく関連性がない二人の物語が、あるところから微妙に交わっていく。
ところどころに散りばめられたヒントのようなキーワードは、さながら「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」のようだ。
しかし、このストーリーは天吾と青豆という登場人物が、それぞれのゴールを目指す。
そういった点でのストーリー展開は「海辺のカフカ」の要素もある。
日本赤軍、ヤマギシ会、エホバの商人、オウム真理教。
過去に実際にあったさまざまな事象を髣髴させる団体をベースに、小説家の卵と、美貌の殺し屋のストーリーは展開する。
これは間違いなく、村上春樹の生涯のテーマである「生と死」をベースにした純愛小説である。

あの日、教室でしっかりと握られた手。
その手のぬくもりを、いつまでたっても心から消すことができなかった。
その手のぬくもりの記憶だけで、人は生きていくことができる。

思い起こせば、ノルウェイの森も大ベストセラーだった。
今回「1Q84」がこれほどの部数が売れたのも、無意識に恋愛小説を人々が求めたからなのだろうか。

上下それぞれ500ページ以上の分厚いストーリーの果てにたどり着いたのは、驚くことに村上春樹が提示する「愛」だった。

第3部が今から楽しみで仕方ない。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.282
(5pt)

第3部が楽しみ

なぜニュースになるほどのベストセラーになったのだろう。
あれほど世間で話題になったのは、ノルウェイの森以来ではないだろうか。
おかげで、入手するのにしばらく時間がかかった。
やれやれ。
大好きな作家だし、多大な人気があることも承知しているが、万人受けする作家ではないような気がするのだが。
独特の展開と文章を受け入れられない読者もたくさんいただろうに。
世間よりもやや遅れて読んだ村上春樹の「1Q84」は、期待を裏切らない非常に面白い小説だった。
驚いたことに、彼が書いた以前の長編小説よりも格段に内容が「わかりやすく」なっている。
このストーリーがだめな読者は、おそらく彼のこれまでの長編作品のどれを読んでも受け入れることができないだろう。
それほど「村上臭さ」が以前より薄れている。
相変わらず、ある種のメタファーなのか、それとも読者に謎を仕掛けているのか、わかりかねる部分が多々あり、戸惑う面はある。
それでも、以前よりもストーリーに吸引力がある。
淡々とページを繰るのではなく、次の展開が待ち遠しくて先へ先へと読み進むのは初めてかもしれない。
ストーリーは、彼得意のパラレルワールド。
登場人物は、新人が書いた小説の書き直しの片棒を担がされる、小説家の卵「天吾」。
もう一人は、美貌の殺し屋「青豆」。
それぞれ過去に複雑な家庭事情を持ち、現在はそれぞれたった一人で生活を送っている。
まったく関連性がない二人の物語が、あるところから微妙に交わっていく。
ところどころに散りばめられたヒントのようなキーワードは、さながら「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」のようだ。
しかし、このストーリーは天吾と青豆という登場人物が、それぞれのゴールを目指す。
そういった点でのストーリー展開は「海辺のカフカ」の要素もある。
日本赤軍、ヤマギシ会、エホバの商人、オウム真理教。
過去に実際にあったさまざまな事象を髣髴させる団体をベースに、小説家の卵と、美貌の殺し屋のストーリーは展開する。
これは間違いなく、村上春樹の生涯のテーマである「生と死」をベースにした純愛小説である。
あの日、教室でしっかりと握られた手。
その手のぬくもりを、いつまでたっても心から消すことができなかった。
その手のぬくもりの記憶だけで、人は生きていくことができる。
思い起こせば、ノルウェイの森も大ベストセラーだった。
今回「1Q84」がこれほどの部数が売れたのも、無意識に恋愛小説を人々が求めたからなのだろうか。
上下それぞれ500ページ以上の分厚いストーリーの果てにたどり着いたのは、驚くことに村上春樹が提示する「愛」だった。
第3部が今から楽しみで仕方ない。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.281
(4pt)

180ページくらいから面白くなってくる。

発売されて、ずいぶん経つけど予備知識なしで読んでみた。
私は特別な春樹ファンではないが、誰にでも簡単に伝わる文章表現は素晴らしいと思う。
だが、イマイチまわりくどい。前半が疲れた。特に青豆に興味が湧かない。
ふかえりの存在が一番気になったが、このモデルは数年前に19歳で芥川賞取った女の子を想像してしまいそうだが、
1984年の東京、黒髪、ふくよかな胸、感情のない喋り……登場人物の中で、彼女の顔だけはイメージできない。(そこがフシギ)
去年のイスラエルで行われた春樹氏のスピーチがどうも気になっていた。
あのスピーチは何を言ってるのか私にはよく理解できなかったが、本書を読んで何となくわかってきた。
ようするに小説は、自分一人、孤独の中で楽しんで書いてるんだと。
後半へ続く……。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.280
(4pt)

強がり

読んでいるほうが必死になってアラを探している人が多いような気がします。ノーベル賞に近い作家の作品を否定し自分はそれすらも超越し小説の術を知っているような…頭がカタイ読者ばっかだからこんなにも日本の文学が酷くなったのかな…何でも意味や理由やらを求めて…それが無ければ…非現実的…個人的に意味のないことの集合体が人であり人生だと…悲しいことは今の日本に村上氏以上の小説家が数人…ただし中堅や若手にはいないこと
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.279
(5pt)

なるほどこれが村上春樹ワールドなのか

これだけ話題となり、何度もノーベル賞候補と目されている作家の本なので、遅まきながら、日本人の常識の一つとして読みました。村上春樹の本を読破したのは「ノルウェーの森」以来となります。海辺のカフカなどいくつかの本は、チャレンジしましたが読みきれませんでした。
販売直後にNHKの朝のニュースでも取り上げていました。大学の先生が評論していましたが、アナウンサーはきっとこんな性的描写のある本とは知らなかったのでしょう。かつて入社直後にノルウェーの森を読んだことを回りに話をして、後に数年先輩の女性社員から、こんなに性的描写があるとは思っていなかった、と言われたことを思い出しました。
物語としては、面白かったです。次の章を読むのが楽しみでページがどんどん進みました。文章表現も巧みな感じがしました。一方で、現実感がない部分がありました。
首都高の地理感、オーム真理教を想像させる状況など、日本人としてはわかるけれども、これらが外国人に普遍的に伝わるのか、という疑問もありました。
そして、仮にノーベル賞をとったとき、大人が子供にこの本を真面目な顔をして紹介するところ想像すると、これまた少しおもしろおかしくかんじます。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.278
(4pt)

混沌の時代をシンプルに描く複雑な物語

 スポーツジムでマーシャルアーツのインストラクターをしている青豆という奇妙な名前の女性と、予備校で数学を教えながら小説家を目指す天吾――この二人の視点で物語が交互に四八章にわたって語られる。
 著者は練達のストーリーテラー、次から次へと仕掛けが設けられ伏線が張られ、どこまでも飽きさせない。
 天吾は小さいときから数学の神童と見なされていた。父親とはうまくいっていない、というか憎んでいた。父子家庭なので息をつく場所はない。唯一、数式の世界が天吾を自由にした。だが、そこから離れて現実に戻ってくると惨めな檻の中。状況は何ひとつ改善されていない。《だとすれば、数学がいったい何の役に立つのだろう》。「物語の森」が天吾の心を強く惹きつけるようになっていった。
《物語の森では、どれだけのものごとの関連性が明らかになったところで、明快な解答が与えられることはまずない。そこが数学との違いだ。物語の役目は、おおまかな言い方をすれば、ひとつの問題をべつのかたちに置き換えることである。そしてその移動の質や方向性によって、解答のあり方が物語的に示唆される》
 今、世の中のある物事の在り様を、新聞・雑誌、新書、ネットなどに求めれば、眼からウロコが落ちるように、解答を見つけることができる。だがそれは、視野を広げることに、教養を深めることに役立つかもしれないが、今ここにある魂に安らぎを与えるものではない、今ここにある不安を鎮めるものではない。
 村上春樹の新作を求めた多くの人々は《解答のあり方が物語的に示唆される》ほうを望んでいるのではなかろうか。《それは理解できない呪文が書かれた紙片のようなものだ。時として整合性を欠いており、すぐに実際的な役には立たない。しかしそれは可能性を含んでいる。いつか自分はその呪文を解くことができるかもしれない》。
 四年前に出した『意味がなければスイングはない』で、シューベルトのピアノ・ソナタを愛好する理由をこうなふうに言っている。
 あらゆる芸術的の領域において、時代的には「ソフトな混沌を求め」、年齢的には「より緩く、シンプルな意味で難解なテキストを求め」る傾向にあるかもしれい、と。本書は、ソフトな混沌に満ちた時代を、シンプルに描く難解な物語といえようか。それが読者の無意識を激しく揺さぶる。
1Q84 BOOK 1 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.277
(5pt)

こんなハルキ初めて!

月が2つだろうが、リトルピープルがなんであろうが、
登場人物たちの生い立ちがそれぞれとてもかなしくて、
そしてリアルだった。
人間っていうのはだれも、ソウイウモノなんだな、
と思った。
あたまはものすごい勢いで物語を追いかけているのに、
ふと振り返ると
その足跡にはところどころ光る小石が残されていた。
青豆と天吾のエピソードは、何年も前、遊びで受けた
催眠療法を思い出させた。
「今までで、一番楽しかったことを思い出して下さい。
そしてこれから先、辛いことや悲しいことがあったときは、
その光景を思い出して下さい」
と言われのだ。
そのセッションを内心馬鹿にしていた私がそのとき
無理矢理思い出したのは、
奇しくも小学3年生の休み時間の、とるに足らない遊びの光景だった。
麻布の上品な老婦人がアサハラであることに気づいた時は衝撃だった。
見かけにだまされてはいけない。
結局この世の中には善も無ければ悪も無い。
正しいこと、正しくないこと、ウソもマコトも存在しない。
さらにはありえないことなどありえない。
意識は現実を創るのだし、意識が現実を創るのだ。
ここのレビューを見る限り、村上春樹文学をまるで
SFや推理小説のように読んでいる人が多いと思った。
どんなに崇高なものを与えられても、
人は皆それぞれのレベルでしか理解することはできない。
もちろんそれは悪くない。
しかし「説明しなくてはわからないことは、説明してもわからない」のだ。
1Q84 BOOK 2 Amazon書評・レビュー: 1Q84 BOOK 2より
4103534230