1Q84
評判
1Q84の評価:
3.66/5点 レビュー 983件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全716件 341〜360 18/36ページ
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1Q84の評価:
3.66/5点 レビュー 983件。 D ランク
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でも、というか、だから、というか「アフターダーク」の時には途中で投げ出されてしまったような終わり方に失望し、アマゾンにもそういうレビューを書いたことがある。
一度は村上さんの作品に失望した僕だけど、そのときに書いたように、それでも期待し続けただけのことはあって、村上さんは「1Q84 Book1」で見事に期待に応えてくれたかに思えたが、「同Book2」では、やはりこの本も「アフターダーク」同様、混沌のままに終わるのかと少しがっかり。
ところがまさかのBook3。これで落ちが着けるのではと大期待しながら読んだ。
Book3を読んで抱いた印象は、この本はafterオウムの村上さんの集大成(Book1のときの感想と同じ)ではないか、ということ。章立ての形式からしても、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の、「世界の終わり」の時空と「ハードボイルドワンダーランド」の時空とが交互に描かれ、最後それが見事に結び合うのを一つの頂点として、「アフターダーク」ではそれを超えようとして失敗した(ように僕には見える)が、「1Q84 Book3」では「天吾」「青豆」「牛河」の3人の軸で順繰りに語られ、さらに各々の章で時間がずれている、そしてそのずれは読み進まないとわからないため、三人が探し、探され、追いつ追われつする中で、たとえば「天吾」の章では、「青豆」は、「牛河」は、すでに読んだあの時間にいるのか、それともあの時間はまだ来ていないのか、とドキドキハラハラするので、章立て形式も「世界の終わり・・・」よりも更に技巧的(良い意味で)になっている。
内容の面でも、村上ワールドは更に豊饒さを増し、膨張するイメージを確かな筆力で描写している。こんな表現、並の作家にはできないと思う。
P.551「二十年間という歳月が天吾の中で一瞬のうちに溶解し、ひとつに混じり合って渦を巻いた。そのあいだに集積されたすべての風景、すべての言葉、すべての価値が集まって、彼の心で一本の太い柱となり、その中心をぐるぐるとろくろのように回転した。天吾は言葉もなくその光景を見守った。ひとつの惑星の崩壊と再生を目撃している人のように。」
おそらくこの言葉に表現されている、時空の融合のようなものは村上さんが自身の人生に重ねて感じていることそのものなのだろうと想像する。単なるでっちあげの世界ではないから力強い。
日本経済新聞の数日前の夕刊の最後の頁にこの「1Q84」に関する特集記事が載っていた。今朝古紙回収でその新聞も出してしまったので、本文を辿ることはできないが、批評家にも概ね好評で、「わかりやすいように、しつこいほど饒舌な文章」だが、「新しい地平を開拓した」旨のことが書かれていたように記憶する。ただ、一人の批評家は酷評しており、「何も解決されていない」「だからBook4が出るはず」とあった。しかし、僕はこの批評家の感性を疑う。一体何を読んでいるのだろうかと。解決はされている。解決というよりも主人公たちの決断はされていて、それは作者の決断でもある。Book4をこの批評家が期待するのは牛河のその後だろうが、それをどう描くにしても明らかに蛇足だ。読者が好きなように想像すればよいだけの話。だから僕は、賭けてもいいが(何を?)Book4は出ないと思う。
現代日本の最先端をいく作家の、集大成をリアルタイムで読める2010に、それなりの経験を積んだ中年として生きていられる僕は幸せだと思った。いつも同じような、幸せを噛みしめる括りで申し訳ないけれど。