1973年のピンボール

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評判

1973年のピンボールの評価:

3.84/5点 レビュー 137件。 C ランク

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平均点3.84pt

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全44件 41〜44 3/3ページ
No.4
(3pt)

他の作品に比べると・・・

 村上氏の他の作品と比較してしまうとどうしても見劣りしてしまった。巧みな文章力は初期の作品と言えど健在だが、文章の構成や、登場人物の心理描写に甘さを感じた。
 しかし同じ初期の作品でも『風の歌を聴け』の方が断然楽しめたのはなぜだろうか。私は構成や心理描写の点で難があると感じたが、それは他の読者にとってはそうでないのかもしれない。読む人によっても違う捉え方ができるのも、村上氏の小説―私は特に他の作品においてそう思うが―の魅力なんだと思う。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.3
(3pt)

心の隙間

1973年。ちょうど親と同じくらいの年代の人の青春時代だ。仕事が軌道に乗り社会人としてうまくやっていっているように見える「僕」と、すべてから取り残されたかのような「鼠」の姿が交互に描かれていく。
そして乾ききった青春とでも呼びたくなるような、やるせない空虚さが漂っている。
犬か猫のように拾ってきた双子の女の子と暮らし、翻訳の仕事を忙しくこなしている日常があまりに感情がなさ過ぎる。それを埋め合わせるかのように、「僕」が熱心に探すのは過去を象徴しているかのようなピンボール台だ。
ピンボールと言われても、球を打ち出してゴールにいれていくゲームだったっけ?と思うデジタル世代の人間だけど、生産性が何もないのに熱中したゲームという意味ではよく理解できた。
冷蔵庫のような倉庫で3フリッパーのピンボールと再会する「僕」。置き忘れてきた心を探していたかのように思えた。
1973年のピンボール (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボール (講談社文庫)より
4062749114
No.2
(3pt)

詩的雰囲気を味わうカフェみたいな作家

村上春樹という作家は多くの詩的情景をもっている。その詩的世界観を共有
できるかどうかで、好みは分かれる。頭2、3ページ立読み、独特な比喩に僕は
ピタッと来たので購読した。■短文と色とりどりの比喩を散りばめ、細かい
場面をつなげてくモザイクみたいな構成。読者にうったえてくるモノはやはり
希薄だが、とても気軽で安心して読める。
こんな感じの初期の春樹作品を読んでると。■父親のTVリモコンを思い出す。
今でゆうザッピング。気まぐれに次々とチャンネルを変える奴いるでしょ?
大人のクセに CM一本辛抱できねえのか、とイラついてた。もちろんウチの
親父と違い春樹アンテナは、高性能で読者ニーズに敏感だ。■フィーリング
さえ同調なら、没入しなくてもサラサラ読める。待合せ中でも、雑踏の中、
ウェイターがウザくてもね。さすが元ジャズ喫茶経営者、自然にもてなす
雰囲気作り・演出は秀逸だ。何度でも気軽にリピート可。なぜかって?
読み終えても直ぐに忘れちまうから。
同じ村上でも龍さんとは、やはり対極だな。ギラギラ感にひきこまれメリメリ
はまってく予感が冒頭からない。ホント苦もなく自分のテンションで読める。
春さんは遠く憧れる風景画だが、龍さんは緻密にリアルすぎる人物画だ。
PS●ええ僕はどっちも程よく読み漁るコウモリ野郎ですとも。ただ両者とも、
現在日本で最も無視するのが困難な作家と言えよう。
1973年のピンボール Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボールより
4061168622
No.1
(3pt)

現実に向き合う僕と、旅立つ鼠

本作品では「風の歌を聴け」で登場する二人の人物のその後が描かれている。相変わらず思いもかけぬ唐突な現実に巻き込まれていく「僕」。そう、いつもの村上作品と同じく唐突である。不可解な出会いとさらりとした別れ。でも登場するモチーフは、それなりに必然性を感じさせてしまう。一方、変わることがない日常、繰り返される会話の中にいた「鼠」。しかし日常に決別して「鼠」はついに旅立っていく。何処へ? それは三部作の結びである「羊をめぐる冒険」に引き継がれる。
1973年のピンボール Amazon書評・レビュー: 1973年のピンボールより
4061168622