三たびの海峡

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三たびの海峡の評価:

4.15/5点 レビュー 47件。 A ランク

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平均点4.15pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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全74件 61〜74 4/4ページ
No.14
(5pt)

なぜ、三たびの海峡なのか。四たびの海峡はなかったのか。

なぜ、『三たびの海峡』なのか。
このテーマが全てを語っている。なぜ「日本海峡」を主人公は渡らざるを得なかったのか。
一回目は強制であった。主人公は父に代わって大日本帝国の九州の筑豊に行くことを選ばされた。二回目。日本敗戦後、恋人と共に故郷に渡った。三回目。主人公は復讐のために、自らの意志で渡った。四回目は無い。克明にきちっと、情報収集することができた著者、ハハキギ氏の原作に出会ったときの驚き。これほど、生々しく語ることのできる人は福岡の出身者だ。
著者の略歴は、さておき、現在精神科医。具体的。筆致を押さえて書き続ける。この力量は凄かった。内容は文句なし。俺も、こう生きたいと思う男の怒り。復讐するは我にあり。戦時中の話しとしてこれほど明確に描かれた作品に出会ったことはない。流涙。泣いた。
三たびの海峡 Amazon書評・レビュー: 三たびの海峡より
4103314060
No.13
(5pt)

なぜ、三たびの海峡なのか。四たびの海峡はなかったのか。

なぜ、『三たびの海峡』なのか。
このテーマが全てを語っている。なぜ「日本海峡」を主人公は渡らざるを得なかったのか。
一回目は強制であった。主人公は父に代わって大日本帝国の九州の筑豊に行くことを選ばされた。二回目。日本敗戦後、恋人と共に故郷に渡った。三回目。主人公は復讐のために、自らの意志で渡った。四回目は無い。克明にきちっと、情報収集することができた著者、ハハキギ氏の原作に出会ったときの驚き。これほど、生々しく語ることのできる人は福岡の出身者だ。
著者の略歴は、さておき、現在精神科医。具体的。筆致を押さえて書き続ける。この力量は凄かった。内容は文句なし。俺も、こう生きたいと思う男の怒り。復讐するは我にあり。戦時中の話しとしてこれほど明確に描かれた作品に出会ったことはない。流涙。泣いた。
三たびの海峡 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 三たびの海峡 (新潮文庫)より
4101288046
No.12
(5pt)

秀作です

最近,帚木蓬生の著作に出会い,少しずつ読み進めるようになりました。これまでに,「三たびの海峡」,「逃亡」(上・下),「閉鎖病棟」,「白い夏の墓標」,「ヒトラーの防具」(上・下)(いずれも新潮文庫)を読み,帚木文学の魅力に引き込まれています。主人公をはじめとする個々の登場人物の描き方が巧妙で,必要以上に美化していないところがよいと感じます。主人公の人間像として共通しているのは,歴史の波に翻弄されながらも,時代というものを受け入れ,力強く生き抜こうとする意志,そして,根底のところで人間の良心を深く信頼しているという点でしょうか・・・。
「三たびの海峡」は,吉川英治文学新人賞に輝く,氏の出世作ともいえる作品です。主人公の河時根は,太平洋戦争の戦時下において,朝鮮から北九州の炭鉱に強制連行され,様々な屈辱と暴力を受け続けます。同僚が度重なる暴力に耐えかねて逃亡し,さらなる暴力によって殺害されるということの繰り返し。河時根もついに日本人労務者を殺害し,自らも逃亡します(以後,生涯他人を殺害した事実を悔やみ,怯え続けます)。新たな炭鉱での千鶴との出会いと密会・・・。二人で朝鮮への帰国を果たしますが,故郷での差別と突然の別れ。どの場面も「省略」というものがなく,丁寧に登場人物の心情を描いています。
同僚の金東仁らと労務に対する団体交渉の場で歌った「アリラン」の一節が,哀しく心に響きます。朝鮮と日本の民衆史を知る上でも大変参考になるかと思います。三浦綾子「銃口」(上・下,小学館)を思い出しました。
三たびの海峡 Amazon書評・レビュー: 三たびの海峡より
4103314060
No.11
(5pt)

秀作です

最近,帚木蓬生の著作に出会い,少しずつ読み進めるようになりました。これまでに,「三たびの海峡」,「逃亡」(上・下),「閉鎖病棟」,「白い夏の墓標」,「ヒトラーの防具」(上・下)(いずれも新潮文庫)を読み,帚木文学の魅力に引き込まれています。主人公をはじめとする個々の登場人物の描き方が巧妙で,必要以上に美化していないところがよいと感じます。主人公の人間像として共通しているのは,歴史の波に翻弄されながらも,時代というものを受け入れ,力強く生き抜こうとする意志,そして,根底のところで人間の良心を深く信頼しているという点でしょうか・・・。
「三たびの海峡」は,吉川英治文学新人賞に輝く,氏の出世作ともいえる作品です。主人公の河時根は,太平洋戦争の戦時下において,朝鮮から北九州の炭鉱に強制連行され,様々な屈辱と暴力を受け続けます。同僚が度重なる暴力に耐えかねて逃亡し,さらなる暴力によって殺害されるということの繰り返し。河時根もついに日本人労務者を殺害し,自らも逃亡します(以後,生涯他人を殺害した事実を悔やみ,怯え続けます)。新たな炭鉱での千鶴との出会いと密会・・・。二人で朝鮮への帰国を果たしますが,故郷での差別と突然の別れ。どの場面も「省略」というものがなく,丁寧に登場人物の心情を描いています。
同僚の金東仁らと労務に対する団体交渉の場で歌った「アリラン」の一節が,哀しく心に響きます。朝鮮と日本の民衆史を知る上でも大変参考になるかと思います。三浦綾子「銃口」(上・下,小学館)を思い出しました。
三たびの海峡 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 三たびの海峡 (新潮文庫)より
4101288046
No.10
(4pt)

人々の日韓近現代史ドラマ

 結末部分が話がうますぎるというか、希望があふれすぎているような気がして違和感はあるものの、本当の歴史とは国レベルではなく、一人ひとりの人間の人生が絡み合っているのだということを感じられるスケールの大きな重厚な作品。植民地期の朝鮮でどんな出来事があったのかを知る人々が年々少なくなっていく現代に、おそらく綿密なインタビューを行った上で書かれたこの物語は非常に貴重だと思う。あとがきがないため、どのような過程と背景で書かれたのか気になる。
三たびの海峡 Amazon書評・レビュー: 三たびの海峡より
4103314060
No.9
(4pt)

人々の日韓近現代史ドラマ

 結末部分が話がうますぎるというか、希望があふれすぎているような気がして違和感はあるものの、本当の歴史とは国レベルではなく、一人ひとりの人間の人生が絡み合っているのだということを感じられるスケールの大きな重厚な作品。植民地期の朝鮮でどんな出来事があったのかを知る人々が年々少なくなっていく現代に、おそらく綿密なインタビューを行った上で書かれたこの物語は非常に貴重だと思う。あとがきがないため、どのような過程と背景で書かれたのか気になる。
三たびの海峡 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 三たびの海峡 (新潮文庫)より
4101288046
No.8
(5pt)

強制労働者の屈辱と悲哀の歴史

本作では「ボタ山(石炭の掘りカスが山状に堆積したもの)」が朝鮮人坑夫たちの恐怖と屈辱と悲哀の象徴として描かれている。
私の故郷の町にもボタ山があった。黒い表面を所々雑草が繁殖していた。汚らしいと思っていた。幼い私はそこに隠されていた歴史をまったく知らなかったのだ。
戦争には一寸の正義も存在していないと思う。
大戦で日本は原子爆弾とい未曾有の災厄に襲われた。しかし同時に他国におぞましい恐怖を振り撒きもしたのだ。
被害も加害もともに心に留めておくということこそ公正な態度だと思う。
自虐的であるということと自らを戒めるということとは決定的に違う。非は率直に認め、それを未来の糧にするという姿勢こそ人間的な知恵の現れである。
この手の作品を専ら「反日」という枠組みに短絡してしまうことは知的怠惰ではないか。
本作によって過去に対する深いまなざしを涵養された気がする。
三たびの海峡 Amazon書評・レビュー: 三たびの海峡より
4103314060
No.7
(5pt)

強制労働者の屈辱と悲哀の歴史

本作では「ボタ山(石炭の掘りカスが山状に堆積したもの)」が朝鮮人坑夫たちの恐怖と屈辱と悲哀の象徴として描かれている。
私の故郷の町にもボタ山があった。黒い表面を所々雑草が繁殖していた。汚らしいと思っていた。幼い私はそこに隠されていた歴史をまったく知らなかったのだ。
戦争には一寸の正義も存在していないと思う。
大戦で日本は原子爆弾とい未曾有の災厄に襲われた。しかし同時に他国におぞましい恐怖を振り撒きもしたのだ。
被害も加害もともに心に留めておくということこそ公正な態度だと思う。
自虐的であるということと自らを戒めるということとは決定的に違う。非は率直に認め、それを未来の糧にするという姿勢こそ人間的な知恵の現れである。
この手の作品を専ら「反日」という枠組みに短絡してしまうことは知的怠惰ではないか。
本作によって過去に対する深いまなざしを涵養された気がする。
三たびの海峡 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 三たびの海峡 (新潮文庫)より
4101288046
No.6
(5pt)

悲惨な歴史を読んでほしい

強制連行、悲惨な状況下での過酷な労働、仲間の相次ぐ死。数十年の時を経てもなお残る無念の思い。架空の物語ではあるが、ここに書かれている朝鮮の人たちへの残酷なまでのむごい仕打ちは、実際にあったことだ。心に深く刻まれ決して消えることのない傷を、日本人は朝鮮の人たちにつけてしまった。胸が痛むと同時に、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。この作品は日本人なら絶対に読むべきものだ。そして歴史をしっかり見据えてほしい。
三たびの海峡 Amazon書評・レビュー: 三たびの海峡より
4103314060
No.5
(5pt)

悲惨な歴史を読んでほしい

強制連行、悲惨な状況下での過酷な労働、仲間の相次ぐ死。数十年の時を経てもなお残る無念の思い。架空の物語ではあるが、ここに書かれている朝鮮の人たちへの残酷なまでのむごい仕打ちは、実際にあったことだ。心に深く刻まれ決して消えることのない傷を、日本人は朝鮮の人たちにつけてしまった。胸が痛むと同時に、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。この作品は日本人なら絶対に読むべきものだ。そして歴史をしっかり見据えてほしい。
三たびの海峡 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 三たびの海峡 (新潮文庫)より
4101288046
No.4
(5pt)

勉強になりました

太平洋戦争中、数多くの韓国・朝鮮の人が日本へ強制連行されて過酷な強制労働に従事させらたことは、歴史で習った記憶がある。この小説には、学校教育ではさらりと流されてしまうような歴史が見事に描かれていると感じました。詳細な描写は、この作品の中にも生かされており、当時の時代風景が目に浮かぶようでした。以前、小説の舞台となる北九州に住んでいたこともあり、他の読者よりもこの小説にはまったかもしれません。日本と韓国・朝鮮との間の暗い、しかし決して忘れてはならない歴史を一人の韓国人主人公をめぐる出来事を通じて語りかける名作だと思います。また、最後の展開にも驚かされました。
三たびの海峡 Amazon書評・レビュー: 三たびの海峡より
4103314060
No.3
(5pt)

勉強になりました

太平洋戦争中、数多くの韓国・朝鮮の人が日本へ強制連行されて過酷な強制労働に従事させらたことは、歴史で習った記憶がある。この小説には、学校教育ではさらりと流されてしまうような歴史が見事に描かれていると感じました。詳細な描写は、この作品の中にも生かされており、当時の時代風景が目に浮かぶようでした。以前、小説の舞台となる北九州に住んでいたこともあり、他の読者よりもこの小説にはまったかもしれません。日本と韓国・朝鮮との間の暗い、しかし決して忘れてはならない歴史を一人の韓国人主人公をめぐる出来事を通じて語りかける名作だと思います。また、最後の展開にも驚かされました。
三たびの海峡 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 三たびの海峡 (新潮文庫)より
4101288046
No.2
(5pt)

日本と韓国の歴史に翻弄された主人公 韓国版「大地の子」

生きることで精一杯だったけど、平穏な日々を送っていた青年が、日本へ送られて強制労働に従事する。そこではじめて青年は韓国民族が置かれている状況を理解することになるのである。歴史の大きな波の中で、知識階級以外はなかなか歴史の大きな流れを実感できない。しかし、自分の一生を左右するような出来事に巻き込まれることにより、独自の歴史観が形成されるのだろう。主人公が経験する強制労働からの脱走、逃亡先での恋物語、過酷な労働を強いた炭坑経営者への恨みと復讐劇は読む者をグイグイ引き込んでいく。日本がアジア周辺国にもたらした戦争の悲劇を民衆の視点から描いた名作に間違いなし。
三たびの海峡 Amazon書評・レビュー: 三たびの海峡より
4103314060
No.1
(5pt)

日本と韓国の歴史に翻弄された主人公 韓国版「大地の子」

生きることで精一杯だったけど、平穏な日々を送っていた青年が、日本へ送られて強制労働に従事する。そこではじめて青年は韓国民族が置かれている状況を理解することになるのである。歴史の大きな波の中で、知識階級以外はなかなか歴史の大きな流れを実感できない。しかし、自分の一生を左右するような出来事に巻き込まれることにより、独自の歴史観が形成されるのだろう。主人公が経験する強制労働からの脱走、逃亡先での恋物語、過酷な労働を強いた炭坑経営者への恨みと復讐劇は読む者をグイグイ引き込んでいく。日本がアジア周辺国にもたらした戦争の悲劇を民衆の視点から描いた名作に間違いなし。
三たびの海峡 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 三たびの海峡 (新潮文庫)より
4101288046