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ヴィンダウス・エンジン



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【この小説が収録されている参考書籍】
ヴィンダウス・エンジン (ハヤカワ文庫JA)

ヴィンダウス・エンジンの評価: 3.00/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

エンタメ9割SF1割。ひとことで言うと勢いで読ませるエンタメ小説。

面白さで言うと面白い小説ではあるけれど、SF小説かと言われればちょっと首をかしげる内容だった。

SFといえば、新しい概念の発明とその概念がもたらす影響を描くもので、一種の仮想的なシュミレーションであると私は考える。でもただのシュミレーションでは文学として面白くもないので、そこに科学的・論理的ではないもの。例えば感情的な要素を加えるのがキモになる。論理的要素と非論理的要素のバランスがSF小説としては難しいところだと思う。SFだろうが、戦記物だろうが、なろう小説だろうが、どんな小説も結局は登場人物が必要なので人間(もしくはそれに類似するなにか)同士の関係の話に収束せざるを得ないからだ。

それを踏まえて本作を読んでみると、SF的な要素は弱いと言わざるを得ない。話の展開は分かりやすく"ハリウッド的物語"である。ものがたりの舞台装置としてSF的な仕組みが使われるが、使われるだけでそれ自体が面白さを発生させているわけではない。面白さは"ハリウッド的物語"から発生していると感じる。別にこれはSF小説として書かなくても良い。SF的舞台装置をそのまま他の何かに代替しても成り立つだろう。

例えばなろう小説として書けるだろう。ヴィンダウス症を"はずれスキル"に代替できる。主人公は鍛錬によって、はずれスキルを克服し新しいスキルに昇華し、幸せな日常を得る。しかしある日突然美少女錬金術師が訪ねてくる。あなたをぜひ研究させてくれと言うのだ。あれよあれよと言う間にあなたは騒動に巻き込まれて、そのうち魔法界全体を揺るがす大問題に直面しこれを解決する。

別にエンタメ9割SF1割でも面白ければそれで構わないと私は考えるが、エンタメ小説としてもこの本は問題がある。

エンタメに寄せるなら本の題名や表紙、内容にポップさが足りたいのだ。"ヴィンダウス・エンジン"なんて固そうな題名では読むのはSF小説好きに限られるだろうし、SF小説好きからすれば、これ本当にSF?って思われてしまうだろう。内容ももっとポップにすべきだ。ヒロインは一応登場するが絡みが弱い。1回か2回くらい感情的な喧嘩の場面と仲直りして愛を育む場面を挿入すべきだ。"ハリウッド的物語"としてエンタメに寄せるならの話ではあるが。

面白い小説ではあった。勢いがあって、ハリウッド的だから、面白さは保証されていると思う。
作者が次に書く作品がどのような作品になるのか楽しみである。SF要素が面白い作品を書くのか、もっとポップにエンタメ作品を書くのか、単に舞台設定を変更して焼き直すのか。社会風刺を効かせて現実を皮肉るか。はたまた別のなにかか。
ヴィンダウス・エンジン (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:ヴィンダウス・エンジン (ハヤカワ文庫JA)より
4150314586

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