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避難所
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避難所の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.43pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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著者は被災者に本当の意味で寄り添っているのか?最後まで読み、著者のあとがきを読むと、被災地を、被災者を小説のネタとして選んだだけの作品ではないか?著者が感じた「疑問と反発」を、問題を、わかりやすく提示できるから被災地を舞台に選んだだけの作品、そう感じました。 著者は「段ボールの仕切りを最後まで使わせなかった避難所があったと知ったこと」が書こうとしたきっかけとあとがきで書いています。「やがて虐げられた女たちは静かに怒り、立ち上がる」と解説にはあります。 三人の女たちが主人公であるから、男尊女卑を描き、どうしようもない男達がこれでもかと出てきますが、そういう男達もいただろうし、小説としてはいいとしましょう。 たぶん著者なりに被災地のことを考えてくれたのでしょうが、スタートが「疑問と反発」だったためか、 結果として、三人の女たちには著者の想いを代弁させているだけでないか、と感じました。 一人は母親を失い、一人は夫を失っているが、残された者の心中の悲しさや辛さ、亡くなった母親や夫のこと自体、ほとんど描かれていない。ご遺体をどうするのか、火葬場が被災して火葬ができない、寺が流されて遺骨が埋葬できない、そういった、当然出てくる問題は一行も出てこない。それでいて、最後に夫への手紙ということで様々なことを代弁させている。 又、夜に仮設のトイレでレイプされそうになったが、男達の非常識な言動を描く一方で、レイプされそうになった当人の心の傷はほぼ描かれない。 著者は被災者に本当の意味で寄り添っているのか?表層的な、あるいはごく浅いことしか書いていないではないか。被災者を小説のネタにしているだけではないか?そう感じました。 それから、現実にはもっと様々なことがあり、もっと惨いこともありました。著者がどこまで描くかは著者の自由ですが、読んだ方から、リアルだ、ほぼノンフィクションという感想が少なからずありました。確かにリアルと感じられる箇所はたくさんありましたが、例えば、「匂い」あるいは「臭い」に関する記述はほとんど出てきません。不思議なことです。私は、これを読んだだけで、わかったような気にはならないでほしい、ある一面しか描いていない、と申し上げたいです。 著者は文中で女たちにこう語らせています。「男尊女卑も震災前からそうでした。日本の社会っでいうのは、女の我慢を前提に回ってるもんでがす」、「前からあった問題が震災で鮮明になったってごどか」 そして、著者はあとがきでこう記しています。「これは日本のどこにでも起こりうることで、いわば日本の縮図がここにある」 つまり小説の舞台はどこでも良く、わかりやすく問題を提示できる被災地を選んだだけ、と私は理解しました。三人以外の登場人物の大半(老若男女を問わず)に対して著者なりの温かい眼差しを感じられない理由もわかった気がしました。そう被災者の一人として思います。 | ||||
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垣谷美海さんの本はこれで5冊目になります。 とても読みやすく、好きです。 ドラマを見ているようにさらさらと読め、 この本も2時間程度で読み終わってしまいます。 津波から逃れた後の女性の生活を、 女性の目線で書いています。 「いるいる。こういうおじさん」という、 いわゆる、 どうしようもない古い考え の男達が沢山出てきます。 心がとがっていく感覚や、 耐えがたい不快感など、 とてもわかりやすいです。 が、結局は、 その男性達にぎゃふんと言わせるわけでもなく、 「逃げる」 選択肢しかないのかと、 少し残念な気持ちになります。 まぁね。実際は結局言ったってわからないし。 どうせ、これだから女は。 とか言い出すんでしょうね。 逆に面倒になるなら、 適当にその場をあしらう方が、 実際正しいのかな。 男性達が気付くことは今生ないんでしょうね。 同作者の「40歳、未婚出産」 でも感じたのですが、 面白いんですが、 最後、物語を終わらせるために、 無理矢理ハッピーエンドに こぎつけている感があり、 読んだ後なんとなくもやもやするというか、 しっくりきません。 | ||||
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避難所でプライバシーを確保する仕切りがない、女性が襲われそうになる、補償金が世帯主に渡されるシステムが別居者や二世帯居住者にとって不利であること、生き残った者の苦悩などは比較的良く描けています。しかし、故郷を離れ東京に移住してほぼ解決するオチは安易過ぎます。話の性質上仕方無いのかもしれませんが、「えっ、これで終わり?」と思わざるを得ませんでした。素材の着眼点は良かったのですが、それぞれの切り口が浅いので、物足りなさが全体に漂います。せっかく色々な文献を読んだり参考にしているのに、活かされていない。所詮、作者は遠くから震災を見た人なんだなぁ。 | ||||
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