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評判
正欲の評価:
3.85/5点 レビュー 459件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全459件 341〜360 18/23ページ
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正欲の評価:
3.85/5点 レビュー 459件。 D ランク
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「読む前の自分には戻れない」という触れ込みのようですが、 夏月に最も共感した私にはあまりそう感じられませんでした。当然ですが個人差が大きいですね。
構成について
冒頭で話の核となる事件と文章が示され、次にそこに至る道筋とその後の顛末を、章ごとに登場人物たちが代わるがわる主人公となりたどっていく構成です。 そのため舞台や登場人物がコロコロ変わりますが、何が起こっているか把握できないような読みづらさはありませんでした。 また、前後の章を繋ぐバトンのようなキーワードがあることでぶつ切り感も和らげつつ、作中に頻出の「繋がり」というテーマを擦っているようで面白かったです。
登場人物について
「マジョリティ(啓喜、田吉など)」「マイノリティ(諸橋、佳道など)」「マイノリティに歩み寄ろうとするが的外れなマジョリティ(神戸、よし香など)」の三種に大別されているように感じました。多い割にテンプレ的というか、「あ〜いるいるこういう人」みたいな。 終盤の諸橋が神戸にまくし立てるシーンなんかはスカ○とジャパンのようで興醒めしかけましたが、神戸がその後言い返して反撃し諸橋とのちょうどいい距離感を探り始める流れはテンプレ的でなく意外で印象的でした。
ストーリーについて
登場人物たちの生きづらさが描写される序盤〜中盤は、どこか身に覚えがある会話が交わされており読んでいるだけの自分まで居心地が悪くなるようでした。よく分かること自体がイヤなくらいリアルなあるあるネタという感じ。ここが「あるある」でない人達が「戻れない」と言うのかと後から理解しました。読みづらくはないのに休憩を要しました。
終盤では登場人物たちのひそかな繋がりが生まれ、最終的に露見し、誤解されます。
ただ不思議なことに、この露見と誤解(≒三人の逮捕)のきっかけとなる谷田部については作中ほぼ語られません。彼は水以外にも興奮するという点で異質な存在ですが、タブーかノイズのような扱いです。もしかすると作品の主眼がそこにないのかもしれませんが、これは少し不誠実に感じられます。作者に、あんたも蓋してるじゃんか、所詮"そっち側"なのか?という断絶と諦めを覚えてしまいました。
結末はそれまでの価値観のぶつかり合いに比べると薄味で、ドラマティックな変化などそうそうない現実がただそこに在るというような雰囲気です。読後感は爽快でも沈痛でもないニュートラルな気分でした。人によっては物足りなく感じるかもしれません。
一貫してフィクションらしさというよりは現実の重力を感じるお話で、軽やかさとか爽快な復讐劇みたいなものはありません。誤解は解けないし、世界の厳しさは変わらない。そういう感じです。
テーマについて
おそらく「綺麗事の多様性を唱えていればオッケーと思っている奴らへの糾弾」みたいなのがテーマなのかなと思います。前述の言い合いの諸橋の意見はそのまま作者の言いたいことのように見えました。だからここ神戸がただ折れるだけでないのが印象的だったわけですが。
私はこの作品に多様性やマイノリティの見方について新しい視座を期待して読みましたが、ある程度もう語られたことが最後まで続きました。そういう意味でも「あるある」です。正直、言葉は悪いですがこの程度の踏み込みで皆の秘密を暴いただの考えさせられただのと評してもらえるのか、などと思ってしまいました。きっと私は意外と考えてた方だったんですね。少し拍子抜けです。
プライドパレードや虹色の大きな旗、おっ○んずラブなどに素直に肯定的な方に読んでほしい作品です。これらを最近流行りの異物だと感じる方には踏み込みすぎに、逆にこれらを白々しく感じる方にはどっかで見た話に読めるのではないでしょうか。あるあるの精度が高いと思ったので☆3で。