黒牢城
評判
黒牢城の評価:
4.21/5点 レビュー 248件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全380件 241〜260 13/19ページ
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黒牢城の評価:
4.21/5点 レビュー 248件。 B ランク
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デビュー当時から、実力派のミステリ作家と評価されてきた著者が、遂に本作品で、直木賞を受賞しました。
しかも、歴史小説で。
ミステリ好き+歴史好きの私としては、読まずにはいられませんでした。
(本格ミステリ大賞を受賞しているところも、読みたくなった動機のひとつです)
【率直な感想】
<設定の巧みさ>
本作品は、信長に謀反を起こし、有岡城に立て籠もる荒木村重のもとに、翻意させようと、黒田官兵衛が単身、乗り込んでくるところから幕を開けます。
死を覚悟していた官兵衛の意志に反し、村重は城の地下の牢獄に、官兵衛を幽閉してしまう…。
官兵衛の物語としては、この幽閉は、大きな見せ場。
2014年には、大河ドラマ「軍師官兵衛」が放映されましたが、ここでも見せ場となっており、あまり歴史に詳しくなくても、このドラマを観ていれば、すんなり本作品に入り込めるのではないかと思います。
多くの読者を獲得する巧い設定だな、と思います。
<ミステリとしての観点>
もちろん、設定が巧いだけで、受賞はできません。
本作品は、序章と終章の間に、4つの章があり、それぞれの章で、不可解な事件が発生します。
これに困惑した村重は、官兵衛に事件について、相談を持ちかけます。
すると、官兵衛は、話を聞いただけで、事件を解決してしまう。
(正確に言うと、解決のヒントを語るだけですが、真相を見抜いての発言となっています)
「話を聞いただけで」というのは、いわゆる安楽椅子探偵。
本作品は、幽閉された官兵衛が探偵役という、斬新な発想のミステリ小説となっています。
それぞれの事件解決が、優れたミステリ小説として成立しているところが、評価されたのでしょう。
また、本作品は、歴史小説としては長編ですが、ミステリ小説としては、「連作短編集」の体裁を取っています。
現代の日本のミステリ小説界では、単なる「短編集」で終わらせない、ある趣向が凝らされた作品集が散見されます。
その内容はネタバレになるので記載はしませんが、本作品でも、その「趣向」が凝らされている点は、現代ミステリに相応しいものとして、評価してよいと感じています。
<歴史小説として>
歴史小説は、解説書ではないので、史実を変えることはしないけれども、フィクションを巧みに取り入れて、読者を楽しませてくれます。
ドラマですと、大河ドラマも同じ手法ですね。
このフィクションの部分が、本作品では、ミステリとしての謎解きの部分なのですが、これだけでは、直木賞は受賞できません。
直木賞受賞作品には、人間描写(人間ドラマ)がなければならない。
本作品では、村重と官兵衛の戦国時代を生き抜く武士としての人生観や世界観が丁寧に描き込まれている。
さすが、直木賞受賞作、と感じました。
【全体評価】
歴史小説+ミステリ小説であり、人間ドラマとしても巧みな描写がされている点からすると、これは著者の代表作となることが確定的な傑作と感じました。