小麦の法廷

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小麦の法廷の評価:

4.35/5点 レビュー 20件。 B ランク

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平均点4.35pt

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全21件 21〜21 2/2ページ
No.1
(4pt)

まるで何事もなかったかのように

作者のデビュー作「藁の楯」以来になりますが「小麦の法廷」(木内一裕 講談社)を一気に読み終えました。
 主人公の杉浦小麦は、司法修習期間を終えたばかりの新米弁護士。彼女は相続絡みで報酬わずか二十万程度の人探しを依頼されます。一方、喧嘩沙汰による傷害事件があり目撃者もいて、被告人も起訴内容を認めている国選弁護の(簡単なはずの)仕事を引き受けることになりますが、実はその事件は同時刻に江東区の倉庫内のオフィスで三人の男が銃殺された事件と関連があり、警視庁の刑事から電話を受け取ることになります。
 横浜関内、日本大通り界隈の街のざわめき。警視庁と神奈川県警。周囲は敵ばかり。検察も敵。被害者も敵。目撃者も敵。そして小麦が護る対象のはずの被告人も敵という状況の中、小麦はいかにその初めての戦いを仕掛けるのか?ストーリーを書いていいのはここまでだと思います(笑)
 事件は少し小ぶりで、作者の筆致も少し淡泊ですが、最後はリーガル・スリラーらしく法廷での逆転裁判が待ち構えています。「嘘」が「嘘」を打ち消し、そのまるで何事もなかったかのような結末へと至る法解釈と展開は、スリリングでとても面白かった。
 主人公・小麦のキャラクターがとても魅力的ですね。レスリングのオリンピック候補でありながら一転弁護士を志し、司法試験に一発合格、プリティな見た目なのに、くわえ煙草で軽トラを爆走させる彼女の物語をシリーズ化してほしいと願います。
 また、この小説はキャメラマン・仙元誠三さんに捧げられていますが、かつての<プログラム・ピクチャー>の趣きもあり、ニューアクション全盛の頃の「日活」が映画化してくれたらいいのにと(泣きながら)叶わぬことを思ったりもしました。勿論、監督は故長谷部安春。主演は、太田雅子のころの梶芽衣子で。
小麦の法廷 Amazon書評・レビュー: 小麦の法廷より
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