電王

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評判

電王の評価:

3.38/5点 レビュー 13件。 D ランク

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平均点3.38pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1〜7 1/1ページ
No.7
(1pt)

固くて薄くて、しかも味がない。

将棋とAIをモチーフとした作品。

冒頭「三十二手で詰む」というビックリ発言(※~手詰めは奇数である)が登場した瞬間から雲行きが怪しいな……とはおもっていた。
ただ、電王戦FINALを実際の対局場を列挙して述べるなど、現実の将棋界の歴史ともシンクロした世界をベースにしている(2016年末刊行)ので、その地盤がちゃんとしていれば、おもしろいかも、とも。これが10ページくらいまでの話。

しかし。
作者は将棋界について本気で何もご存知なかった……。ご高齢だからなのか、もともとそういう方なのか。
一応、最低限のプロのシステム(順位戦など)は説明があるのだが、奨励会制度や将棋道場の描写をはじめ、穴というよりは「知らないし調べる気もないので想像で書きます」的な箇所が散見される。ギャグだとすれば出来が悪いし、本気ならばタチが悪い。

ジャンルとしては無理矢理分ければ(文体は)ハードボイルドだろうか。思考停止という意味も含めて。
ハードボイルドというのは洋邦問わず基本的に後付けの文学、ご都合主義の極地、どんなテーマでも同じ雛形に落とし込んでポン、であって、だがそこがいい、とわたしは考えるのだが、この作品は中途半端すぎる。
小学校6年生の2人が三段リーグで対戦、という中盤のクライマックスも、現実路線としてはリアリティに欠け、ファンタジーとしてはお膳立てや収束含め雑である。
どうせなら、「将棋のタイトルっていくつあるか知らないから10冠にしちゃえ」とかのほうがまだ笑えたのだ。

同じ現代の将棋小説でも「盤上の向日葵」や「盤上のアルファ」に感じた、キャラクタが勝手に立ち上がって喋り出すような濃密な設定と描写には遙か及ばず、登場人物はみな書き割りのようだ。ただの記号だ。感情移入どころか「どんな顔してるのかな?」すら浮かばない。
また「サラの柔らかな香車」のように現実にかなり忠実な作品世界を構築した上で紡がれるファンタジーとしての華も、ジュヴナイル的な芳醇さもない(そこはハードボイルドだから別にいい、という気持ちもあるにはある)。

北方謙三ものも大概融通がきかないけれど(三国志、水滸伝、楊令伝など全部人名と時代が違うだけでエピソードやキャラ配置からの展開が清々しいほど一緒である)、あれはもうなんというか「わしゃこれしかせんけんね」という固い意思を感じるので、いいとおもう。

ただ、この作品はハードボイルドはハードボイルドでも、絶妙に地に足がついていなくて、薄っぺらくて、文体が固いだけで、余韻も余情もあったものじゃない。

なにより、将棋と、棋士と、将棋界と、将棋ソフトへのリスペクトをまったく感じなかった。
将棋はただ作者が洟をかむために用意したティッシュ程度の存在でしかない。

この作者の作品がお好きな方は面白く読めるかもしれないし、将棋に特に興味がない、という人もあるいは楽しめるだろう。
ただし、すこしでも文学や将棋を愛する気持ちをお持ちの方には、わたしは絶対にお薦めできません。
電王 Amazon書評・レビュー: 電王より
434403046X
No.6
(3pt)

全体的には面白かったがエンディングが、、、

藤井聡太六段の活躍でブームになる少し前に将棋に興味を持ち、戦略、棋士のインタビュー、コンピュータ将棋などいくつかのジャンルの将棋本を読みましたが、将棋を題材にした書籍はこれが初めてでした。切磋琢磨して将棋のプロを目指した2人の少年が大人になってからプロとコンピュータ将棋の開発者として対戦するストーリーはとても興味深くどんどん読み進めましたが、残念ながら個人的にはエンディングは盛り上がらなかったなあという感想です。
本書は2016年12月に出版されています。2015年10月に情報処理学会がコンピュータ将棋の実力は2015年の時点でトッププロ棋士に追い付いているという分析結果の発表、2016年5月に人類最強と言われる羽生善治三冠(当時)が叡王戦への参戦を発表、ということを考慮すると、おそらく執筆中にこれらの発表があったことでエンディングにも何ら頭の影響があったのでは、と思ったりもしました。
電王 Amazon書評・レビュー: 電王より
434403046X
No.5
(2pt)

相葉君完璧過ぎて嫌い

奨励会は年齢制限退会でプロになり損ね
やむなく進んだ数学の世界でも、数学オリンピック出たくらいでは全く歯が立たず万年研究員
大学辞めて継いだ実家の電子会社は倒産寸前。自社開発の将棋AIがかつてライバルだった現名人に勝てば世界的に注目され、会社復活のラストチャンス
みたいな設定にしてくれないと、相葉君には全く共感できません
その方が電王戦にかける意義が出るのでは。
電王 Amazon書評・レビュー: 電王より
434403046X
No.4
(3pt)

蛇行しながら最後は迷走

病弱な子供が将棋に出会い、それをキッカケに二人の天才が交流していく。
一人は将棋の道、もう一人は数学者、1度は2人の道が分かれた。
その2人が再び将棋で向かい合う。

将棋の人工知能ソフトをテーマにした物語で途中までは面白く読めました。
企業の話が中途半端にはいってきているように感じ、せっかくの2人の
話が少なく感じて ストーリーの中に入って行きにくくなりました。

まして、最後には 「なんじゃ、そりゃ?」です。

ソフトウェア開発の部分も さらりと流しすぎてバージョンアップの苦労なんか
全然感じれない。

テーマが面白かったのと、作者の作品が好きなだけに 残念に感じました。
電王 Amazon書評・レビュー: 電王より
434403046X
No.3
(3pt)

余分な枝葉が入りすぎな感じ・ネタバレあります

弟の会社の要素はあまり必要なかった気がする。高野もいらないキャラだった気が。
過去と現在行ったり来たりの手法はいいんだが↑の「いらない要素」の為に読み進むのが多少面倒な部分もあった。
ラストに「なんじゃそら?」と思ってしまった。それ基本前提台無しやん?と。
ほどほどに楽しんだから良し。かな
電王 Amazon書評・レビュー: 電王より
434403046X
No.2
(3pt)

このコンテンツで他の作家に書いてもらいたかった

互いに切磋琢磨しながら将棋のプロを目指した二人の天才少年。やがて進む道が分かれ、七冠王とAI研究の世界的第一人者として対決!
序盤から中盤まで、二人の少年時代と現在の二重構成で話が進み、すべてがラストの対決への布石となっている。
人間対将棋ソフトという現実にも進行中の対立構図の面白さもあり、最後まで楽しく読めた。
星が3つの理由は、細かい内容に関し突っ込みどころが満載である点。これは小説なので、そのあたりを捨象することで楽しめるが、
いかんせん小説家としての筆力に問題がある。
本作のコンテンツは、将棋ファンである私としては最高のものであるだけに、他の作家に書いてもらいたかった。
電王 Amazon書評・レビュー: 電王より
434403046X
No.1
(3pt)

将棋界の最近のコンピュータ脅威を小説化した野心作だが、棋界の現実に追いついているだろうか

囲碁・将棋・チェスの世界において、コンピュータはすでに人智を超えた存在にある。チェスはもとより、囲碁界の第一人者、イ・セドル氏が1勝4敗でグーグルのソフト・アルファ碁に大敗、また将棋においても、何度もプロ棋士が負け越しているし、プログラムの事前貸し出しというルールも解せない。

このような中でついに起きたのが、三浦九段のスマホ不正疑惑事件であり、竜王戦挑戦者が連盟幹部7名による決定で、三浦九段から丸山九段に差し替えられた事件である。少なくとも三浦九段の竜王戦挑戦者決定戦の2局を含む計4局について、スマホによるカンニング疑惑が浮上した結果、谷川会長、羽生三冠ら幹部7名が下した結果が、三浦九段の出場停止処分なのである。

このままでは、竜王戦のタイトル自体が無くなりかねない。そうなれば現在の将棋界の体制そのものが音を立てて崩壊していく。そう渡辺竜王は、きわめて強い危機感を覚えたという。

三浦氏の疑惑がここでは事実だと仮定しての話だが、三浦氏の心の中でスマホで対局情報を得るまで、そして出場停止処分を受けたとき一体どのような葛藤・ドラマがあったのか。そして、対局を拒否した渡辺永世龍王、決断を下した谷川会長、羽生三冠の胸中を思うとき、事実のあまりにドラマティックな展開にただただ驚愕するばかりである。

そして、一方、今回の小説の方であるが、一読したが、小学生から幼馴染の二人が一方は最強の棋士、他方は世界的な人工知能学者となり、再び、今度は人間対コンピュータプログラマという形で世紀の対決を果たすという友情物語となっており、本の表紙が示す世界観のままの展開であった。

いろいろと思うところもあるが、なんとも御目出度いオールドファッションな人間賛歌の物語に感じられた。しかし、ここには現実の将棋界が感じている危機感があまり感じられず、私の感覚では物足りなさを感じてしまった。

すなわち、事実は小説よりも奇なり、ではないが、週刊文春のスキャンダル記事のほうが、小説よりも遥かにドラマティックになってしまっているのである。

いま棋界が置かれている状況はどういうものだろうか。
(1)最強棋士がコンピュータに、敗北する
(2)最強棋士がコンピュータに、圧倒的大差で敗北する
(3)最強棋士がコンピュータに、圧倒的大差で敗北することが世間的に常識化する
現状は(1)、しかし来春には佐藤名人がponanzaに大敗して(2)となるかもしれず、5年後の2020年には(3)に達していてもおかしくないと思われる。

そんな中で、将来、例えば、日本将棋連盟の現体制(A級、B級、C級の構成)が維持できるのか、私は疑問を感じている。

小説はフィクションであるが故、現実を超えて未来を先取りするものであって欲しい。以前、「日本沈没」という名作があったが、この小説の値打ちは、日本が沈没する前に描かれたことにあると考える。

そういうわけで、私のような心の乾いた人間は、友情賛歌よりも、日本将棋連盟が危機に瀕し、C級棋士の亀田哲夫六段がある朝とつぜん連盟から解雇通知を受けて路頭に迷うところから始まるような小説を読んでみたい。すなわち、コンピュータの猛追に存在意義を失ったプロ棋士は人員削減を余儀なくされ、路頭に迷ったC級棋士たちのサバイバルの物語が始まる、という近未来小説にスリルを感じるだろう。

ところで高嶋哲夫氏は、同じように昨今の政情に対応した「日本核武装」という作品も上梓されている。こちらの作品は、もっと大胆かつ過激に、未来を先取りした内容になっているのだろうか、内容が気になっている。
電王 Amazon書評・レビュー: 電王より
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