蒲生邸事件

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評判

蒲生邸事件の評価:

4.13/5点 レビュー 134件。 A ランク

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平均点4.13pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全307件 201〜220 11/16ページ
No.107
(4pt)

未来を知ったとき、人は・・・

 単なるタイムトリップミステリーとは異なる、考えさせられる作品である。
 平成6年から昭和11年の2月26日にタイムトリップしてしまった大学受験に失敗した高校三年生が主人公。入試には出ない現代史になんか少しも興味も関心もなかった。
 平成の世から戦前の日本に遡った少年と、逆に戦争の時代に向かう戦前の日本から、平成の世を垣間見た元陸軍大将。もちろん、蒲生邸に住む人々の人間模様や、元陸軍大将の自決をめぐる事件、少年の女中ふきに向ける淡い恋心などもおもしろいが、最大のテーマは「歴史」「その時代に生きるということ」である。
 もし、未来を知って、元の時代に戻ったら、人は何をしたいか。過去の時代を経験して、また現代に戻ったら、どう生きるか。
 「歴史的な事実は変えられても、歴史そのものは変わらない。」というタイムトラベラー平田のセリフが本作品の神髄である。
 何しろ600ページを超える長編。読みごたえがある。読後感は、極めて爽やかである。
蒲生邸事件 Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件より
4620105511
No.106
(4pt)

未来を知ったとき、人は・・・

 単なるタイムトリップミステリーとは異なる、考えさせられる作品である。
 平成6年から昭和11年の2月26日にタイムトリップしてしまった大学受験に失敗した高校三年生が主人公。入試には出ない現代史になんか少しも興味も関心もなかった。
 平成の世から戦前の日本に遡った少年と、逆に戦争の時代に向かう戦前の日本から、平成の世を垣間見た元陸軍大将。もちろん、蒲生邸に住む人々の人間模様や、元陸軍大将の自決をめぐる事件、少年の女中ふきに向ける淡い恋心などもおもしろいが、最大のテーマは「歴史」「その時代に生きるということ」である。
 もし、未来を知って、元の時代に戻ったら、人は何をしたいか。過去の時代を経験して、また現代に戻ったら、どう生きるか。
 「歴史的な事実は変えられても、歴史そのものは変わらない。」というタイムトラベラー平田のセリフが本作品の神髄である。
 何しろ600ページを超える長編。読みごたえがある。読後感は、極めて爽やかである。
蒲生邸事件 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (文春文庫)より
4167549034
No.105
(4pt)

ファンタスティック

日本SF大賞受賞作であり,タイムトラベルを題材にしているが,
宮部みゆきさんなので,ミステリー的要素もある。
一言でいえば,娯楽的で面白い。
主人公である浪人生は,時間旅行者のオジサンに連れられて昭和11年の世界へ飛ぶが
ここに出てくる時間旅行者は,
超人的というよりはアウトサイダー的であり,
負のイメージを持っている。
しかし,そうはいっても過去と現代を自由に行き来できるのは魅力的であり,
特に,主人公が,昭和11年ワールドに住む人と
「50年後に会いましょう」と約束するのはロマンチックであるし,
その後,現代にひとっとびで帰ってきた主人公が
かたや,50年の長い年月を地道に歩んできた人と
現代において微妙に交錯するさまは,不思議でもありファンタスティックでもある。
なにしろ,主人公にとってはほんの昨日のようなできごとが
昭和11年の人にとっては,50年も前のことなのだから。
700ページ近くあり,ボリュームがあるが,
この作者によくみられる
本筋と余り関係ない人物や場面の妙に細かい書き込みは目立たず
すっと筋が通った感じで一気に読むことができた。
蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス)より
4334073247
No.104
(4pt)

ファンタスティック

日本SF大賞受賞作であり,タイムトラベルを題材にしているが,
宮部みゆきさんなので,ミステリー的要素もある。
一言でいえば,娯楽的で面白い。
主人公である浪人生は,時間旅行者のオジサンに連れられて昭和11年の世界へ飛ぶが
ここに出てくる時間旅行者は,
超人的というよりはアウトサイダー的であり,
負のイメージを持っている。
しかし,そうはいっても過去と現代を自由に行き来できるのは魅力的であり,
特に,主人公が,昭和11年ワールドに住む人と
「50年後に会いましょう」と約束するのはロマンチックであるし,
その後,現代にひとっとびで帰ってきた主人公が
かたや,50年の長い年月を地道に歩んできた人と
現代において微妙に交錯するさまは,不思議でもありファンタスティックでもある。
なにしろ,主人公にとってはほんの昨日のようなできごとが
昭和11年の人にとっては,50年も前のことなのだから。
700ページ近くあり,ボリュームがあるが,
この作者によくみられる
本筋と余り関係ない人物や場面の妙に細かい書き込みは目立たず
すっと筋が通った感じで一気に読むことができた。
蒲生邸事件 Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件より
4620105511
No.103
(4pt)

ファンタスティック

日本SF大賞受賞作であり,タイムトラベルを題材にしているが,
宮部みゆきさんなので,ミステリー的要素もある。
一言でいえば,娯楽的で面白い。
主人公である浪人生は,時間旅行者のオジサンに連れられて昭和11年の世界へ飛ぶが
ここに出てくる時間旅行者は,
超人的というよりはアウトサイダー的であり,
負のイメージを持っている。
しかし,そうはいっても過去と現代を自由に行き来できるのは魅力的であり,
特に,主人公が,昭和11年ワールドに住む人と
「50年後に会いましょう」と約束するのはロマンチックであるし,
その後,現代にひとっとびで帰ってきた主人公が
かたや,50年の長い年月を地道に歩んできた人と
現代において微妙に交錯するさまは,不思議でもありファンタスティックでもある。
なにしろ,主人公にとってはほんの昨日のようなできごとが
昭和11年の人にとっては,50年も前のことなのだから。
700ページ近くあり,ボリュームがあるが,
この作者によくみられる
本筋と余り関係ない人物や場面の妙に細かい書き込みは目立たず
すっと筋が通った感じで一気に読むことができた。
蒲生邸事件 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (文春文庫)より
4167549034
No.102
(5pt)

厳しくも優しい物語

主人公の孝史よりも、タイムトラベル能力者の平田と蒲生家長男・貴之に思い入れが強かった。二人とも、普通の人にはないものを持って生まれ、それ故に苦悩しているからだ。前半はやや冗長なきらいがあるが、後半は一気に読ませる勢いがある。昭和十一年で全てを受け入れて生きる決意をした平田。父・蒲生大将の「抜け駆け」から生まれた遺書に頼らない覚悟をする貴之。現代に戻り、彼らのその後を知った孝史と共に、涙せずにはいられなかった。ラストの一行は、宮部作品の真骨頂とも言えるだろう。厳しくも優しいまなざしで、ひたむきに生きる人々を描いた良作のSFミステリ。
蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス)より
4334073247
No.101
(5pt)

厳しくも優しい物語

主人公の孝史よりも、タイムトラベル能力者の平田と蒲生家長男・貴之に思い入れが強かった。二人とも、普通の人にはないものを持って生まれ、それ故に苦悩しているからだ。前半はやや冗長なきらいがあるが、後半は一気に読ませる勢いがある。昭和十一年で全てを受け入れて生きる決意をした平田。父・蒲生大将の「抜け駆け」から生まれた遺書に頼らない覚悟をする貴之。現代に戻り、彼らのその後を知った孝史と共に、涙せずにはいられなかった。ラストの一行は、宮部作品の真骨頂とも言えるだろう。厳しくも優しいまなざしで、ひたむきに生きる人々を描いた良作のSFミステリ。
蒲生邸事件 Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件より
4620105511
No.100
(5pt)

厳しくも優しい物語

主人公の孝史よりも、タイムトラベル能力者の平田と蒲生家長男・貴之に思い入れが強かった。二人とも、普通の人にはないものを持って生まれ、それ故に苦悩しているからだ。前半はやや冗長なきらいがあるが、後半は一気に読ませる勢いがある。昭和十一年で全てを受け入れて生きる決意をした平田。父・蒲生大将の「抜け駆け」から生まれた遺書に頼らない覚悟をする貴之。現代に戻り、彼らのその後を知った孝史と共に、涙せずにはいられなかった。ラストの一行は、宮部作品の真骨頂とも言えるだろう。厳しくも優しいまなざしで、ひたむきに生きる人々を描いた良作のSFミステリ。
蒲生邸事件 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (文春文庫)より
4167549034
No.99
(4pt)

2つの謎

本作は、主人公の青年がホテルで火災に合い窮地に陥っているところ、タイムトラベラーの平田によって2.26事件の起きる直前の元陸軍大将の屋敷に運ばれるという話。本作には謎が2つあると思う。
(1) 作者は何故トリップ先として2.26事件時を選んだのか ?
(2) タイムトラベラーの平田は......以下同様。
(1)は作品外の事なので想像するしかないが、作者は2.26事件を日本の歴史の転換期と考えているのだろう。軍部の暴走による日本の政治路線・民主主義の崩壊を、同時代の人間と現代の人間の目双方を通して描くことが第1の主題だったのではないか。そのためのタイム・スリップである。事件そのものは淡々と描かれ、実際の事件が思っていたより静かに進行していく様が却って不気味である。隠密裏に進行して行くもの程恐ろしいという教訓か。(2)は作中の目玉であり、ヒントは途中で平田が短時間姿を消すあたりにあるのだが、最後に明かされる真相に、悲哀に溢れた平田の運命が浮き彫りにされる。
タイムトラベラーの存在があっても、歴史の大きな流れは変えられない。しかし、この事件を通じて少し逞しくなった主人公ともども、我々も歴史の中で生きていく一人として、僅かながらも努力して行く必要があるのではないかという問いかけが隠された佳作。
蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス)より
4334073247
No.98
(4pt)

2つの謎

本作は、主人公の青年がホテルで火災に合い窮地に陥っているところ、タイムトラベラーの平田によって2.26事件の起きる直前の元陸軍大将の屋敷に運ばれるという話。本作には謎が2つあると思う。
(1) 作者は何故トリップ先として2.26事件時を選んだのか ?
(2) タイムトラベラーの平田は......以下同様。
(1)は作品外の事なので想像するしかないが、作者は2.26事件を日本の歴史の転換期と考えているのだろう。軍部の暴走による日本の政治路線・民主主義の崩壊を、同時代の人間と現代の人間の目双方を通して描くことが第1の主題だったのではないか。そのためのタイム・スリップである。事件そのものは淡々と描かれ、実際の事件が思っていたより静かに進行していく様が却って不気味である。隠密裏に進行して行くもの程恐ろしいという教訓か。(2)は作中の目玉であり、ヒントは途中で平田が短時間姿を消すあたりにあるのだが、最後に明かされる真相に、悲哀に溢れた平田の運命が浮き彫りにされる。
タイムトラベラーの存在があっても、歴史の大きな流れは変えられない。しかし、この事件を通じて少し逞しくなった主人公ともども、我々も歴史の中で生きていく一人として、僅かながらも努力して行く必要があるのではないかという問いかけが隠された佳作。
蒲生邸事件 Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件より
4620105511
No.97
(4pt)

2つの謎

本作は、主人公の青年がホテルで火災に合い窮地に陥っているところ、タイムトラベラーの平田によって2.26事件の起きる直前の元陸軍大将の屋敷に運ばれるという話。本作には謎が2つあると思う。
(1) 作者は何故トリップ先として2.26事件時を選んだのか ?
(2) タイムトラベラーの平田は......以下同様。
(1)は作品外の事なので想像するしかないが、作者は2.26事件を日本の歴史の転換期と考えているのだろう。軍部の暴走による日本の政治路線・民主主義の崩壊を、同時代の人間と現代の人間の目双方を通して描くことが第1の主題だったのではないか。そのためのタイム・スリップである。事件そのものは淡々と描かれ、実際の事件が思っていたより静かに進行していく様が却って不気味である。隠密裏に進行して行くもの程恐ろしいという教訓か。(2)は作中の目玉であり、ヒントは途中で平田が短時間姿を消すあたりにあるのだが、最後に明かされる真相に、悲哀に溢れた平田の運命が浮き彫りにされる。
タイムトラベラーの存在があっても、歴史の大きな流れは変えられない。しかし、この事件を通じて少し逞しくなった主人公ともども、我々も歴史の中で生きていく一人として、僅かながらも努力して行く必要があるのではないかという問いかけが隠された佳作。
蒲生邸事件 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (文春文庫)より
4167549034
No.96
(5pt)

保管決定!

初めの方は単なるタイムトリップの話かと思ってたら
二・二六事件の歴史を通して人間関係も絡んだタイムトリップの話でした。
バックトゥザフューチャーと違った歴史観なので、そういう捉え方
もあることに興味をそそられました。
1つだけ疑問に思ったのですが、主人公が現在から過去にタイムトリップして、
現在に戻るときは過去(タイムトリップ時)に過ごした日数後の現在にしか
戻れないという所は『?』でした。
現在の火災時から過去にタイムトリップした、ということは、過去から火災時の現在に
戻れるってことじゃないの?と思ってしまいました。
とにかく、時間をおいてからもう一度読みたいと思ったので★5つです。
蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス)より
4334073247
No.95
(5pt)

保管決定!

初めの方は単なるタイムトリップの話かと思ってたら
二・二六事件の歴史を通して人間関係も絡んだタイムトリップの話でした。
バックトゥザフューチャーと違った歴史観なので、そういう捉え方
もあることに興味をそそられました。
1つだけ疑問に思ったのですが、主人公が現在から過去にタイムトリップして、
現在に戻るときは過去(タイムトリップ時)に過ごした日数後の現在にしか
戻れないという所は『?』でした。
現在の火災時から過去にタイムトリップした、ということは、過去から火災時の現在に
戻れるってことじゃないの?と思ってしまいました。
とにかく、時間をおいてからもう一度読みたいと思ったので★5つです。
蒲生邸事件 Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件より
4620105511
No.94
(5pt)

保管決定!

初めの方は単なるタイムトリップの話かと思ってたら
二・二六事件の歴史を通して人間関係も絡んだタイムトリップの話でした。
バックトゥザフューチャーと違った歴史観なので、そういう捉え方
もあることに興味をそそられました。
1つだけ疑問に思ったのですが、主人公が現在から過去にタイムトリップして、
現在に戻るときは過去(タイムトリップ時)に過ごした日数後の現在にしか
戻れないという所は『?』でした。
現在の火災時から過去にタイムトリップした、ということは、過去から火災時の現在に
戻れるってことじゃないの?と思ってしまいました。
とにかく、時間をおいてからもう一度読みたいと思ったので★5つです。
蒲生邸事件 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (文春文庫)より
4167549034
No.93
(5pt)

SFミステリの傑作です

平成六年、大学受験に失敗、予備校受験のために再び上京してきた尾崎孝史は、二月二十五日の夜、宿泊していたホテルで火災に遭う。危ないところを同じホテルに泊まっていた不思議な男に助け出されるが、気付くとそこは昭和十二年の二月二十六日、二・二六事件の起こった日、陸軍大将蒲生憲之の邸宅の庭だった。そこで起こる大将の殺人事件。家の外では兵隊たちがバリケードをつくり道路を封鎖、家の中では遺産を巡っての醜い争い、どちらにも不穏な空気の流れる中、果たして孝史は現代へと帰ってこれるのか?
物語の全体に暗い影を落とし、重要なカギともなっている二・二六事件、学校では近・現代史をあまり詳しくは教えないので名前だけしか知らない、どんな事件だったのかよくわからないという人も多いことでしょう。かく言う私もその一人。そんなほとんど知らないような事件が物語の中で大きな意味を持っているということで、読むのをためらっていたのですが、そこは稀代のストリーテラー宮部女史、話の中で易しく詳しく上手に事件の発端とその顛末について説明してくれていますので、心配はいりません。
現代から過去へのタイムトリップと殺人事件の謎への興味ばかりでなく、大学受験に失敗、劣等感に苛まれていた一人の青年の成長の物語としても十分におもしろく読み応えのある、SFミステリの傑作です。
蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス)より
4334073247
No.92
(5pt)

SFミステリの傑作です

平成六年、大学受験に失敗、予備校受験のために再び上京してきた尾崎孝史は、二月二十五日の夜、宿泊していたホテルで火災に遭う。危ないところを同じホテルに泊まっていた不思議な男に助け出されるが、気付くとそこは昭和十二年の二月二十六日、二・二六事件の起こった日、陸軍大将蒲生憲之の邸宅の庭だった。そこで起こる大将の殺人事件。家の外では兵隊たちがバリケードをつくり道路を封鎖、家の中では遺産を巡っての醜い争い、どちらにも不穏な空気の流れる中、果たして孝史は現代へと帰ってこれるのか?
物語の全体に暗い影を落とし、重要なカギともなっている二・二六事件、学校では近・現代史をあまり詳しくは教えないので名前だけしか知らない、どんな事件だったのかよくわからないという人も多いことでしょう。かく言う私もその一人。そんなほとんど知らないような事件が物語の中で大きな意味を持っているということで、読むのをためらっていたのですが、そこは稀代のストリーテラー宮部女史、話の中で易しく詳しく上手に事件の発端とその顛末について説明してくれていますので、心配はいりません。
現代から過去へのタイムトリップと殺人事件の謎への興味ばかりでなく、大学受験に失敗、劣等感に苛まれていた一人の青年の成長の物語としても十分におもしろく読み応えのある、SFミステリの傑作です。
蒲生邸事件 Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件より
4620105511
No.91
(5pt)

SFミステリの傑作です

平成六年、大学受験に失敗、予備校受験のために再び上京してきた尾崎孝史は、二月二十五日の夜、宿泊していたホテルで火災に遭う。危ないところを同じホテルに泊まっていた不思議な男に助け出されるが、気付くとそこは昭和十二年の二月二十六日、二・二六事件の起こった日、陸軍大将蒲生憲之の邸宅の庭だった。そこで起こる大将の殺人事件。家の外では兵隊たちがバリケードをつくり道路を封鎖、家の中では遺産を巡っての醜い争い、どちらにも不穏な空気の流れる中、果たして孝史は現代へと帰ってこれるのか?
物語の全体に暗い影を落とし、重要なカギともなっている二・二六事件、学校では近・現代史をあまり詳しくは教えないので名前だけしか知らない、どんな事件だったのかよくわからないという人も多いことでしょう。かく言う私もその一人。そんなほとんど知らないような事件が物語の中で大きな意味を持っているということで、読むのをためらっていたのですが、そこは稀代のストリーテラー宮部女史、話の中で易しく詳しく上手に事件の発端とその顛末について説明してくれていますので、心配はいりません。
現代から過去へのタイムトリップと殺人事件の謎への興味ばかりでなく、大学受験に失敗、劣等感に苛まれていた一人の青年の成長の物語としても十分におもしろく読み応えのある、SFミステリの傑作です。
蒲生邸事件 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (文春文庫)より
4167549034
No.90
(5pt)

長編は時間旅行

大学受験に失敗した現代ではたよりない1青年がタイムトリップした昭和の2.26事件下の東京で,それも元陸軍大将閣下の屋敷内で起きる不可思議な自殺に遭遇し,明智少年ごときに事件の謎を解き明かしていく過程で,次第に骨太のりっぱな青年に成長していく変化は,たった4日間の時間経過とは思えないぐらいの目に見張るものがある。
時間旅行という超能力を題材にしているが,描かれているものは人と人との心のやりとりであり,それが家族の思いやりであったり,恋する女性を思う気持ちであったりする。
また,戦争に突入するその時代の方が人間として生きる価値があると考え,あえてその時代に戻り生きた時間旅行者を描くことにより,決してSF的要素の色合いではない。
長編ゆえに前半はなかなかページが進まないが,後半,とくにラストに続くエンディングは一気に読み進められる。
読み終えた後によかったなと感じられる一冊。
蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (カッパ・ノベルス)より
4334073247
No.89
(5pt)

長編は時間旅行

大学受験に失敗した現代ではたよりない1青年がタイムトリップした昭和の2.26事件下の東京で,それも元陸軍大将閣下の屋敷内で起きる不可思議な自殺に遭遇し,明智少年ごときに事件の謎を解き明かしていく過程で,次第に骨太のりっぱな青年に成長していく変化は,たった4日間の時間経過とは思えないぐらいの目に見張るものがある。
時間旅行という超能力を題材にしているが,描かれているものは人と人との心のやりとりであり,それが家族の思いやりであったり,恋する女性を思う気持ちであったりする。
また,戦争に突入するその時代の方が人間として生きる価値があると考え,あえてその時代に戻り生きた時間旅行者を描くことにより,決してSF的要素の色合いではない。
長編ゆえに前半はなかなかページが進まないが,後半,とくにラストに続くエンディングは一気に読み進められる。
読み終えた後によかったなと感じられる一冊。
蒲生邸事件 Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件より
4620105511
No.88
(5pt)

長編は時間旅行

大学受験に失敗した現代ではたよりない1青年がタイムトリップした昭和の2.26事件下の東京で,それも元陸軍大将閣下の屋敷内で起きる不可思議な自殺に遭遇し,明智少年ごときに事件の謎を解き明かしていく過程で,次第に骨太のりっぱな青年に成長していく変化は,たった4日間の時間経過とは思えないぐらいの目に見張るものがある。
時間旅行という超能力を題材にしているが,描かれているものは人と人との心のやりとりであり,それが家族の思いやりであったり,恋する女性を思う気持ちであったりする。
また,戦争に突入するその時代の方が人間として生きる価値があると考え,あえてその時代に戻り生きた時間旅行者を描くことにより,決してSF的要素の色合いではない。
長編ゆえに前半はなかなかページが進まないが,後半,とくにラストに続くエンディングは一気に読み進められる。
読み終えた後によかったなと感じられる一冊。
蒲生邸事件 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲生邸事件 (文春文庫)より
4167549034