銃・病原菌・鉄
評判
銃・病原菌・鉄の評価:
4.07/5点 レビュー 476件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全717件 381〜400 20/36ページ
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銃・病原菌・鉄の評価:
4.07/5点 レビュー 476件。 B ランク
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内容は、スゴイの一言。買ってよかったです。
なぜヨーロッパはこれほどまでに文明が発達し、反対に、アフリカや植民以前の南北アメリカはそうならなかったのか。
言われてみれば最もなこの疑問に、作者は理系・文系の知識を縦横無尽に使いこなしながら、答えを導き出していきます。この過程がすごい。
詳しいことは書けませんが(上下巻で約800ページもあるので)、作者の結論としては、
『ユーラシア大陸には、家畜にしやすい動物が沢山いた事』
『ユーラシア大陸には、栽培しやすい植物が沢山あった事』
また、古代メソポタミアではじまったその二つの食料生産により、ユーラシア大陸の文明は軍隊や官僚を養う余力を得て、さらに人口を増やし、鉄器を作り、扱いやすい馬を軍馬に慣らし、その強大な軍事力で勢力圏を拡大し、さらには、
『家畜から伝染る伝染病に抗体を持つことで、植民地の先住民を図らずも絶滅させた事』
などを挙げ、
世界中に散らばる文明の点在、歴史の偶然と必然を、あたかも一つの線のように結んでゆく。
あまり凄いので思わず何度か笑いました。
(この分析力は、個人的には宮台真司さんの初期作品や柳田国男さんの『日本の祭』以来ではないかというほどのインパクトでした)
もっとも、読まれた方の中には内容を作者の推論と感じた向きもあるようですが、私としては、むしろこの生物学・考古学・人類学・歴史学の理系の知識と文系の論理が結びつくところがこの作品の最大の強みではないかとも思います。
それと、骨倉さんの翻訳も読みやすさと同時に躍動感があり素晴らしいので、翻訳の文章が苦手な方にもオススメです。
(スペインの征服者・ピサロがインカ帝国を征服した際の報告書の翻訳の下りは、元々の内容の為もありますが、バルガス=リョサのようなラテンアメリカ文学のワンシーンを読んでいるような臨場感さえありました)
この作品を読むと、文明の登場、発展、拡大、支配が無数の偶然と必然よって、たまたま今ある形になったに過ぎないのだと気づかされます。
その意味ではもし一万年と三千年前に、今とは異なるような動植物の生息や気温・気候などの些細な差異があったのなら、アメリカやオーストラリアの部族がヨーロッパや日本を支配し、ゲルマン人がホロコーストの対象になっていたかもしれない。
理屈としては、そういうディストピアSFのような可能性もあったことを、作者はSFではなく学者の立場から読者に教えます。
買ったのは偶然でしたがとても素晴らしい作品でした。
もし分量(ページ数)で購入を悩んでいる方がいるなら、上巻だけでもぜひ読んでみてください。
未知の読書体験を与えてくれる人類の文明13000年の歴史がそこに待っています。