昨日の海は
評判
昨日の海はの評価:
4.03/5点 レビュー 35件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21〜26 2/2ページ
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昨日の海はの評価:
4.03/5点 レビュー 35件。 B ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
東京にいる叔母が8歳の娘を連れて四国の海沿いの町に帰って来る。東京を引き払って実家で暮らすことにしたのだ。
主人公は高1の男子。自宅は、かつてやっていた写真屋の看板を下ろさずシャッターを下ろしたまま手を付けず、ずっと生活していた。主人公が生まれたときから既にそうなっていた。実家に帰ってきた叔母さんはその店をリストアし、商売を始める。その店はもともと祖母と祖父が営んでいたものだが、母が16歳の時、二人は心中をしてしまった。
ただ、それは二人が同意して一緒に死んだというより無理心中だったのではないか、だとしたら、どちらが相手を殺したのかということが叔母さんは気になる。それを聞いた主人公も気になり調べだす。地元の中古カメラ店の店主や祖父のかつての弟子の女性からの聞き込み、そしてかつて祖父が個展を行うことになっていた東京の美術館の職員への聞き込みからそれが明らかになっていく。
結果として、たぶんこうだというところまでは明らかになる。おそらく、祖母が母を守るために、祖父の作ったプリントを駄目にして個展を阻止し、さらに順延での開催をやめさせるために睡眠薬を飲ませて祖父を殺したのだろうと。個展で展示される写真のモデルが十代の母でありそれがヌードであったことを祖母は受け入れられなかった。
謎解きの主題は大きくない。この問題が意味を持つのは自分の家族だけ。それを分かっても分からなくても日常の生活には何の影響も与えない。
しかも、その明かされた動機にどれほどの重みがあるだろうか。自分の娘のヌードが東京で見知らぬ人達の目にさらされることに納得できない母親がいることは理解できる。しかし、その写真はポルノではない。全国的にも評価の高い写真家である父親が、芸術として自分の娘の姿を撮影し完成させたものだ。少々の気恥ずかしさはあっても、誇ってよい成果だろう。そのことに納得が行かなくても、それを阻止するためには無理心中さえ辞さないというところまで行くのか。説得力を感じない。しかも、娘の姿は自分に似て美しいものだったのに。
動機については納得がいかないが、それでも、最後まで読んで一定の満足感を与えて貰えた。それは、高1の主人公の揺れる気持ちの描写が見事であったからだろう。しつこすぎると嫌になるのだが、そうならない程度に微妙な心の変化が描かれている。うまいなぁと感じた。