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(短編集)
地下水路の夜
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地下水路の夜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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自分の半生や家族の人生を振り返ってみる話が多い印象。 それと、文学作品を素材として取り上げている作品も、 相変わらずの阿刀田高の博識のおかげで、 思わず元ネタの小説を読んでみたくなってしまう。 どの短編集が面白いかはもちろん読者次第。 個人的には講談社文庫、文春文庫などの 昭和から平成前半にかけての作風が好みであるが、 最近新潮文庫の短編集を古い順に読破してみて、 新潮文庫もなかなか面白いなと再確認した。 「たづたづし」「花酔い」「男と女の学校」 「頭のよい木」「地下水路の夜」などなど ほとんどどれも面白い。 筆者が若い時の、ちょっととんがったような部分はなく、 文章に丸みや余裕が感じられるが、 だからといって読み応えを損なうものでもない。 同じネタで複数の作品を書くことは 阿刀田氏がかねてからエッセイで明かしていたことだし、 「あっ、これはどこかでみたネタだな」と気づけるのも ファンとしての一興だろう。 巻末の「言葉の力」はストーリー展開にリズムがあり、 ある意味スカッとさせられるような読後感があり、 本書を締めくくるに相応しい、素晴らしい短編だ。 | ||||
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10代から20代にかけて、阿刀田高ばかり読んでいた時期がある。だからこの人の本を読むと、良いとか悪いとか以前に「懐かしい」という思いがよぎる。この人には文章に強いクセがあるので、なおさら「ああこれこれ」というような感慨にとらわれる。 本書もそういう意味では楽しく読んだ。どれもこれも過去の阿刀田作品で読んだことがあるような内容の焼き直しなのだが、「相変わらずだな」などと旧歓を暖めるような喜びがあった。面白いかと問われると、初めて読む人は正直どうかなと疑問だけれど。 聖書、ギリシャ神話や源氏物語などの古典、あるいはさまざまな雑学が縦横に飛び出すのは、この人の真骨頂だろう。加えて、ご本人が何かと図書館に縁があることや、ご夫婦で朗読に力を入れていることなども、創作に反映されている。個人的に一番心に残ったのは、最後に収められた『言葉の力』だ。 | ||||
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阿刀田高氏の短編小説(文庫本)を読むのは、2冊目です。 短編小説の醍醐味を感じさせます。 読んでいて、経験したかも知れないことや、 無意識のうちに体験したことがあったかも知れないことを、 想起させてくれます。 この文庫本の最初から、短編を味わうことができます。 阿刀田高氏の小説が、クセになりそうです。 | ||||
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阿刀田高さん大好きで、ほとんど読んでます。 不思議でもあり、心に沁みることもあり、なんと!!って落ちもあったりで最高です。 | ||||
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新潮社の小冊子「波」2015.5月号に松本侑子氏は本書を評して,’’異世界へ連れ去られる快楽’’と題し,凡そ次のように書かれています. 理性と知性のねじを少しゆるめ,いつしか現実からはなれ,時間の忘れ,夢の世界へ漂っていく.知らずのうちに異世界へ連れ去られる快楽を堪能した.読み終わると,ここがどこなのか,一瞬わからなくなるほど面白い. なるほど,阿刀田さんは日常の裏に潜む非日常をミステリアスに,あるときにはホラー感覚で描写しています.頁のそこらに伏線が敷かれていて,ストーリー・テラーとしての書き手の力量に感心しました.小説12編,いずれもあり得ない話をあたかも現実のように錯覚させる著者は異界と行き来しているかのようです.夢か現か,その境界を彷徨いたい方々に薦めます. | ||||
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たづたづし/ 薬指の秘密/ 花酔い/ 月を見るまでに/ 男と女の学校/ 頭のよい木/ 偶然奇談/ 花を訪ねて/ 朗読者/ 地下水路の夜/ 芳香の女/ 言葉の力 上記12篇からなる短編よりも少し長い作品集です。 作品ごとの関連は基本的に無いのですが、 男女間の普通に社会に存在する関係が描写され、 人間、綺麗な面ばかりではないのだという著者の思いが伝わってきます。 人間臭さとはなにか。。 これは完全無欠な”いい人”には存在せず、 (そんなものは作られた機械です。) 他人から見たら恵まれてはいないような、奇異の目で見られるような境遇のもとに生まれ でも、そのうちのいくつかのケースは自分にも当てはまる。。 着飾ることのない人間社会の描写が本書の答えになっているように思えます。 わくわくするような冒険はないけれど、 男と女の出会いにちょっとした人生の起伏があったり、 親族との関係に自分の感情の上下感があったり、 普段の結婚生活の中にあるドラマに光を当てたり、 阿刀田氏が得意とする正当な日本語が強い説得力を持って読者を活字から想像の世界へと誘います。 ゆっくり読んで、半日程度のボリュームです。 ちょっとした数の遊びや、誕生日パラドックスまで登場し飽きることがありませんでした。 男女間の普通ならドロドロしそうな関係をさらっと書き流すあたりは さすがと思いました。 楽しめます。 おすすめです! | ||||
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阿刀田高さんの本は、これまでずいぶん読んできましたが、極めて多作にもかかわらず、高い水準を維持し続けておられるのはさすがと思います。 本書も阿刀田さんの本らしく、深い教養に基づいた不思議なテイストは健在で、十分に楽しめます。 あえてこの本の特色を挙げれば、(著者の年齢にふさわしく?)人生を懐かしく振り返るタッチのノスタルジックな話が多いように思います。 12話で約350ページの本。一話一話楽しめる話ばかりであり、私は一気に読むのがもったいなくて、3話ずつ4日間に分けて読みました。(そのほうが、それぞれの話の印象が際立つので良いのです。) 「阿刀田作品の中で最高クラスか?」と問われれば、そこまでの本ではないので☆4つにさせていただきますが、十分に楽しめる本と思います。阿刀田氏へのレスペクトの意味では☆5つでもいい本かもしれません。 一読の価値のある本と思います。 なお、本書に収められている作品は、「小説新潮」2014年1月号〜12月号に掲載されたものとのことです。 | ||||
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短編集だが1話あたりのページ数は多め。 その分、内容も濃い。 一風変わったお話が多く、 さすが短編小説書きの名手。 なにやら文体や雰囲気が古めかしく、 激しく80年代文芸の匂いがした。 | ||||
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