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天空の蜂
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天空の蜂の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全135件 81~100 5/7ページ
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2012年に読んでも、むしろ今だからこそ読んでおきたい一冊です。 「3・11」後の原発論議の只中において、20年近く前のこの本の、 示唆に富んだ内容に驚かされます。 ラスト1行、ズシンとくる事 請け合いです。 ※「捕まることを前提とした」「逃亡を想定しない」犯人像が、 はぁ?と思わせるかもしれませんが、東野作品はそこは重きが 置かれない事が多いですね。 | ||||
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登場人物や物語が展開される場面が多角的なため、 各人物の役割が頭に入ってくるまでは、少し落ち着かない。 序盤は随所で原子力発電などの専門的な説明が入るので、 物語の進行は遅めだけど、そのおかげで、 小説を読んでいるだけで原発の基礎知識が得られる一石二鳥本。 後半まで十分なページを使ってジックリと舞台を準備し、 終盤から一気に走り出す展開はこの作家さんのパターンかな。 600ページ強と大ボリュームだけど、 序盤の説明を乗り切れば、後半は一気に読めます。 原発に対して、単に上辺だけの賛成、反対ではなく、 いろいろと深く考えさせられました。 必要だけど近づきたくない、 そう言って逃げてはいけない問題ではないと思った。 | ||||
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今から10年以上前、原発の安全性は完全だった時代にこれほ直接的に原発の危険性を訴えていたことには驚いています。 私がこの本を読んだのは昨年の2月で、震災の直前でした。当時、たまたま日本の発電技術について調べる機会があり、 原発の仕組みについても簡単に勉強していました。その流れで天空の蜂を読み、沸騰水型、加圧水型というのはこういうもの なのかと、納得した記憶があります。読後の感想は「原発が危険な状態に陥ることはないだろう」程度のものでした。 いま思えば、私自身も安全神話にとらわれていたかもしれません。 震災による原発禍を予期していたかのような著者の先見性は素晴らしいと感じます。 | ||||
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原子力発電所を自動制御のヘリコプタが狙う。 現代社会の技術に対する警鐘になっている。 軽水炉と高速増殖炉の違いもいろいろ分かる。 ペリコプタの自動制御という話も分かる。 愛知県にあるスタータやアルタネータを製造する会社がでてくる。 東野圭吾が勤務したことがある会社を模擬している。 東野圭吾のよいところは, 分かっている技術的な事項をあますことなく披露しながらも, 危機的な事態においても,人間性を尊重するところだろう。 子供を助けるために,皆が努力するように話を展開する。 危機的で困った時には、平常心を持つ事がいかに大事かが分かる。 世の中で、リスク管理という言葉が飛び交うことがあるが, リスク管理よりも大事なのが人間性だということが分かる。 人間性のないリスク管理は,人間にとって無意味だといいうことが分かった。 | ||||
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ラストで、このテロの本当の「ターゲット」を知ったときの衝撃は、東野圭吾氏の「秘密」のラストよりも重かった。 東野圭吾は、小説の中で「悪人」と「善人」をはっきりとは分けない。現実においても、それは同じだと思う。原発事故は「悪人」が起こしたものではない。一連の原発問題を解決出来るのは「善人」ではない。では一体誰なのか? その答えはこの小説の中にある。 | ||||
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本書は1998年が第一刷となっている。 今でこそ、原子力の知識は広く認識されているが、そうでない状況で、緻密な調査の下にストーリーを組み立てる力は並々でない。 誰か特殊な能力のある探偵や刑事が出てくるわけでないが、偶然のつながりを結びつけていくうちに、事件の全体像が明らかになってくる。 動機という点では、いささか無理をしていると思うが、とにかく迫真の内容である。 原発やメーカーは、念頭に置いているモデルがあることは明らか。やはり相当取材をした上で書き始めるものなのかそうでないのか、その辺の著者のストーリーの構想方法には興味があるところだ。 | ||||
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原発の上に巨大なヘリコプター。犯人の要求は、「この国の原発をすべて使用不可にせよ」。国は一体どういう結論を出すのか。 この作品に評価の低いレビューが見受けられるが、内容を読むと頷ける。専門用語が豊富なのが最大の理由だ。それらは一様に3・11以前であり、それ以降のレビューは全て☆5つ以上である。メディアから嫌でも入ってくる原発関連の情報と、その危機意識。それらを踏まえた上で読むと、この本の価値は全く違ってくるだろう。 東野圭吾は3・11以前から原発への危機意識を抱いており、この本は本人が一番思い入れのあると語るだけあり、未来への教訓を多分に含む、社会派超大作となっている。その作品のテーマもさることながら内容も素晴らしい。極限の心理戦が最初から最後まで続く。 今まで東野圭吾の本は40作以上読んでいるが、一番面白く、一番勉強になった。 | ||||
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お店の対応もよく、買えてよかったです。 東野圭吾さんの作品は好きですが、 これは特に考えさせられる本だと思います。 原発など難しい説明文は理解できなくても 作業員のことや 原発にかかわる行政などの対応など わかった気がしました。 | ||||
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私が小説にハマったきっかけがこの作品でした。 いや〜…凄かったです。 文章だけなのに迫力を感じました。 東野圭吾さんの作品は、どの作品も思わぬ方向に 進んでいくんですよね。 本当に面白かったです。 それと共に天空の蜂は、皆さんが書かれている通り 今回の「福島原発」を予知していたようでした。 先の読めない展開と手に汗握るストーリー… 個人的に映画化してほしいくらいです。 | ||||
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福島原発事故を受け、絶対今からでも読むべき1冊だと思います。 どうしてもみなさんに一度は読んでほしい本です。 東野さんからの熱いメッセージ、問題提起がなされている気がします。 専門記述も丁寧に書かれています。最初は面倒かもしれませんが、がんばって丁寧に読んで頂きたい。 | ||||
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不謹慎だが、3月11日の地震での原発事故をニュースで観て、すぐにこの本を思い出した。 書かれたのは随分昔なのに内容は今まさに起こっている問題を書き出している。 溢れかえる物モノモノ・・・。エネルギー、便利さに慣れきった当たり前の生活。 もう一度じっくりと読み返してみようと思う。 | ||||
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いまテレビで放送されているシ-ベルトやメルトダウンなどの用語が次々と出てきます。それとともに今の原発の問題もミステリーの中にちりばめられています。ひとつひとつ明かされる事実を元に謎が解き明かされていく展開は見事です。 | ||||
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綿密な取材に裏付けされた、超社会派サスペンス小説である。 他の東野圭吾作品と比べると、重厚さという面で突出している。 今読むと、どう見ても「このミステリーがすごい」や「週刊文春ミステリーベスト10」で一位を取らなければおかしいレベルの作品に思えるが、それは福島原発の事故があった後に読んだからかもしれない。 とにかく、今はじめて読むのであれば、日本の歴代のサスペンス小説でトップに位置付けられる作品である。 | ||||
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福島原発事故のあとで読むと、リアリティーがある。犯人は高速炉「新陽」(もんじゅがモデル)の上空にダイナマイトを搭載した大型ヘリコプターをホバリングさせ、全国の原発を破壊せよと政府を脅迫する。作者は理工系出身者であるが、それでも原発やヘリコプターの機能をよく調査して小説を書いている。軽水炉の建屋のプール内の使用済燃料燃料が弱点だと小説で指摘している。福島原発でもそうなった。預言書的だ。犯人は純粋な原発反対派ではない。原発推進派も反対派も人間存在の課題を背負っている。人々は豊かな生活を送るためにエネルギーが必要だ。森林、石炭、石油、原子力と人間は生きるためにエネルギー源を求めてきたが、同時に環境を破壊し、気候変動や酸性雨や地球温暖化の報復を受けてきた。快適な生活は捨てられない。でも、環境と共生していきたい。人間の魂は揺れ動く。犯人の苦悩は我々の苦悩を代表しているようにも思えた。 | ||||
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他の方のレビューでもあるように、本書は2011年3月11日の大震災後の原発事故でクローズアップされている、もしくは「されるべき」作品だと思いました。 原発の上空に爆弾と子供を乗せた無人操作のヘリがホバリング。 その実行犯の要求は「日本のすべての原発を停止させよ、さもなくば原発にヘリを墜落させる」と… ミステリ物としても十分に練られた設定ですが、それが自然災害という形で3.11の事故は発生しました。 その後、知人の紹介でこの作品を知ったのですが、一気に読破し、その深いテーマとリアリズムにも圧倒されました。 (そもそも、東野圭吾の作品は、今回初めて読みました) 元・原子力技術者そして大学時代は航空工学を専攻した自分からみても、その設定の隙のなさというか、リアルさには圧巻しました。もちろん、フィクションおよびエンタイテイメントに必要な分の「譲歩」はありますが、それを考慮しても「納得」の内容でした。 なぜ犯人はこの犯行に至ったのか? 真の目的は? そして結末は? それらは全てネタバレになりますので、ここで述べるつもりはありません。 しかし、ミステリという形をとり、ここまで「原発が日本にあるということはどういうことなのか?」を改めて考えさせられる本作品は、出来ればフィクションのままで注目されていてほしかったです。 …いや、むしろそれは本作品の「犯人」の言葉に相反するものかもしれませんが。 『一度は蜂に刺されたほうがいい』 蜂に刺されて痛みを知るのも、刺されずにその危険性を事前に察知して回避するのも、共に同じ人間。 『天罰』などという甘い表現で済まされない現実が、今この瞬間に自分達の世界で起こっている、そう感じさせずにはいられませんでした。 | ||||
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今が旬の原発の話です。原発にかかわる人達のリアルな気持ちが感じ取れます。私も原発には基本的には反対ですが、この作品を読んで、自分のおかれてる立場をしることができました。 是非、読んで頂いて、周りに流されず、原発というものを自分の意見としてとらえてもらいたいと思います。 | ||||
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私は著者の東野圭吾先生のファンです。『天空の蜂』も何年か前に読んだ東野先生の一作品でした。しかし、当時は「サスペンス作品の本」というくらいの認識で、原発問題についてあまり強く意識する本ではなかったと思います。また、数ある東野先生の作品の中でもマイナーに位置付けされる本です。東野先生も「自信作だけど、まるで無反応だった。」と語っていました。 ですが、2011年3月11日、原発事故は、未曾有の大震災という最悪の形で私達に降りかかり、そしてその深刻さを露呈することになりました。この事故を受け、自分も数年ぶりにこの『天空の蜂』を再読することにしました。それは、原発問題に対して「自分自身、何か考えることは出来ないか?」というヒントを本著に求めたからです。 そして、あらためて本著が原発問題において、的確にその警鐘を鳴らしていることを知りました。本著はサスペンス小説ではありますが、他方で原発を様々な視点で考えることのできる本です。なかでも、物語の鍵を握る三島幸一の存在が大きいです。原発を飛行機に例え事故の確率をゼロには出来ないことや、他にも原発は必要悪な存在であることを読者に投げかけています。実際、未曾有の大震災によって蜂に刺された日本は、今も困難な状況の中にあり、未だに事故の収束には至っておりません。 「成功が目的ではない、実行することに意味があるんだ――。」 三島は自己を犠牲にし犯行を実行する道を選びました。彼の悲壮な決意が胸に響きます。しかし、その果てにあったものは「虚しさ」でした。彼は「答え」が欲しかったのです。三島の「答え」を導くのは、他でもなく私達なのです。今、問いかけられています。それでも、初めて読んだ時に気付くことが出来なかった部分を発見しても、私の力では三島が求めた「答え」を導くことが出来ません。自分の不甲斐なさを深く痛感しました。 そもそも、その「答え」に正解があるのかも不明です。「こういう事故があるから原発はいらない」という反対派も、「電気というエネルギーを欲するためには、原発は必要だ」という賛成派も、現実的に見れば、どちらも正しいからです。おそらく、作中で出てきた多くの「沈黙する群集」でさえ、正しいのかもしれません。三島が求めた「答え」は、それくらい大きな枠組みの中にあるのです。 三島が求めた「答え」を導くことは難しいです。ですが、原発事故を受け、私達が必要とする様々なエネルギーついて深く考えることについては可能だと思います。私達は今回、日々の生活において、どれだけ電気というエネルギーを必要としていたかを知りました。それが、薄い氷の上を歩くような危険を伴ったものであることも。また、それを受けた停電もあったり、節電への心掛けもより一層強いものになりました。 しかし、皮肉にもそれを知ったのは「蜂に刺された後」でした。三島が言うように、「蜂に刺される前」から知っていなければならなかったのです。それは、私が「沈黙する群集」の中の一人だったということを思い知らされました。私達はそこから脱することで初めて、原発の在り方を追求する位置に立つことが出来るのです。そして、三島が求めた「答え」はその遥か先にあるものだと考えます。 本著が刊行されたのは1998年。10年以上も前に東野先生が送り出した本です。あらためて、物語の緻密な構成と、そのための原発やヘリコプターの知識を得るために費やした時間に賞賛を送りたいです。当時の東野先生の想いに応えるためにも、本著がより多くの人に読んでもらいたいと願わずにはいられません。 | ||||
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東野圭吾の作品で、一番好きな本です。 今、福島原発の問題が、日本を危機に向かわせています。 今こそ、この天空にいる蜂の一刺しが、原子力行政に警鐘を鳴らします。 ちょう、お勧めです。 | ||||
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他の方も書いていますが、作品の中の 「そもそも夏ってのは暑いものなんだ」 というセリフが、非常に印象的で、 今回の災害が起きたときに、真っ先にこの本を思い出しました。 原発や原子炉の説明にかなりのページを使っていて テロ小説と言うのはちょっとアクションが足りず、 ミステリ部分は弱い(しかも謎解き部分そのものには原発は関係ない)ため 東野圭吾ファンの人でも、この作品はつまらないという人は多いです。 でも、 本当に原発は制御できるのか? という命題をテロ小説という形で書き上げた作者は、やはりすごいと思います。 また、 自分たちの町や村に原発が来るというのはどういうことか、 についても、登場人物たちの会話を通していろいろ見えてきます。 「その本を読み終えたら、世界が今までとは変わって見える」 そういう本のひとつです。 今からでも、ぜひ皆さんに読んで欲しいです。 | ||||
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今こそぜひ、日本中の方に読んでもらいたい本です。 私たちの生活(収入)に無理のない範囲で 昼夜を問わず自由に電気を使えるのは 薄氷の上を歩むような、危険と紙一重の技術や努力と、 『今のところ何も起こってない』だけの 運の上に成り立っていることが分かるでしょう。 この作品が単なる娯楽小説であるだけなら、 犯人はこんな犯罪を行いません。 犯人はこう言います。 『原発は必要だけれども、事故は起こすなというのは、 交通手段が他にないから飛行機には乗るけれど、 事故を起こすなと言うのと同じ。技術と努力で 事故を起こす確率を下げることはできるが、 決してゼロにはできない。 搭乗券を買った覚えはないかもしれないが、 日本国民は原発という飛行機にもう乗ってしまっている。 ただ、その飛行機を飛ばさないという選択もできる。 一部の活動家は主張をするが、大部分は沈黙の乗客だ。 彼らが何を考えているかはどこにも誰にも伝わらない』 作中の災厄である『天空の蜂』は、 未曾有の地震と津波という形で私たちの現実に墜ちてきました。 犯人はむき出しの燃料プールを傷つけることを恐れ あえて地下にプールがある高速増殖炉を狙いましたが、 現実はもっと悲惨なものとなりました。 立場が偏らないよう気をつけて書いたという言葉どおり、 作者自身の主義は作中では表現されていません。 しかし、原発を推進する立場、反対する立場、無関心な立場、 様々な立場の登場人物が、様々な立ち位置から 原発を捉え、語っています。 危険=反原発と短絡的になるのではなく、 『見たくないもの、目をつぶって済むならそうしたいものにも 目を向けなければならない。 事実を正しく知った上で、YesかNoを選択せねばならない。 知らないところで勝手に決まってしまったから仕方がないではない。 知ることが、利便や利益を享受する国民の義務なのだ』 それこそが作者の伝えたいことではないでしょうか。 『そもそも夏ってのは暑いものなんだ』 とある登場人物の言葉です。 計画停電で不便をこうむっている今、そして来る夏こそ エネルギーについて真摯に知る、考えるチャンスが 私たちに与えられているのかもしれません。 | ||||
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