胡蝶殺し
評判
胡蝶殺しの評価:
4.38/5点 レビュー 16件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21〜32 2/2ページ
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胡蝶殺しの評価:
4.38/5点 レビュー 16件。 D ランク
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「殺す」事件もありませんし、ミステリアスな心の動き、という意味では、ひとつないではありませんが、その謎がメインという話ではありません。
女形を探偵とした時代ミステリーシリーズのある著者。
しかし本作は現代の梨園のひとりの父親が、後見人として面倒を見ることになった別の(父を亡くした)御曹司の少年と、同年の自分の息子とを引き比べながら、ふたりの成長を見守ってゆく話です。
歌舞伎の世界の約束事や踊りや他の俳優たちとの関係・・・熱っぽく緊迫感があります。
題名の「胡蝶」とは「鏡獅子」の真ん中で演じられる間狂言のようなもので、胡蝶に扮した子役ふたりが対称的に踊るものです。
これを踊る予定のふたり。子役として、一歩先んじて才能がある秋司7歳、無邪気で水族館好きの息子、俊介6歳。
父親はわが子が歌舞伎をやる気があるのかないのか、また才能があるのかないのか、天才的な秋司の存在によって悩みを深めてゆきます。
父親自身の女形としての野心や成長も含め、心の機微が繊細に描かれ、飽きさせません。
そこに絡んでくるのが、あくまで息子を夫の跡継ぎに育てたい秋司の母親の執念です。
ミステリーと言えなくもない部分は最後に明らかにされますが、読みどころはこの歌舞伎俳優である父親、歌舞伎俳優の未亡人である母親の葛藤でしょう。
ふたりの少年も丁寧によく描きわけられており、その点も引き込まれます。
歌舞伎狂言の内容に深く立ち入るわけではないのですが、さまざまな子役の芝居が紹介され、子役という角度から見た「歌舞伎の世界」は新鮮でした。
子役の競争は不慮の事態によって、決着がついたかに見えますが、最後に大学生になった二人が再会し・・・ここからもうひとつ開けてゆくような展望の中で終わることになり、明るさとともに、続編を読みたい気にさせられます。