(短編集)

パン屋再襲撃

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評判

パン屋再襲撃の評価:

4.03/5点 レビュー 67件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.03pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全153件 41〜60 3/8ページ
No.113
(5pt)

滅茶苦茶面白い。文句なし!

アマゾンで買った本のみレビューしています。物語・作り話が好きなので小説しか読みません。リアリテイー等は関係ありません。事実と違うなどと言ってる人がいますが、なぜ事実じゃないと知っているのでしょうか?学者が書いているから?不思議で仕方がありません。物語では信長は本能寺で死ななくてもいいのです。面白いか面白くないかのみが判断基準です。それではよろしくお願いします。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.112
(5pt)

「ねじまき鳥クロニクル」原型。

表題作「パン屋再襲撃」は面白い。
まず題名がいい。内容もそれに負けず面白い。
夫婦で交わされる会話もウイットに富んでるし。

「象の消滅」。ある日突然老象と老飼育員がいなくなる。
これは象が何かのメタファーに感じられて奥深い。

「ねじまき鳥と火曜日の女たち」は完全にねじまき鳥の
冒頭だし、ワタナベ・ノボル(クロニクルではワタヤ・ノボル)
はこちらでも他の章を含め、随所に登場するがやはり謎だ。
妹の婚約者であったり、共同経営者であったり、妻の兄だったり。

全編違う雑誌に掲載されているこの短編集が元となって、
長編「ねじまき鳥クロニクル」が上梓されたのだとしたら、
ファンとしたら興味深い1冊だ。

村上作品は酷評されることも多々あるが、面白いと思う。
本作品も「クロニクル」を読まなくても、十分楽しめるし。
個人的には「象の消滅」が楽しめた。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.111
(4pt)

自分の外の世界に関心がない内向きな文章。

六十年代の安保闘争時代の学生の関心が政治に向いていた頃とは真逆の文章。
イデオロギーも戦争に対する皮肉も社会に対する批判も何も無い、斜に構えた文章。自分しか居ない内向きの世界。
これらの短編が発表された八十年代当時、社会問題にも政治にも目を向けないスタイルが「カッコよく見えた」のかもしれない。
その空虚な独自性に惹かれてハルキストと呼ばれるスノッブを気取った女たちが服やバッグやハイヒールの延長としてファッションで村上春樹の小説を読んでいたのかもしれない。
村上春樹は本当は社会に対して鋭い観察眼を持っているのだが「能ある鷹は爪を隠す」という諺のように、「なにも言わないこと」で社会に対してメッセージを発していると、ハルキストは好意的に解釈したのかもしれない。
しかし、村上春樹の小説『アンダーグラウンド』で、社会問題を扱い、総括が有り触れた陳腐なものだったことで、彼がたとえ話が得意なだけの薄っぺらい人間だということが世間にバレてしまった。村上春樹がノーベル文学賞を獲ることは金輪際有り得ないだろう。
ノーベル文学賞は深く社会と密着した題材が受賞する傾向があり、村上春樹はそれに値する器ではない。
村上春樹は何も深く考えず、ただ文体の巧みさだけを楽しむスタイルで、イージーリスニングの音楽に似ている。それが悪いというつもりは毛頭ない。需要と供給の関係が成り立っている以上、この世界に居場所はあるのだ。
ただ、繰り返しになるが村上春樹はノーベル文学賞の器ではない。
パン屋再襲撃 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃 (文春文庫)より
4167502119
No.110
(5pt)

ハルキワールドの変遷

久しぶりに読み返したこの短編集で、村上春樹氏が自らの創作の限界を突き抜けて「ねじまき鳥クロニクル」という大作に到達するまでの過程を見せられた気がしました。内容をかいつまんでご紹介します。

「パン屋再襲撃」
新たな相棒である新妻とともに僕は再びパン屋襲撃に向かう。
今度の標的は高度資本主義の象徴ともいえるマクドナルド。
妻の助けを得ながらも襲撃をやり遂げつかの間の充足感に浸る僕は次にやってくるであろう運命に身をゆだねる。

「象の消滅」
象の消滅という事件に町の人々は少なからず戸惑うのだが、やがて忘れ去られつつある。
以来僕の内部では何かのバランスが崩れてしまって世の中の出来事が僕の目には奇妙に映る。

「ファミリー・アフェア」
ほんの1年前まで僕と楽しく暮らしてきた妹が、婚約者とつきあい始めてから少しずつ僕を批難し始めた。
僕は新しい状況に戸惑いながらも、かろうじてアウトロー的な生き方を保っている。
いずれ自己完結した世界の本当の終わりがやって来ることは僕にもわかっているのだ。

「双子と沈んだ大陸」
かつて共に暮らした双子の姿を写真雑誌で見つけた。
彼女たちとの思い出を振り返っているうちに、僕は自分が新しい世界を生きていることに気付いた。
双子は僕にそれを知らせてくれるために現れたのだ。

「ローマ帝国の崩壊・1881年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界」
日曜日の午後2時7分に風が吹き始めた。
僕は1週間分の日記をつけながら、その日に起こった出来事を歴史的な事件に置き換えて記述する。
物事を記号と数値に変換していくこと、それは僕がこだわる独自のシステムなのだ。

「ねじまき鳥と火曜日の女たち」
聞き覚えの無い声の女から電話がかかってきた。彼女は僕とわかり合いたいと言っている。
家の裏の路地で出会った少女が僕に語り掛けて来る。少女は何か致命的な心の闇を抱えているようだ。
居間でうずくまる妻の悲しみを僕は理解することができない。
ねじまき鳥が運命を紡ぎだすこの世界で僕は途方に暮れる。

ご存知の通り長編「ねじまき鳥クロニクル」では、歴史の渦に物語が呑み込まれ、怪物ワタヤ・ノボルと対決し、謎の女の真の姿に出会う。主人公はこれまでの自己完結型の世界観から新たな「ハルキ・ワールド」へと進んでいく。
本作は著者の作風が変遷していく姿が感じられて読み返す価値有りです。
パン屋再襲撃 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃 (文春文庫)より
4167502119
No.109
(4pt)

自分の外の世界に関心がない内向きな文章。

六十年代の安保闘争時代の学生の関心が政治に向いていた頃とは真逆の文章。
イデオロギーも戦争に対する皮肉も社会に対する批判も何も無い、斜に構えた文章。自分しか居ない内向きの世界。
これらの短編が発表された八十年代当時、社会問題にも政治にも目を向けないスタイルが「カッコよく見えた」のかもしれない。
その空虚な独自性に惹かれてハルキストと呼ばれるスノッブを気取った女たちが服やバッグやハイヒールの延長としてファッションで村上春樹の小説を読んでいたのかもしれない。
村上春樹は本当は社会に対して鋭い観察眼を持っているのだが「能ある鷹は爪を隠す」という諺のように、「なにも言わないこと」で社会に対してメッセージを発していると、ハルキストは好意的に解釈したのかもしれない。
しかし、村上春樹の小説『アンダーグラウンド』で、社会問題を扱い、総括が有り触れた陳腐なものだったことで、彼がたとえ話が得意なだけの薄っぺらい人間だということが世間にバレてしまった。村上春樹がノーベル文学賞を獲ることは金輪際有り得ないだろう。
ノーベル文学賞は深く社会と密着した題材が受賞する傾向があり、村上春樹はそれに値する器ではない。
村上春樹は何も深く考えず、ただ文体の巧みさだけを楽しむスタイルで、イージーリスニングの音楽に似ている。それが悪いというつもりは毛頭ない。需要と供給の関係が成り立っている以上、この世界に居場所はあるのだ。
ただ、繰り返しになるが村上春樹はノーベル文学賞の器ではない。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.108
(5pt)

ハルキワールドの変遷

久しぶりに読み返したこの短編集で、村上春樹氏が自らの創作の限界を突き抜けて「ねじまき鳥クロニクル」という大作に到達するまでの過程を見せられた気がしました。内容をかいつまんでご紹介します。

「パン屋再襲撃」
新たな相棒である新妻とともに僕は再びパン屋襲撃に向かう。
今度の標的は高度資本主義の象徴ともいえるマクドナルド。
妻の助けを得ながらも襲撃をやり遂げつかの間の充足感に浸る僕は次にやってくるであろう運命に身をゆだねる。

「象の消滅」
象の消滅という事件に町の人々は少なからず戸惑うのだが、やがて忘れ去られつつある。
以来僕の内部では何かのバランスが崩れてしまって世の中の出来事が僕の目には奇妙に映る。

「ファミリー・アフェア」
ほんの1年前まで僕と楽しく暮らしてきた妹が、婚約者とつきあい始めてから少しずつ僕を批難し始めた。
僕は新しい状況に戸惑いながらも、かろうじてアウトロー的な生き方を保っている。
いずれ自己完結した世界の本当の終わりがやって来ることは僕にもわかっているのだ。

「双子と沈んだ大陸」
かつて共に暮らした双子の姿を写真雑誌で見つけた。
彼女たちとの思い出を振り返っているうちに、僕は自分が新しい世界を生きていることに気付いた。
双子は僕にそれを知らせてくれるために現れたのだ。

「ローマ帝国の崩壊・1881年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界」
日曜日の午後2時7分に風が吹き始めた。
僕は1週間分の日記をつけながら、その日に起こった出来事を歴史的な事件に置き換えて記述する。
物事を記号と数値に変換していくこと、それは僕がこだわる独自のシステムなのだ。

「ねじまき鳥と火曜日の女たち」
聞き覚えの無い声の女から電話がかかってきた。彼女は僕とわかり合いたいと言っている。
家の裏の路地で出会った少女が僕に語り掛けて来る。少女は何か致命的な心の闇を抱えているようだ。
居間でうずくまる妻の悲しみを僕は理解することができない。
ねじまき鳥が運命を紡ぎだすこの世界で僕は途方に暮れる。

ご存知の通り長編「ねじまき鳥クロニクル」では、歴史の渦に物語が呑み込まれ、怪物ワタヤ・ノボルと対決し、謎の女の真の姿に出会う。主人公はこれまでの自己完結型の世界観から新たな「ハルキ・ワールド」へと進んでいく。
本作は著者の作風が変遷していく姿が感じられて読み返す価値有りです。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.107
(4pt)

電子媒体の書籍

電子媒体の書籍は読み心地が悪く好きでありませんでしたが,今回新iPad購入に伴い試しました。とても使い心地がよく何処へでも持って行けるので便利でした。
パン屋再襲撃 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃 (文春文庫)より
4167502119
No.106
(4pt)

電子媒体の書籍

電子媒体の書籍は読み心地が悪く好きでありませんでしたが,今回新iPad購入に伴い試しました。とても使い心地がよく何処へでも持って行けるので便利でした。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.105
(5pt)

最も村上春樹らしい小説はどれか?と考えて思いついたのが「ファミリー・アフェア」だったのだが・・・

最も村上春樹らしい小説はどれだろう? と考えたのだが、
勿論、何をもって「村上春樹らしい」と思うかというのは人それぞれであって、
処女作「風の歌を聴け」から、いまだに「ノルウェーの森」と思う人や、人気の高い「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」を挙げる人、エトセトラで、短編でも長編を凌ぐ村上世界をつくっている作品も多く、悩ましいことになってしまう。
よってここでは私が極私的に(しかも今日現在)思う村上らしさの頂点にある作として、
この短編集「パン屋再襲撃」における「ファミリー・アフェア」をピックアップしたいのだ。(初出は1985年)

何故か?
村上春樹が小説において書きたいことのフラグメントの数々が散りばめられているからだ。
まず音楽。主人公の兄妹は様々なレコードをターンテーブルに乗っけるが、それは以下。
ブルース・スプリングスティーン、フリオ・イグレシアス(←これは嘲笑の対象として)、ウィリー・ネルソン、ハービー・ハンコック、リッチー・バイラーク・トリオ。
そして食物へのこだわり。
そしてセックス。兄のセックス。マスターベーション。ガールフレンド。今までに寝た女の子26人+10人。妹の性事情。
ワタナベノボルの登場、フィッシャーマンズ・ウォーフ、カジキマグロ、I.W.ハーパーなどの名詞。
そして絶え間なく出てくる"つまらないジョーク"。

このようにキーワードで解体していくと、何だかキーワードを羅列しただけの小説に思えてきた。
他愛のない、アメリカ小説の複製のような小品か?。
まあ、いいや。
いい意味でも、悪い意味でもシンプルに村上春樹らしい(原点のような)作品「ファミリー・アフェア」はたまに読みたくなる小説だ。
パン屋再襲撃 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃 (文春文庫)より
4167502119
No.104
(5pt)

最も村上春樹らしい小説はどれか?と考えて思いついたのが「ファミリー・アフェア」だったのだが・・・

最も村上春樹らしい小説はどれだろう? と考えたのだが、
勿論、何をもって「村上春樹らしい」と思うかというのは人それぞれであって、
処女作「風の歌を聴け」から、いまだに「ノルウェーの森」と思う人や、人気の高い「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」を挙げる人、エトセトラで、短編でも長編を凌ぐ村上世界をつくっている作品も多く、悩ましいことになってしまう。
よってここでは私が極私的に(しかも今日現在)思う村上らしさの頂点にある作として、
この短編集「パン屋再襲撃」における「ファミリー・アフェア」をピックアップしたいのだ。(初出は1985年)

何故か?
村上春樹が小説において書きたいことのフラグメントの数々が散りばめられているからだ。
まず音楽。主人公の兄妹は様々なレコードをターンテーブルに乗っけるが、それは以下。
ブルース・スプリングスティーン、フリオ・イグレシアス(←これは嘲笑の対象として)、ウィリー・ネルソン、ハービー・ハンコック、リッチー・バイラーク・トリオ。
そして食物へのこだわり。
そしてセックス。兄のセックス。マスターベーション。ガールフレンド。今までに寝た女の子26人+10人。妹の性事情。
ワタナベノボルの登場、フィッシャーマンズ・ウォーフ、カジキマグロ、I.W.ハーパーなどの名詞。
そして絶え間なく出てくる"つまらないジョーク"。

このようにキーワードで解体していくと、何だかキーワードを羅列しただけの小説に思えてきた。
他愛のない、アメリカ小説の複製のような小品か?。
まあ、いいや。
いい意味でも、悪い意味でもシンプルに村上春樹らしい(原点のような)作品「ファミリー・アフェア」はたまに読みたくなる小説だ。
パン屋再襲撃 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃 (文春文庫)より
4167502011
No.103
(5pt)

最も村上春樹らしい小説はどれか?と考えて思いついたのが「ファミリー・アフェア」だったのだが・・・

最も村上春樹らしい小説はどれだろう? と考えたのだが、
勿論、何をもって「村上春樹らしい」と思うかというのは人それぞれであって、
処女作「風の歌を聴け」から、いまだに「ノルウェーの森」と思う人や、人気の高い「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」を挙げる人、エトセトラで、短編でも長編を凌ぐ村上世界をつくっている作品も多く、悩ましいことになってしまう。
よってここでは私が極私的に(しかも今日現在)思う村上らしさの頂点にある作として、
この短編集「パン屋再襲撃」における「ファミリー・アフェア」をピックアップしたいのだ。(初出は1985年)

何故か?
村上春樹が小説において書きたいことのフラグメントの数々が散りばめられているからだ。
まず音楽。主人公の兄妹は様々なレコードをターンテーブルに乗っけるが、それは以下。
ブルース・スプリングスティーン、フリオ・イグレシアス(←これは嘲笑の対象として)、ウィリー・ネルソン、ハービー・ハンコック、リッチー・バイラーク・トリオ。
そして食物へのこだわり。
そしてセックス。兄のセックス。マスターベーション。ガールフレンド。今までに寝た女の子26人+10人。妹の性事情。
ワタナベノボルの登場、フィッシャーマンズ・ウォーフ、カジキマグロ、I.W.ハーパーなどの名詞。
そして絶え間なく出てくる"つまらないジョーク"。

このようにキーワードで解体していくと、何だかキーワードを羅列しただけの小説に思えてきた。
他愛のない、アメリカ小説の複製のような小品か?。
まあ、いいや。
いい意味でも、悪い意味でもシンプルに村上春樹らしい(原点のような)作品「ファミリー・アフェア」はたまに読みたくなる小説だ。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.102
(4pt)

この作品も、小説とは言えないかもしれないが、文学には含まれる・・・

「ふたりで、当初 “目的:パン屋襲撃” としていたことを、それが犯罪であろうとなかろうと“違えることなく” 成し遂げたときに、二人は、本当の意味でひとつになれるのです」

という結婚式(?)などで使える人生の教訓・教示に類するような例え話なのでしょう。

 この作品では、結婚したばかりの夫婦の間にある、ある種のぎこちなさ・不安感を “透明な水の中に、水面近くにまで、迫っている山” で明示しております。

結婚式のつまらない祝辞のようですが、夫婦初めての共同作業が達成されたとき、初めて夫婦としての信頼感・実体が得られる・・・・、その時、水面まで迫る岩山が消え、そこにあるのは静かな水面であった・・・・そして、二人は次のステージに進むことができる・・・・。

学生の時の友人とのパン屋襲撃(暗喩)は、当初の目論見に図らずも歪みが生じてしまい、成功とも失敗とも断言できないような結末になり、その小さな歪みは取るに足らないことなのかもしれないが、それが徐々に大きくなり、二人には共有できる何かを構築することができなかった。結果として、二人は、真の信頼関係を築くことができず、別れることになった。

奥様は、主人公の “心の澱” となっている記憶の修正の必要性を強く感じた、ということなのでしょう。
パン屋再襲撃 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃 (文春文庫)より
4167502119
No.101
(5pt)

初期の短編集

本書は、1985年~1985年の頃に、『文學界』や『新潮』等の
雑誌で発表された短編6編を一冊の本にまとめ文庫化したもの
です。つまり、著者が36~37歳の頃に書き上げた初期の作品群
ということになります。

本書に収録されているのは、「パン屋再襲撃」「象の消滅」
「ファミリー・アフェア」「双子と沈んだ太陽」「ローマ帝国
の崩壊・1881年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド
侵入・そして強風世界」「ねじまき鳥と火曜日の女たち」の6編
の短編。最後の作品は、後の『ねじまき鳥クロニクル』の原型と
なった作品と言われているものです。

特に表題作となっている「パン屋再襲撃」のお話は本当に面白い。
話の舞台設定も、展開も、妻との間でなされる会話の中身も、全て
面白く、それが(著者の作品を読んだことがある方なら分かると
思いますが)村上春樹の「あの筆致」と「世界観」にのせられて
(それがすでに30代で完成されているのがまたすごいですが)つづ
られています。

『1Q84』にしもて、『ねじまき鳥クロニクル』にしても、かなり
の長編で、もっと気軽に村上春樹を読みたいと思われている方には、
この本は読みやすく好適だと思います。
パン屋再襲撃 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃 (文春文庫)より
4167502119
No.100
(4pt)

この作品も、小説とは言えないかもしれないが、文学には含まれる・・・

「ふたりで、当初 “目的:パン屋襲撃” としていたことを、それが犯罪であろうとなかろうと“違えることなく” 成し遂げたときに、二人は、本当の意味でひとつになれるのです」

という結婚式(?)などで使える人生の教訓・教示に類するような例え話なのでしょう。

 この作品では、結婚したばかりの夫婦の間にある、ある種のぎこちなさ・不安感を “透明な水の中に、水面近くにまで、迫っている山” で明示しております。

結婚式のつまらない祝辞のようですが、夫婦初めての共同作業が達成されたとき、初めて夫婦としての信頼感・実体が得られる・・・・、その時、水面まで迫る岩山が消え、そこにあるのは静かな水面であった・・・・そして、二人は次のステージに進むことができる・・・・。

学生の時の友人とのパン屋襲撃(暗喩)は、当初の目論見に図らずも歪みが生じてしまい、成功とも失敗とも断言できないような結末になり、その小さな歪みは取るに足らないことなのかもしれないが、それが徐々に大きくなり、二人には共有できる何かを構築することができなかった。結果として、二人は、真の信頼関係を築くことができず、別れることになった。

奥様は、主人公の “心の澱” となっている記憶の修正の必要性を強く感じた、ということなのでしょう。
パン屋再襲撃 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃 (文春文庫)より
4167502011
No.99
(5pt)

初期の短編集

本書は、1985年~1985年の頃に、『文學界』や『新潮』等の
雑誌で発表された短編6編を一冊の本にまとめ文庫化したもの
です。つまり、著者が36~37歳の頃に書き上げた初期の作品群
ということになります。

本書に収録されているのは、「パン屋再襲撃」「象の消滅」
「ファミリー・アフェア」「双子と沈んだ太陽」「ローマ帝国
の崩壊・1881年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド
侵入・そして強風世界」「ねじまき鳥と火曜日の女たち」の6編
の短編。最後の作品は、後の『ねじまき鳥クロニクル』の原型と
なった作品と言われているものです。

特に表題作となっている「パン屋再襲撃」のお話は本当に面白い。
話の舞台設定も、展開も、妻との間でなされる会話の中身も、全て
面白く、それが(著者の作品を読んだことがある方なら分かると
思いますが)村上春樹の「あの筆致」と「世界観」にのせられて
(それがすでに30代で完成されているのがまたすごいですが)つづ
られています。

『1Q84』にしもて、『ねじまき鳥クロニクル』にしても、かなり
の長編で、もっと気軽に村上春樹を読みたいと思われている方には、
この本は読みやすく好適だと思います。
パン屋再襲撃 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃 (文春文庫)より
4167502011
No.98
(4pt)

この作品も、小説とは言えないかもしれないが、文学には含まれる・・・

「ふたりで、当初 “目的:パン屋襲撃” としていたことを、それが犯罪であろうとなかろうと“違えることなく” 成し遂げたときに、二人は、本当の意味でひとつになれるのです」

という結婚式(?)などで使える人生の教訓・教示に類するような例え話なのでしょう。

 この作品では、結婚したばかりの夫婦の間にある、ある種のぎこちなさ・不安感を “透明な水の中に、水面近くにまで、迫っている山” で明示しております。

結婚式のつまらない祝辞のようですが、夫婦初めての共同作業が達成されたとき、初めて夫婦としての信頼感・実体が得られる・・・・、その時、水面まで迫る岩山が消え、そこにあるのは静かな水面であった・・・・そして、二人は次のステージに進むことができる・・・・。

学生の時の友人とのパン屋襲撃(暗喩)は、当初の目論見に図らずも歪みが生じてしまい、成功とも失敗とも断言できないような結末になり、その小さな歪みは取るに足らないことなのかもしれないが、それが徐々に大きくなり、二人には共有できる何かを構築することができなかった。結果として、二人は、真の信頼関係を築くことができず、別れることになった。

奥様は、主人公の “心の澱” となっている記憶の修正の必要性を強く感じた、ということなのでしょう。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.97
(5pt)

初期の短編集

本書は、1985年~1985年の頃に、『文學界』や『新潮』等の
雑誌で発表された短編6編を一冊の本にまとめ文庫化したもの
です。つまり、著者が36~37歳の頃に書き上げた初期の作品群
ということになります。

本書に収録されているのは、「パン屋再襲撃」「象の消滅」
「ファミリー・アフェア」「双子と沈んだ太陽」「ローマ帝国
の崩壊・1881年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド
侵入・そして強風世界」「ねじまき鳥と火曜日の女たち」の6編
の短編。最後の作品は、後の『ねじまき鳥クロニクル』の原型と
なった作品と言われているものです。

特に表題作となっている「パン屋再襲撃」のお話は本当に面白い。
話の舞台設定も、展開も、妻との間でなされる会話の中身も、全て
面白く、それが(著者の作品を読んだことがある方なら分かると
思いますが)村上春樹の「あの筆致」と「世界観」にのせられて
(それがすでに30代で完成されているのがまたすごいですが)つづ
られています。

『1Q84』にしもて、『ねじまき鳥クロニクル』にしても、かなり
の長編で、もっと気軽に村上春樹を読みたいと思われている方には、
この本は読みやすく好適だと思います。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.96
(4pt)

襲撃は成功か?

再襲撃というからには、すでに1回目の襲撃が行われているはずで、作中でも以前に相棒とパン屋を襲ったことがあると回想されています。最初の襲撃の模様は「パン」(「夢で会いましょう (講談社文庫)」所収)もしくは「パン屋を襲う」(「パン屋を襲う」所収・「パン」を改題)で読めます。

襲撃のはずが双方に満足な、平和裏な結果に終わってしまった前回の呪いか、時を経て再び猛烈な空腹に襲われて、再度パン屋の襲撃に向かうはめになった『僕』のお話です。さてその結果はというと、成功なのか、成功したらしいけど少々ずれているというか、こじつけで成功だと思い込もうとしているのか、非常に微妙です。
ただ、少しずつ当初の目的からずれてゆき妥協する様子が、なぜかしらユーモラスで、『僕』たちが襲撃に頑張れば頑張るほど、くすぐられるようなおかしさを感じてしまいます。

初志貫徹とか中途半端は後から効くのだとか、そういう読み方もできるのかもしれませんが、静かでやさしい読後感を楽しむのもいいかもしれません。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.95
(5pt)

表題作が秀逸

まだそこまで世界的知名度が高くなかった初期の短編集。

表題作の「パン屋再襲撃」が一番おもしろく且つ印象的な短編。村上春樹といえば幻想的で不思議な世界観のイメージがありその点を忌み嫌う人も多いと思うが、本作の妙なシュールさはそういったイメージを払拭してくれる。
「深夜にお腹が空いた夫婦がマクドナルドを襲撃し、ハンバーガーを食って帰る」という訳のわからない内容。結局何だったんだ、という純粋な疑問は残るが、マクドナルドといういやに現実的な象徴と、散弾銃を持って敬語で襲撃する夫婦というありえない設定には笑わずにはいられない。また主人公の夫婦の間に生まれる奇妙な絆は、80年代の少し古くさい描写と相まって温かく感じられる。余計な回りくどい描写はあまりなく、非常にテンポが良い。行間にうまいこと「雰囲気」を詰め込むテクニックはさすがで、おそらく彼の作品の中でも一、二を争う出来なのではないだろうか。

他に「ファミリーアフェア」「象の消滅」あたりもおもしろい。

「ノルウェイの森」や「1Q84」あたりの長編がどうしても苦手、という人は是非本書をお勧めする。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306
No.94
(4pt)

お腹がすいたからパン屋を襲うという、何とも短絡的で衝動的なアイディアだが、ついつい最後まで読んでしまう。
やはり文章が面白く、アイディア優先かと思いきや、地の文の物語とは関係のないことがどうしようもなく面白い。
パン屋再襲撃 Amazon書評・レビュー: パン屋再襲撃より
4163089306