虚像の砦

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虚像の砦の評価:

3.95/5点 レビュー 40件。 B ランク

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未読の方はご注意ください

全58件 41〜58 3/3ページ
No.18
(4pt)

メディアの抱える問題。

護送船団、テレビ局。

テレビ局は官僚を、
官僚は政治家を、
政治家はテレビ局を恐れる。

そんな関係、潰れちゃえばいいじゃんって
思ってても、いつの間にか当事者に。
こうやって巻き込まれ、世界は硬直化していくのです。
虚像の砦 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 虚像の砦 (講談社文庫)より
406275925X
No.17
(4pt)

相変わらず読み応え十分の真山作品

「マグマ 国際エネルギー戦争」に次いで読んだ真山仁の作品。

今回も惹きつけられて読んだ。昨夜だけで2/3ほど一気に読んで読み終えても良かったのだが、気持ちを落ち着けるために今夜読み終えた。そのぐらい相変わらず読み応えある作品だった。

今作品も社会派で舞台はTVという巨大メディア。

私がちゃんと見るTV番組は報道もので、TVに対する興味はずっと前に無くなった。「リアル」なものが好きだからだと思う。けれども近頃は、好きなジャーナリストが亡くなったからでもないだろうが、報道番組にいまひとつ魅力が無くなったように感じる。「劇場型」に演出したがっているようにも見える。

そんな報道に対して、本書でうなされた一節があった。自身が報道に対してトラウマを抱える総務省情報通信政策局調査官の織田馨(かおる)のセリフ
「私個人は、報道に人が関わる以上、客観報道などあり得ないと思っています。ですから、ある程度の主観が入るのは当然です。大切なのは、様々な角度で事件が取り上げられているかどうかだと思います。 ... (省略)...この映像の前後に挟まるであろうキャスターのコメント一つで、どうとでもなりますから」

結局は(本書でもしばし登場する)「自己責任」で自ら解釈を打ち立てるしかないのである。何事にも表層部分だけを知って分かった気になるのは危険だと思う。

本書では、報道だけでなくバラエティ番組の代表としてお笑い番組への作者の鋭い指摘も見逃せない。マーク・トウェインの言葉
「権力、金銭、説得、哀願、迫害。たったひと吹きで、それらを粉微塵に吹き飛ばしてしまうことのできるのは、この笑いってやつだけだな。笑いによる攻撃に立ちむかえるものはなんにもない」

当たり前のようでいて意外に深い言葉だと思う。「笑い」も「深い」のだ。

報道番組もバラエティ番組も、視聴率至上主義に走ったその末路に、「幸福」があるとは思えない。

著者の「ハゲタカ」は見事にTVドラマ化された。作品の出来は素晴らしかった。しかしこの「虚像の砦」がドラマ化されることはないだろう。この予想は裏切られて実現して欲しいとは思う、しかも「ハゲタカ」並みに面白く。その時は、メディアが大きな転換期を向かえたその時かもしれない。
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406275925X
No.16
(5pt)

メディアの裏表を惜しみなく描いた作品

実名はあげられてはいないが、一時期に起こったメディアをとりまく史実との関連性を強くもった作品だと感じる。

報道とは、マスメディアとは、ジャーナリズムとは、現在も業界内に投げ掛けられている疑問が多く詰まっている。

臨場感とともに一気に読める内容でした。
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406275925X
No.15
(4pt)

ほんとうのこと

テレビだけじゃだめだ。
知ることと、自分で判断することへの努力を惜しんじゃダメだ。
しかし、ここまで、国家というものはうそまみれなのか?
愕然とする。
メディアの真髄という言葉が随所に出るが、
メディアに携わる人たちこそ、どう思っているのだろう?
生で聞いてみたい気がする。
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406275925X
No.14
(5pt)

官界のことがよくわかります

テレビ業界のことや政界のことは、皆なんとなく知っていると思います。小説もそのとおりです。しかし官界の描写は新鮮で面白かったです。この小説を読むと、テレビ業界に限らず、あらゆる業界に官界が、影響力をもっていることが、予想できます。小説なので多少誇張しているかもしれませんが、政界、官界、民間の三つの世界が、まさにじゃんけんの構図になっていることもよくわかります。ただ若干の力の差はあるように読めますが。
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406275925X
No.13
(5pt)

ところで、ふざけた解説を書いている「林操」という人物。この人は一体何者?

90年代中盤以降に実際に起きた大事件がこれでもかと盛り込まれているのにもかかわらず、しかも、報道だけではなくバラエティの制作にも目を配りつつ、ストーリーが破綻することなく最後まで一気に読ませる構成力と筆力は凄い。

著者がこの小説で言いたいこと、主張したいことはあると思うが、そういう難しいことを考えずに素直に楽しむのが一番いいのだと思う。

また、こういったモデルが実在する小説は、著者がその人物をどう捉えているのかが窺えるので、ストーリーとは離れた部分でも楽しみがある。他にも触れている方がいたが、僕も思わず笑ってしまったのは、著者が、古館伊知郎がモデルとなっている人物のことを「問題外のバカ」と言い切っているところだ。著者が彼に触れているのはここだけ(しかも僅か数行)なのだが、僕も現在の彼が番組で見せる“訳知り顔”や“したり顔”をみる度にムカッとしていたので非常に印象に残った。
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406275925X
No.12
(5pt)

現場の記者と上層部との意見の対立

今までOKだったのに上司が突然ダメ出しをしてきた。。。その理由があまりにも理不尽。。。
というのはほとんどのサラリーマンなら一度は経験したことがあると思います。そういう人にはぜひ読んで欲しい本です。
わかるわかる!!という箇所があるはずです。
一般社員では計り知れない謀が蠢いているんだろうな、と思いました。
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No.11
(4pt)

イラク人質事件

2004年のイラク人質事件の際のマスコミの報道と世論を題材とした小説。
展開の早さ、登場人物の魅力など素晴らしい筆致で一気に最後まで読ませる筆者の力量には
感服した。
また題材となっているイラクの人質事件もすでに4年が経過しており、
正直な私の印象は「そんなこともあったなー」位だった。
しかし読みすすむうちに当時のマスコミの報道や政府のコメント、これら世の中全体を
巻き込んだバカ騒ぎが思い出された。
この事件に対し、筆者は政府のマスコミを利用した世論操作の可能性を強く出している。
しかしあくまで小説内の話であり、フィクションである以上「そうであったら1番面白い」
展開にするのは当然といえる。その意味でこの小説は成功している。
実際、この事件は当時のバカ騒ぎのわりには意外と後日談が少ない。
被害者のPTSDなどを気遣っての事とは思うが、
このときの全ての国民を巻き込んだバカ騒ぎについては一人一人が冷静に事件を俯瞰し、
現在絶え間なく流れるマスコミ報道への自分自身の距離感や価値観を考えてみるのもいいと思う。
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No.10
(4pt)

よく出来てる

複数の視点を入れ替えて物語を紡ぎ出すという手法で、
各登場人物それぞれが個性的でリアルに感じられます。
物語は淡々と進むのですが一体どういう方向へ行くのだろうと
不思議に思う暇もなく、読み進められるのは著者の筆力というもの
なのかと思います。
脇の登場人物もリアルに感じられるので、それがこの小説の
よさなのかなと思います。
エンターテイメントととして純粋に楽しめます。
同じく元新聞記者の「半落ち」の著者の小説をちょっと彷彿とする感じ
というのは、登場人物が結構みな悩んでいるからか。
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406275925X
No.9
(4pt)

魅力的な人物が続々登場。

真山作品に登場する人物はいつも魅力的だ。
ハゲタカの鷲津もしかり、今回の風見や黒岩もそうだ。
何かに立ち向かっていく強い人物がとてもカッコよい。
作品の最後にはフィクションであるということが強調されているが、
実在の人物、企業、団体に置き換えて読むと一層面白いかも。
ストーリーも先がドンドン読みたくなる作品。
おすすめです。
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No.8
(5pt)

登場人物よりも「仕組み」

読ませますね。
ハゲタカもよかったけれど、
こっちもよかった。

企業もの、社会ものの小説の場合、
登場人物には、概して
わかりやすいキャラクターをもたせるものなので、
主人公は、「テレビの仕組み」と思って読んでも
よいのでは。

いろんな世界の小説を書いてほしい
作家です。
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No.7
(4pt)

ハゲタカ好きにはお勧め

読んで損はないと思います。ただ、イラクの人質事件の感情操作というくだりは、何度考え直しても違和感を感じました。単純に第一印象として、「行くなと言ったのに行って捕まった」その結果を引き受ける覚悟をしていたならまだしも、悪びれもせず助けろって…と思った記憶があります。強制的に行けなくしたら、それはそれで権力がどうのこうの騒ぐのでしょうし。まあ、それ自体が操作なのだと言われれば、精神分析よろしく反証のしようもないので、それ以上話は進みませんが…個人的にはあれは、政府の意図と常識的な正論がたまたま重なったのではないかと思えます。作品的には、中立的というか俯瞰した視点で書かれているので、権力の闇、テレビ局の闇などの記述が面白いですが、登場人物にはあまり感情移入できない感じがしました。「権力の監視」をモットーにするのもいいんですが、それは「目的」ではなく、民主主義が機能するための「手段」でしょうに。
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No.6
(4pt)

TV局放送免許の仕組み・ジャーナリストとは何かを知りたい時に読むといい本

TV局の、ジャーナリスとお笑い番組プロデューサーがそれぞれの、目指すものに向けて進んでいく話

○気に入った言葉○
・情報とは、情けに報いる事
・報道とは、道に報いて初めて報道と言える
・人類には、誰も敵わない笑いという武器がある。

○感想○
ハゲタカ同様、一気に読み込める(リズムがいい)

TV局放送免許の仕組み・ジャーナリストとは何かを知りたい時に読むといい本
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406275925X
No.5
(4pt)

テレビ局をめぐる権力闘争と情報操作を描く

超おもしろ小説「ハゲタカ」を書いた著者の本ということで、かなり期待した。
ハゲタカほどのおもしろさはないが、期待は裏切らない作品。
テレビ局ー広告代理店ー政治家ー官僚による、
情報操作と権力闘争が見事に描かれていて興味深い。

ただ題材とされているのがイラクで日本人3人が捕まった事件で、
政府が自衛隊派兵の責任を逃れるために、
被害者に自己責任論を押し付けたというくだりは、
違和感を覚えてしまうが、
まあそれはそれとして、権力や情報操作に負けず、
テレビの力を使って世の中をよくしていこうという、
2人のディレクターを描いている話はなかなかおもしろかった。
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No.4
(5pt)

放送業界は護送船団?

放送局は、自由な言論の砦をイメージしていましたが、この小説で、経営的には、昔の銀行業界と同じで競争の無いことで守られていることがわかりました。キー局がネット局の赤字を補填したり、赤字かくしのためのデリバティブ取引は、まるで、バブル崩壊の頃の銀行業界を髣髴させます。しかも、経営側が、未だにその事実に気づかないことには、滑稽さを覚えます。
 さて、ストリーは、政界、官界、金融界、3つどもえで展開します。かなりお勧めの物語です。ぜひ、いろいろの視点からお楽しみください。
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No.3
(4pt)

ハゲタカつながりで

NHKドラマ「ハゲタカ」の視聴率が平均7パーセントだったらしい。

それを踏まえて、テレビの前の視聴者のうち良識ある人のパーセンテージがそれである、と書いたコラムニストがいた。

正鵠を得ていると思う。

捏造や誤報でその質を糾弾されている時期だから余計に面白く読んだ。

もともと認可事業であり、スポンサーの影響に左右されるテレビ局に報道の質を求めるほうが難しいということがまざまざと語られる。

報道、バラエティ、総務省、広告代理店、政治家、財界すべてを巻き込んでドキュメンタリードラマの手法は相変わらずさえていると思う。

テレビを本当に楽しんで愛した人間たちが逃げ出していく昨今の問題点がここには列挙してある。

沈む巨大戦艦からすべての人々が下船する前に、放送局の中の人たちは今一度衿を正すべきだろう。

ところで、帯に経済小説と書くのはどうしてだろう。
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No.2
(4pt)

TVに対する不信感が高まった。

坂本弁護士一家殺害事件、イラク日本人拉致事件をモデルに

物語は進んでいきます。

物語的にはハゲタカ・バイアウトの方が個人的には好きですが、

メディアの公表する内容の影にどんな事情があるか、また、許認可事業と

いうものの弊害を考えることができました。

TVや新聞に対して、ほとんど信用していなかったのですが、

本書を読んで、不信感が高まりました。

羅生門のように真実に対しても見方は多岐にわたりますし、

TVや新聞などスポンサーが絡むと真実は見えませんね。
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406275925X
No.1
(4pt)

テレビ業界の問題に踏み込んだ良作

デビュー作の「ハゲタカ」が面白かったので、本書を読んだ。今回は、テレビ業界を舞台に、政や官との関係、報道のあり方、いい加減なファイナンスなどのメディア問題に踏み込んでおり、実態を踏まえつつ、「ハゲタカ」と同様にノンフィクションに近いフィクションの仕上がりになっている。若干取材が雑で、「ハゲタカ」と比べるとリアリティに欠ける部分もあり、作品の質が若干落ちるという印象だが、それはきっと「ハゲタカ」が面白すぎたからであり、この作品も水準以上の出来なのではないか。読んで損はないと思われる。
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