虚像の砦

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評判

虚像の砦の評価:

3.95/5点 レビュー 40件。 B ランク

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平均点3.95pt

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全24件 21〜24 2/2ページ
No.4
(2pt)

表題は『虚像の砦』否、『ハイエナ』(ハゲタカに文字って)が吉!

TVメディアの情熱と哲理を訴えるテーマでこの紙数の作品に
纏め上げた著者の構成力はまずまず評価します。

ただ、物足りなさとして、大手広告代理店や芸能界、警察、政界に
なんちゃら革命って、社会的公正を欠き蹂躙する影響力をほしいままに
しようとする某団体の描写が無かったこと。更には、架空ではあるが
違和感を覚えざるを得ない、自作自演を疑われたが実のところ純粋に
平和主義の実践者に過ぎなかったとされるイスラム戦地での
拉致被害者らだけが取材される側の唯一象徴の如くであったことは残念で、
もっといろんなケースの事象も絡めて登場させて頂きたかった。TV報道に
賭ける主人公風見の行動力は間違いなくカッコイイのだが。

文庫版の426項「大衆を躍らせた罰を請けているのかも知れない。視聴者を
小馬鹿にしていた俺達だって、彼らと大差の無いほどの愚か者だった事を
思い知らされているんだ。」の下りに至っては本書を壁に投げつける衝動を
直前で思い止まる程不快を催しもしたが、これはまんまと著者の思惑に釣ら
れたと解釈している。笑いを創り伝えるあなたは何様ですか?裏とって足で
真実を追って伝えることは純粋に賞賛され得ることですか?ただ口開けた
まま音響と映像演出に誘導されるだけが総視聴者の姿だとか勘違いも甚だしい!
って分かってて焚付けてんだよね読者を。

仮に風見みたいなカッコイイ報道の裏側の一件が現実に垣間見れても、
今はTV以外のマスコミが社会に浸透して、そこに共存を図り損ねて健全な
機能を果たせなくなっちゃってるのがTVの全貌。この作品に込められた美談は
業界人こそが読み噛み締め続けるべきTV報道の哲学で成就され辛い理想だと思った。

生産強化に踊り、狩猟採集から農耕定住生活を選択して村社会密集の
フラストレーションを近隣スキャンダルゴシップで解消しプライバシー
崩壊の代価を払い始めた大昔の頃から、人類はマスコミという
ハイエナ如き生業を手にしたってのが私のマスコミ原点への解釈。
他人の揚げ足とって金取ってるんだから見紛うことなくハイエナでしょ。
ハイエナにはハイエナなりのやりかた、哲理があるんですってくらい
気概を持って頑張って欲しいものです。現実の東京豚さんはだらしないね。

最近、にっぽん紀行「黒潮の海に今ふたり〜土佐 カツオ漁師〜」
ってNHK番組がすごく面白かった。
虚像の砦 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 虚像の砦 (講談社文庫)より
406275925X
No.3
(3pt)

基本的な考えにより感想は変わると思います。

ストーリーはよくできていますが、読む人を選ぶ作品だと思います。
作者流の善悪の定義をした上で話しが進んでいくので、終始違和感がありました。
作者の考えの理由付けも一部不十分な感じだと思います。
ですが、考えが作者と近い人が読めば非常にいい作品でしょう。
虚像の砦 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 虚像の砦 (講談社文庫)より
406275925X
No.2
(3pt)

プロレス上がりのアナウンサーのバカっぷり

私はテレビ番組製作業を営む会社に勤め、プロダクションマネージャーとして13年働いている。

そんな私が思うに、まあかなり良くできている話ではないかと思う。

テレビ局の営業担当の姿がないとか、代理店の影が薄いとか、今のテレビ局にこんなに気骨のある人がいるのかなあという疑問とか(ま報道局の人とは仕事したことないから実態は知らないけど)、

親子の会話が凄まじく不自然であるとか、お笑いプロデューサーと部下のディレクターの会話があり得ないくらい不自然で異常とか、

イラクがモデルの国を「イスラム共和国」というネーミングにするとか、アルジャジーラをメソポタミア放送とネーミングするとか、毎朝新聞という毎日新聞がモデルなのか朝日新聞がモデルなのかわからないようなべったべたなネーミングするとか凄まじいまでのセンスの無さ(あるいはステレオタイプなわかりやすさを示したかったのか?)とか、

そのくせヨルダンはヨルダンと実名を出しているアンバランスさとか、

報道局の37歳のディレクターが運転手付きの車で取材に行くなんていくら局とはいえそんな贅沢できるんですかい?とか、

まあいろいろと文句はあるけど、

まあ結局夜中の1時まで読みふけって一気読みしたので、面白かったんだろう。

それと、明らかに古舘伊知郎(がモデルとなっている数行だけ登場する人物)のことを問題外のバカと断言しているところに、著者の気概を感じる(大袈裟)。
虚像の砦 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 虚像の砦 (講談社文庫)より
406275925X
No.1
(3pt)

政治家や官僚がかわいく見えてしまう・・・?!

テレビ番組の作り手の視点から見た政治、社会、行政という設定。実際にあった宗教団体の弁護士一家殺害事件や某戦闘地域での邦人人質事件等を彷彿とさせる出来事をネタに話が進む。著者は大手新聞社記者出身という経歴のせいか、メディアの「正義」にどうも甘い。この小説を読むと、「現代社会で最も権力を有するのは結局メディアなのか?」という諦めとも絶望ともつかない思いにかられる。
政治家や大金持ちも個人、社長や次官もポストに過ぎず、いわば、期限付きの権力者だ。しかも所属と氏名、顔という個人性を表面に出した権力者だ。それに比べてメディアは、顔のない組織が、現代では最も威力を発する情報操作という「権力」で人の心や社会のシステムを動かしていく。その中にあって、マスコミ人が勘違いしてしまうのもむべなるかな。
メディアの報道は、所詮、つくりものだ。記者が取材した時点で既に「事実」は二次情報になり、視聴者や読者に届く頃には、無限のフィルターを通過し、しかも映像もコメントも切り貼り。今更と思いつつも、「報道」の必要性を考えてしまう。
この小説の中で、唯一救いなのは、バラエティ番組プロデューサーの「笑いを届けたい」という真摯な思いだ。案外、テレビ局の存在意義の本質は、今の世の中、バラエティやドラマという、完全な作り物にあるのかもしれない。
虚像の砦 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 虚像の砦 (講談社文庫)より
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