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影の王国
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影の王国の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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1939年7月14日、フランス革命150周年を祝っていたフランス人たちの気持ちは陰鬱だったに違いない。 戦争への不安の足音をまじかに聞きながらパリ祭を祝っていたフランス国民が、それから二ヶ月もたたない9月1日に、その不安を現実のものとして迎えることになってしまった。 誰もが戦争は回避できないと諦めていたが、とうとうヒトラー率いるナチスドイツとその同盟国だったスロバキアがポーランドへ侵攻を始めたからである。 続く9月17日ソビエトがポーランドに侵攻したため英仏がドイツに宣戦布告して第二次世界大戦へ突入していった。 何故ヒトラーのような怪物がドイツを率いるまでの地位になっていったのかを考えると、第一次大戦で連合国に負けたドイツへの連合国側の過酷な賠償要求が、その遠因だったと、今日多くの歴史学者などが指摘していることに間違いはない。 歴史は繰り返すを恐れて、独仏が中心になり欧州連合(EU)の絆を深め、その後懸案であった共通通貨(ユーロ)を導入して今日に至っているが、今、ギリシャの財政危機に始まる欧州金融危機を考えると歴史を繰り返すの軛から逃れることを急ぎすぎたのではないかと思うのは私だけだろうか。 本書は、暗雲立ち込める1938年から開戦間際までヒトラーに抵抗した一人のハンガリーのスパイの物語である。 ハンガリーという国のスパイという今までにない視点を読者に与え、開戦前の中東ヨーロッパの政治情勢を俯瞰できることが本書でのユニークさを感じさせてくれる。 暗い時代を迎えた当時のヨーロッパの都市の風景などを、肌で感じるような筆者の描写の妙に惹かれて最後まで読ませてもらった。 本書を読まれる方へ、第二次大戦前の欧州地図と大戦後の地図2枚を手元に置きながら読まれることをお勧めしたい。(欧州の地理が頭にある方には余計なお世話だと思いますが) | ||||
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