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天皇の代理人
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天皇の代理人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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日中戦争前夜から第二次大戦の終戦工作まで、元外交官が回想する昭和外交秘話スパイ小説風味であります。 時に開戦を回避するため、時に戦争を終わらせるため、諜報戦に身を投じる外務省のエージェント。いずれも歴史上の実話が題材ですが、真相を検証するというより、当時の国際情勢をもとにあったかもしれない裏舞台を空想してみる、という方向。歴史のIFでもこういう感じなら歓迎できます。 登場人物も実在の人物が多数登場しますが、中でもいかにも重要なキャラクターらしく登場しておいて知り合いに紹介状を書いただけで退場する白洲次郎に大笑い。 スパイ小説としてもミステリとしても全体に薄味ですが(第一話の密室殺人の真相なんて本格ミステリファンが読んだら壁に叩きつけます!)、それは読者に手にとってもらうためのとっかかりで、歴史に埋もれがちなエピソードを掘り起こしてみるのが作者の狙いか。 最後の最後で明かされる砂谷の正体がタイトルそのままなのはいかがなものか。他にどんなタイトルが相応しいかと問われても困るんですが。 | ||||
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昭和末期のとあるバーで,老人と一人の男がグラスを傾けつつ昔話を…という全四話. 多くが知るあの人物やあの出来事,その裏側を覗いたような歴史エンタテインメントで, 中心となる『代理人』も含め,本当にあった話かも?と思わせられるのがおもしろいです. また,昭和初期に始まる一話はミステリ調,そして世が第二次世界大戦へと突き進み, 敗戦濃厚から実際に敗戦となる中盤から幕引きまでは,緊張のスパイ活劇風となるなど, 時代の流れに沿って各話のスタイルや様子も変わり,最後まで飽きさせずに引っ張ります. このほか,最後の場面はあえて見せず,ほろ酔いのごとく余韻を漂わせるのも良かったです. ただ,バーでの昔語りという設定のせいか,物語での時間は遙か昔に飛んでいるのに, 語り手の視点がこちら(現代)にあるような語りには,興が冷めて残念に感じることも. このほか,カバーデザインや『そのまま』のタイトルは,もう少し何とかなったのでは…. | ||||
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つまらないの一言。 何が天皇代理人なのか意味が分からないままで読み終わりました。 | ||||
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戦前、戦中の外交史に絡めた推理物です。 テーマが非常におもしろく、小気味よいテンポで推理が進むので、 読みやすいです。小中学生でもストレスなく十分読める内容です。 個人的にはテーマがおもしろいだけにもっと深掘りして読みたかったという感想のため、 評価は「普通」にしました。 | ||||
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内容もミステリアスで、面白く読ませて頂きました。 本自体中古と思えぬほど、綺麗で満足致しました。 ありがとうございます。 | ||||
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歴史的事実とフィクションをうまく組合わせてあり,大変面白かった。次作に期待。 | ||||
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本書は、昭和の外交シーンを舞台に「天皇の代理人」と若き外務省キャリアの”相棒”がライトなミステリーごっこやスパイごっこを楽しむ短編集。”ごっこ”と書いた通り、本格的なミステリーやスパイものを期待するとガッカリする。あるいは、戦前・戦中の外交秘話を期待しても、著者が一生懸命にお勉強されたお歴々の名前こそ並ぶが、彼らがストーリーに絡むことはない。いわば、映画のカメオ出演だ。(たとえば、2作目に登場する辰巳という軍人が吉田茂に逆オルグされる下りだが、これは戦後に辰巳が吉田の下でどんな役割を担ったかを知らない者には、全く面白くないだろう。しかし、そうしたインテリジェントな愉しみは辰巳だけ。加瀬氏も和製シンドラーも使い捨てにしかなっていない。実に浅薄。) ストーリーについては、最初の話が佐分利公使ネタで、しかも、清張の作品を引きあいに出してきたことで、期待はした。しかし、そこが盛り上がりのピーク。後は、ラストの失笑モノの”種明かし”を含め、どこかで見たような聞いたような内容のデッドコピーばかり。 あと、名探偵と相方という役割の二人が出ると、条件反射的に「ホームズとワトソン」という評があるが、それはドイルに失礼だろうし、想像豊かに新たなコンビ像を描くべきミステリー作家達にも失礼だろう。少なくとも、本作のコンビにホームズの冴え渡る推理もワトソンの単なるツッコミ要員にとどまらぬ機微などは感じられない。むしろ、薫時代初期の相棒をダイレクトに思い出さざるを得ない類型的な描き込みと評するのが適切だろう。(そもそも、本書を「ミステリー」に分類すること自体、失当だろう) ここまで評しながらも、私は★を3つまでつける。その理由は、タイトルの通りの「浅さ」「あっさりさ」である。本書のカバー画がそうであるように、本作を「陸軍中野学校」のような昭和の活劇映画と思えば、本書の浅さ・あっさりさは、大変にありがたい。正月の馳走で酔った頭でウトウトしながら読み進められる上に、くだらんコントのように五月蠅くもないので、大変ありがたかった。 あと、本書は、ラストまでの構成上、パート2が作り難い形になっている。よい判断だろう。 | ||||
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第二次大戦をめぐる外交秘話を軸に、虚々実々の諜報戦と2人の日本人外交官の快刀乱麻の活躍を描いた連作集。元となった史実も含め、興味深くかつ面白く読みました。(出来からいうと、私見では第四話がベスト。) 元となった史実は以下のとおり: ・1929年の佐分利貞男公使変死事件 ・1936年の日独防共協定をめぐる吉田茂(親英米派)と大島浩(親独派)の対立 ・1941年の松岡洋右外相訪独時のナチ・ドイツによる参戦勧奨工作 ・1945年の藤村義一(義朗)海軍中佐によるスイスでの終戦工作 「こうして、私は、砂谷と最後の対面をなした。それっきり、彼とは会っていない」(235頁) なお、巻末の参考文献リストにある松本清張の『昭和史発掘』第三巻(文春文庫、1978年)について、「佐分利公使の怪死」が収録されているのは、現在では『同 新装版』の第二巻(2005年)です。公使の写真も載っていますが、何かとても自殺されるような方には見えませんでした。 | ||||
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「書物狩人」シリーズでも、日本のエンターテイメントでは目にしない西欧史や国際政治の薀蓄で、読者を楽しませてくれた(さすが元史学者!)赤城氏の今までとは毛色の違うリアリティのあるミステリの連作長編。 帯で紀伊国屋書店員の方が言ってるように、岡本綺堂の三浦(半七)老人を彷彿させる老紳士が語る、戦前の日本の外交官コンビが関わった史実の裏にある諜報戦謀略の数々の物語です。 各国の思惑が絡んだ複雑怪奇な謀略を先手先手をとって飄々といなす謎の主人公、砂谷と若き直情漢、津村のコンビが魅力的です。 各話章題や主人公コンビのやり取りもホームズワトソンを意識させますが、 岡本綺堂、ホームズに関しては作中にも話がでてくるので、意識したオマージュですね。 両作品のファンには嬉しいかぎりです。 太平洋戦争に関して、結局外交の数々は無駄に終わったわけですが、戦後で締めくくられ昭和末期に物語られるこの作品は読後感が良いのも魅力です。 惜しむらくは、タイトルで盛大にネタバレしてること。これはなんとかならなかったのでしょうか・・・。 | ||||
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評者は、歴史、特に外交史はマニアの域に達していると自負している。しかし、ミステリーに関してはファンではあるが、詳しいというほどではない。だから、過去に外交官が事件を解決していく「外交官探偵」が活躍する作品があったか否かを残念ながら知らない。しかし、過去に外交官探偵の前例があったとしても、本書がミステリーと歴史小説の結節点として、傑作であるということは間違いないと思う。日本外交の重要な分岐点になると登場する外務省嘱託で特命全権大使と同等の権限を持つ謎の人物砂谷。そして、砂谷に巻き込まれながらも、一緒に事件を解決する若手外交官津村。二人が挑むのは外交史の暗部に横たわる今日の学界でも謎が多いとされている事件であり、外交史研究者としての筆者の筆が冴える。ミステリーファンには自信をもってお勧めするが、太平洋戦争に至る日本外交の歴史に興味をお持ちの方にも楽しめる書として、多くの読者に推薦したい。昭和末期に老齢の域に達した津村が筆者に過去の経験を語るというスタイルだが、昭和末期、つい先日のようでいて何時の間にか20年以上も前の景色の描写も何とも心地よい。 | ||||
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