ミステリアス・セッティング

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ミステリアス・セッティングの評価:

3.73/5点 レビュー 15件。 C ランク

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平均点3.73pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全30件 21〜30 2/2ページ
No.10
(3pt)

変な小説

 ストーリーはヘンテコだがわかりやすく、読みやすい作品。後半は何度か吹き出してしまうような可笑しさ(自称ポルトガル人のマヌエルだとか、スーツ型核爆弾を受け取ってしまった主人公が本気でうろたえている所だとか)があって面白かった。
 しかし、それにしても阿部和重という作家がこういう作品を書くと、何となくその意図を深読みしたくなってしまう。それとも発表形式も雑誌連載という形ではないし、このヘンさは作者の遊び心というものだったのだろうか。
 私は、「純粋な少女」「自己犠牲」「世界の破滅の危機」だとか幾つかのサブカル的なポイントを意識的に配置して、一種スカスカした感動ストーリーを作り出す、というような作者の悪意も含んだ意図すら感じられるような気がする。あるいは、語り手の老人が語っているのは舞台の2011年よりもさらに何十年も後の日本であるはずだから、「未来のリアリティー」というのはこういうもので、現在の私たちには一種の違和感を与えるものなのだ、ということなのかもしれない。ともかく、私はこの物語を真面目に受け取ることはできなかった。
 しかし、やはりあっという間に読み終わるくらいに面白かったから、あまり野暮な詮索はやめた方が良いのかもしれない。
 
ミステリアスセッティング Amazon書評・レビュー: ミステリアスセッティングより
4022502444
No.9
(3pt)

変な小説

 ストーリーはヘンテコだがわかりやすく、読みやすい作品。後半は何度か吹き出してしまうような可笑しさ(自称ポルトガル人のマヌエルだとか、スーツ型核爆弾を受け取ってしまった主人公が本気でうろたえている所だとか)があって面白かった。
 しかし、それにしても阿部和重という作家がこういう作品を書くと、何となくその意図を深読みしたくなってしまう。それとも発表形式も雑誌連載という形ではないし、このヘンさは作者の遊び心というものだったのだろうか。
 私は、「純粋な少女」「自己犠牲」「世界の破滅の危機」だとか幾つかのサブカル的なポイントを意識的に配置して、一種スカスカした感動ストーリーを作り出す、というような作者の悪意も含んだ意図すら感じられるような気がする。あるいは、語り手の老人が語っているのは舞台の2011年よりもさらに何十年も後の日本であるはずだから、「未来のリアリティー」というのはこういうもので、現在の私たちには一種の違和感を与えるものなのだ、ということなのかもしれない。ともかく、私はこの物語を真面目に受け取ることはできなかった。
 しかし、やはりあっという間に読み終わるくらいに面白かったから、あまり野暮な詮索はやめた方が良いのかもしれない。
 
ミステリアスセッティング (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ミステリアスセッティング (講談社文庫)より
4062765772
No.8
(5pt)

これまでの著作に比べると「女子向け」

阿部和重さんがはじめて女の子が主人公の小説を書きました。
彼女は吟遊詩人を夢見る、
動物が大好きな純粋無垢な女の子。
この作品の存在は、
女性の阿部和重ファンにとってはとても嬉しいはず!
これまでとは比べ物にならないほど「女子向き」です
そのせいか、
今までの阿部作品にはない繊細さと優しさがありました。
主人公のシオリはどんなに過酷な状況に置かれても、
決して人を恨むということをしない。
むしろそういった発想を持たない。
彼女が悲しい思いをしてしまうのは、
純粋さ故に人を信じすぎて、人に利用されてしまうから。
汚れのなさが自らを不幸へ追い込んでしまう・・・。
最後の彼女の選択は本当に彼女らしすぎて呆れちゃうほどだけど、
でも私はこんな生き方しかできなかったバカなシオリが大好きです。
後半はスーツケース爆弾なんて物騒なものが彼女を翻弄し、
どんどん破滅へと向かっていくのだけれど、
ラストは穏やかで美しかったなぁ
シオリの悲痛だけど優しい泣き声が耳に届いてきそうで・・・。
ただし、ちょっと気になったのは
他の阿部作品より明らかに「読みやすい」こと。
大爆笑とはいかないけれど、
読者が思わずニヤリと薄い笑みをこぼしてしまうような
独特の堅苦しい言い回しが今回はあまり感じられない。
主人公が純真無垢な少女だから
あえて堅苦しさのない書き方をしたのかもしれない。
作品の世界観を考えればこれで正解なのかもしれないけど、
コアな阿部ファンとしては少し物足りなさも感じました。
ミステリアスセッティング Amazon書評・レビュー: ミステリアスセッティングより
4022502444
No.7
(5pt)

これまでの著作に比べると「女子向け」

阿部和重さんがはじめて女の子が主人公の小説を書きました。
彼女は吟遊詩人を夢見る、
動物が大好きな純粋無垢な女の子。
この作品の存在は、
女性の阿部和重ファンにとってはとても嬉しいはず!
これまでとは比べ物にならないほど「女子向き」です
そのせいか、
今までの阿部作品にはない繊細さと優しさがありました。
主人公のシオリはどんなに過酷な状況に置かれても、
決して人を恨むということをしない。
むしろそういった発想を持たない。
彼女が悲しい思いをしてしまうのは、
純粋さ故に人を信じすぎて、人に利用されてしまうから。
汚れのなさが自らを不幸へ追い込んでしまう・・・。
最後の彼女の選択は本当に彼女らしすぎて呆れちゃうほどだけど、
でも私はこんな生き方しかできなかったバカなシオリが大好きです。
後半はスーツケース爆弾なんて物騒なものが彼女を翻弄し、
どんどん破滅へと向かっていくのだけれど、
ラストは穏やかで美しかったなぁ
シオリの悲痛だけど優しい泣き声が耳に届いてきそうで・・・。
ただし、ちょっと気になったのは
他の阿部作品より明らかに「読みやすい」こと。
大爆笑とはいかないけれど、
読者が思わずニヤリと薄い笑みをこぼしてしまうような
独特の堅苦しい言い回しが今回はあまり感じられない。
主人公が純真無垢な少女だから
あえて堅苦しさのない書き方をしたのかもしれない。
作品の世界観を考えればこれで正解なのかもしれないけど、
コアな阿部ファンとしては少し物足りなさも感じました。
ミステリアスセッティング (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ミステリアスセッティング (講談社文庫)より
4062765772
No.6
(5pt)

大きな世界観

敬愛する作家の最新作。本書も物語としても良質であります。日常の生活感から物語は広がり、やがて大きな世界へと繋がっていく。本書の主人公のシオリとその大きな世界との繋がりは誰も知らない。結果をしったストーリテラーが独りいるだけだ。しかしながら本書のシオリの日常の描写はつらさ、悲しさが切実にせまってくる。後半の物語とのギャップが凄い。日常から、非日常。日常の感覚は我々も生活しているので本当にこんなことがあったら辛いだろうなーという感覚を共有できるが、後半の世界観はまるで棒高跳びで日常を超えてきた感覚に襲われる。しかしながらその感覚は「無理だろ」というものではなく、「しっくり」くるものである。破綻していないのである。その大きな世界観は彼独特のものである。他のレビューでもあったが、本書は凄く「読みやすい」。その分だけ彼の世界観を知りたい人の「入門書」となりえる書であると思う。今日は山形県天童市でサイン会。あー楽しみ。
ミステリアスセッティング Amazon書評・レビュー: ミステリアスセッティングより
4022502444
No.5
(5pt)

大きな世界観

敬愛する作家の最新作。本書も物語としても良質であります。日常の生活感から物語は広がり、やがて大きな世界へと繋がっていく。本書の主人公のシオリとその大きな世界との繋がりは誰も知らない。結果をしったストーリテラーが独りいるだけだ。しかしながら本書のシオリの日常の描写はつらさ、悲しさが切実にせまってくる。後半の物語とのギャップが凄い。日常から、非日常。日常の感覚は我々も生活しているので本当にこんなことがあったら辛いだろうなーという感覚を共有できるが、後半の世界観はまるで棒高跳びで日常を超えてきた感覚に襲われる。しかしながらその感覚は「無理だろ」というものではなく、「しっくり」くるものである。破綻していないのである。その大きな世界観は彼独特のものである。他のレビューでもあったが、本書は凄く「読みやすい」。その分だけ彼の世界観を知りたい人の「入門書」となりえる書であると思う。今日は山形県天童市でサイン会。あー楽しみ。
ミステリアスセッティング (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ミステリアスセッティング (講談社文庫)より
4062765772
No.4
(3pt)

2011年 電気羊は夢を見る

阿部和重がこんなにストーリーテーラーだったとはと。といのが第一印象。
驚きの小説です。昔からの阿部ファンには賛否両論分かれそうな
内容ですが、グランドフィナーレにあった優しさみたいな部分が本書では満開な気がしました。途中からスパイ小説の様な感じですが、ある意味ひとつの夢。
ひねくれ男が見た一夜の夢の中の出来事のような感じかな。。
個人的にはたくさんの人に読んでほしいです。感動するもよし、阿部さんの作風が変わった?と思うもよし。映画1本見るよりこちらを是非!
(最初はどうして今こういう小説なんだろうと思いましたが,あまり深く考えない方がいいのかもしれませんね。)
ミステリアスセッティング Amazon書評・レビュー: ミステリアスセッティングより
4022502444
No.3
(4pt)

世界の片隅で騙る?

異様な音痴であるということに内向し、まるで『白痴』のムイシュキンのように他人を信じて止まないために騙されて金をせびられてしまう主人公の少女は、やがて世間の底辺に近いところを這い回るように生活する。そして、ある出会いの過程で世界の明日を左右する「危険物」を持たされてしまう。その処理をどうするか? これらは、とある公園でのとある老人の語るお話と言う設定であり、語りは騙りに通じる入れ子の構造になっている。しかも、これらはメールによってその少女から、少年だった老人に伝えられるという結構。
限りなく閉じてゆく世界で少女が最終的に自ら選び取ったのは、自己犠牲による世界の救済である。この物語から何を読み取るかは各人に任されているのは当然のこと。緩い文体が、後半から意外な迫真力を帯びだして一気に読ませる。『シンセミア』では、前半の物語の大きさが次第に力を失って通俗に走っていたのとは違い、この作品では小さなトラウマ物が巨きな問いを投げかけているように思った。これは世界の片隅で世界の為に戦う少女の物語(騙り)。
ミステリアスセッティング Amazon書評・レビュー: ミステリアスセッティングより
4022502444
No.2
(3pt)

2011年 電気羊は夢を見る

阿部和重がこんなにストーリーテーラーだったとはと。といのが第一印象。
驚きの小説です。昔からの阿部ファンには賛否両論分かれそうな
内容ですが、グランドフィナーレにあった優しさみたいな部分が本書では満開な気がしました。途中からスパイ小説の様な感じですが、ある意味ひとつの夢。
ひねくれ男が見た一夜の夢の中の出来事のような感じかな。。
個人的にはたくさんの人に読んでほしいです。感動するもよし、阿部さんの作風が変わった?と思うもよし。映画1本見るよりこちらを是非!
(最初はどうして今こういう小説なんだろうと思いましたが,あまり深く考えない方がいいのかもしれませんね。)
ミステリアスセッティング (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ミステリアスセッティング (講談社文庫)より
4062765772
No.1
(4pt)

世界の片隅で騙る?

異様な音痴であるということに内向し、まるで『白痴』のムイシュキンのように他人を信じて止まないために騙されて金をせびられてしまう主人公の少女は、やがて世間の底辺に近いところを這い回るように生活する。そして、ある出会いの過程で世界の明日を左右する「危険物」を持たされてしまう。その処理をどうするか? これらは、とある公園でのとある老人の語るお話と言う設定であり、語りは騙りに通じる入れ子の構造になっている。しかも、これらはメールによってその少女から、少年だった老人に伝えられるという結構。
限りなく閉じてゆく世界で少女が最終的に自ら選び取ったのは、自己犠牲による世界の救済である。この物語から何を読み取るかは各人に任されているのは当然のこと。緩い文体が、後半から意外な迫真力を帯びだして一気に読ませる。『シンセミア』では、前半の物語の大きさが次第に力を失って通俗に走っていたのとは違い、この作品では小さなトラウマ物が巨きな問いを投げかけているように思った。これは世界の片隅で世界の為に戦う少女の物語(騙り)。
ミステリアスセッティング (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ミステリアスセッティング (講談社文庫)より
4062765772