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(短編集)

落下する緑



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【この小説が収録されている参考書籍】
落下する緑 永見緋太郎の事件簿 (創元クライム・クラブ)

落下する緑の評価: 4.27/5点 レビュー 11件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.27pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(3pt)

鮎川哲也氏絶賛云々はあまり真に受けないほうが良い

天才サックスプレーヤーを探偵役にした連作短編集で、ジャズはビバップ辺りまでしか聞かない私でも雰囲気は楽しめた。ただミステリとしては弱く表題作を始めとしてトリック的なものはすぐに分かってしまうものが多い。一番良いと思ったのは「遊泳する青」でこれもトリック的なものはすぐに分かるが最後にやられた。次点は「砕けちる褐色」、ストラディバリウスなどの弦楽器が経年変化で音が良くなるのは共鳴する胴部分が硬質化するから(硬質化がピークに達すると以後は劣化する)と言われており、作中の部分の描かれたような変化で音が良くなるとは考えにくいのだが、アイディアとしては面白い。
落下する緑 永見緋太郎の事件簿 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:落下する緑 永見緋太郎の事件簿 (創元クライム・クラブ)より
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No.10:
(5pt)

品質の良い古本でした

グラシン紙できれいに包装されていて、満足です。
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No.9:
(4pt)

勧善懲悪で後味が良く、ジャズ愛に溢れた熱いエンタメ作

駄洒落小説の大家らしからぬデビュー作。誰に見せても恥ずかしくないまともな作品を書いていたとは思わなかったが、決して凡庸ではなく、ジャズ愛に溢れた熱いエンタメ作である。若き天才テナーサックス奏者が探偵役だが、連作に共通した要素としてわかり易い悪者を配して勧善懲悪で書いている事が挙げられる。これも田中啓文らしからぬ事ではあるが、エンタメ作として後味の良い作品になっていると思う。又1カ所だけくだらない脱力系の駄洒落があってオイオイと思ったが、探してみるのも一興か。私のように全く関心のない人間でも、ジャズを聞いてみようかと思わせる作品でもあった。
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No.8:
(5pt)

著者の人柄が伝わってくる さわやかな一冊

普段、あまり本を読まないのですが、「落下する緑」と「真鍮の虫」をネットで買って 一気読みしました。
特に「ー緑」からは、著者の 人間と音楽と落語 に対する愛が伝わってきました。
推理ものって割と好きなんですけど、人間の悪いところとか、悲しいところ、どうしようもないところを抉る内容になりがちなので、余韻が重いのがどうもね。 この本は読後感 さわやかです。
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No.7:
(5pt)

探してました

この作品探してました。状態もよくてありがたかったです。また、何かありましたら、よろしくお願いします。
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No.6:
(5pt)

無理のない推理

ジャズの「ジャ」の字もわからない私でも、十分楽しめました。スウィングだとかバッキングだとか、その言葉だけではイメージしにくい音楽の要素も気にならないくらい、構成がしっかりしている、ということなんでしょう。

 こういった”日常の謎”系のミステリは、ともすれば、それはちょっと強引じゃないか!?と思うような突拍子もない推理が出てきたりする。いくら主人公が安楽椅子探偵だからといって、それは論理が飛躍し過ぎ、と思うと、結論にも少し納得がいかない、などということもある。しかし本作は、そこまでぶっ飛んではいないながらも、やはり読者ではきちんと筋道立てて結論にたどり着けない、というところで、無理のない推理が展開されている点が安心して読んでいられた。

 音楽、というよりジャズ以外に興味のない主人公、永見緋太郎の変人ぶりも、天才肌の人間というのはこういう感じなのかな、と好感が持てた。一緒に活動する人たちはさぞかし大変だろうが。

 なにはともあれ、次の作品を読むのも楽しみだ。
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No.5:
(4pt)

肩の力を抜いて読める。

 余計なこと考えずすいすい読める。後味のよい作品。
 続編も出ているようだから読んでみようと思う。
 個人的にはお勧めCD紹介はなくてもよかった。
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No.4:
(4pt)

ジャズと犯罪

 2005年に出た単行本の文庫化。7本の短篇が収められている。
 実は田中氏のデビュー作は鮎川哲也編『本格推理2』に採用された「落下する緑」であった。しかし、デビュー後はジュヴナイル作品へと進んでしまったため、「落下する緑」に登場する名探偵・永見緋太郎もずっと忘れられていた。ところが、2003年に『ミステリーズ!』で連載する話が持ち上がり、奇跡の復活を遂げたのである。
 永見はテナーサックス奏者。ジャズ界を舞台にしたミステリとなっており、ストーリーも音楽、楽器、コンサートを扱ったものが多い。著者の趣味の世界でもあり、凝ったディテールが面白い。
 ミステリとしては、いまいち。「揺れる黄色」のトリックが素晴らしいが、あとはちょっと・・。がくっと脱力してしまうような結末も少なくない。ただし、物語としてはどれもハイレベル。ひねりがあり、人間ドラマがあり、ジャズの魅力が伝わってくる。
 田中氏に特有のギャグとグロは控えめで、初心者でも安心して読める。
 おすすめのレコード紹介も。
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No.3:
(4pt)

田中啓文の「日常の謎」系本格

田中啓文が「日常の謎」系本格を書くというと、何か意外な感じがします。実際編集者からこの本の依頼があった時、
1.グロ
2.ギャグ
3.駄洒落
を禁止されたそうです。1.はおおむね抑制されていて、2.もかなり我慢しているようですが、さすがに3.の禁止則までは守りきれなかったようです。ともかく、編集者氏と作者のがんばりのおかげで、家族の目に触れても支障がない、誰かに勧めても白い眼で見られることを恐れなくてもいい、そんな(田中作品としては珍しい)一冊になっています。
筋立てとしては、ずーじゃもといジャズのテナーサックス奏者が探偵、バンマスのペット奏者がワトソン役になって、バンドの周囲におこる「日常の謎」を解いていくというシリーズです。それ以外は普通の本格ものですが、舞台が舞台だけに、それなりにアレな登場人物が出てきますから、飽きません。おまけに解説はなんと山下洋輔!
ジャズを知らなくてもついていけますが、ジャズを知っているともっと楽しめ、楽器の経験があるともっともっとおいしく読めるでしょう。本人が謎のテナー奏者なので、探偵もテナー吹きなのでしょうが、次はボントロ奏者を肴にしてくださいな。
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No.2:
(3pt)

すっきり、後味よろしいかと思います

ジャズバンドの一流のトランペット使いが語り手、同じジャズバンドの浮世離れした、若きサックスプレイヤーが、探偵役となり、出会ういろいろな意見を解決していく話です。7編の短編です。音楽の世界(楽器が壊れた)、絵画の世界(展示会での珍事件)、小説の世界(幻の原稿)など、芸術界で起こる不思議な事件を扱ったものです。
語り手と主人公が、ジャズマンであるためか、ジャズのシーンが沢山出てきます。
知っていたら楽しいだろうな、、という印象ですが、知らなくても、熱気みたいなものが伝わってきました。
悲惨な事件が少ないためか、探偵役のキャラクターのためか、あっさりして、読んだ後気分よかったです。目を見張るトリックとかはないですが、安心して読める本でした。
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No.1:
(5pt)

直木賞候補に名前が出る日も近いかも。

著者のデビュー作である「落下する緑」をはじめ、「揺れる黄色」「反転する黒」「遊泳する青」「挑発する赤」「虚言するピンク」「砕け散る褐色」と、全てが色繋がりのクールな題を持つ連作。『音楽ミステリー』という、いかにもありそうでなかったジャンルを打ち立てることに著者は本作で大成功している。ここまで見事にジャズとミステリーが融合するとは。音楽に詳しくない人でも、文章に確かな表現力を持つ著者の華麗な演奏描写を読んでいるだけで心地いいはず。もちろん物語として読んでもかなりの完成度。特異な魅力を持つある一人の人間を、語り部である主人公が描写するという手法、そして最後に残る爽快感や温かみは伊坂幸太郎にも通じるものがある。必読です。
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