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小さな嘘つき



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【この小説が収録されている参考書籍】
小さな嘘つき

小さな嘘つきの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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(8pt)

嘘をついた若い女性は、なぜ救われるべきなのか?

ゴンクール賞をはじめ、いくつかの文学賞にノミネートされたというフランス人法廷ジャーナリストの長編小説。嘘をついて他人を犯罪者と名指しした若い女性を救うために奮闘する女性弁護士の活躍を描いた法廷エンタメ作品である。
15歳の時に強姦事件の被害を訴え、加害者を拘束させたリザ。5年後に開かれた裁判で加害者マルコに10年の刑が言い渡されたのだがマルコが控訴した。このため、リザは控訴審では女性の弁護士に依頼したいと弁護士アリスのもとを訪れた。誰もが心を許す若くかよわい少女・リザと複数の前科持ちの32歳の塗装工・マルコ、簡単に結論が出ると思われたのだが、リザが「自分はレイプされてない。嘘を吐いた」と告白し、アリスは驚愕する。リザはなぜ嘘を吐いたのか、拘束されていたマルコを釈放させることはもちろん、さらにリザの立場を守るために、アリスは事件だけに囚われない、社会を告発する弁論を組み立てた…。
刑事裁判を中心にした法廷ミステリーであるが、メインは弁護側と検察側の丁々発止の論戦ではなく、アリスの弁論の組み立てにある。男性中心の性差別意識やレイプカルチャーに対するアンチテーゼが力強い。さらに文末の弁護士による解説もわかりやすくて説得力がある。
今の社会が直面する課題を真剣に捉えた法廷エンタメ作品であり、ミステリーファン以外にもオススメしたい。

iisan
927253Y1

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