小さな嘘つき



    ※タグの編集はログイン後行えます

    【この小説が収録されている参考書籍】
    小さな嘘つき
    (違う表紙に投票したい場合もこちらから)

    オスダメ平均点

    8.00pt (10max) / 1件

    8.00pt (10max) / 1件

    Amazon平均点

    4.00pt ( 5max) / 1件

    みんなの オススメpt
      自由に投票してください!!
    1pt
    サイト内ランク []B総合:1109位
    ミステリ成分 []
      この作品はミステリ?
      自由に投票してください!!

    0.00pt

    71.00pt

    42.00pt

    0.00pt

    ←非ミステリ

    ミステリ→

    ↑現実的

    ↓幻想的

    初公開日(参考)2025年06月
    分類

    長編小説

    閲覧回数1,967回
    お気に入りにされた回数0
    読書済みに登録された回数1

    ■このページのURL

    ■報告関係
    ※気になる点がありましたらお知らせください。

    小さな嘘つき

    2025年06月18日 小さな嘘つき

    五年前の強姦事件の被害者リザは控訴審の弁護をアリスに依頼した。アリスが調査を進めると、当時15歳のリザの嘘により誤審が下ったことが判明する。嘘をつかざるを得なかった少女の痛み、社会の偏見により歪む司法……法廷記者の著者が放つ繊細な倫理の物語(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

    小さな嘘つきの総合評価:8.00/10点レビュー 2件。Bランク


    ■スポンサードリンク


    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

    新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
    (8pt)

    嘘をついた若い女性は、なぜ救われるべきなのか?

    ゴンクール賞をはじめ、いくつかの文学賞にノミネートされたというフランス人法廷ジャーナリストの長編小説。嘘をついて他人を犯罪者と名指しした若い女性を救うために奮闘する女性弁護士の活躍を描いた法廷エンタメ作品である。
    15歳の時に強姦事件の被害を訴え、加害者を拘束させたリザ。5年後に開かれた裁判で加害者マルコに10年の刑が言い渡されたのだがマルコが控訴した。このため、リザは控訴審では女性の弁護士に依頼したいと弁護士アリスのもとを訪れた。誰もが心を許す若くかよわい少女・リザと複数の前科持ちの32歳の塗装工・マルコ、簡単に結論が出ると思われたのだが、リザが「自分はレイプされてない。嘘を吐いた」と告白し、アリスは驚愕する。リザはなぜ嘘を吐いたのか、拘束されていたマルコを釈放させることはもちろん、さらにリザの立場を守るために、アリスは事件だけに囚われない、社会を告発する弁論を組み立てた…。
    刑事裁判を中心にした法廷ミステリーであるが、メインは弁護側と検察側の丁々発止の論戦ではなく、アリスの弁論の組み立てにある。男性中心の性差別意識やレイプカルチャーに対するアンチテーゼが力強い。さらに文末の弁護士による解説もわかりやすくて説得力がある。
    今の社会が直面する課題を真剣に捉えた法廷エンタメ作品であり、ミステリーファン以外にもオススメしたい。

    iisan
    927253Y1
    新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.1:
    (4pt)

    #MeeTooの持つ"Vulnerability"とその複雑さ

    主人公は、弁護士、アリス。彼女は性被害者、リザ・シャルヴェから自分の男性弁護士を女性に変えたいので弁護を引き受けてほしいと依頼を受けます。
     五年前、リザ・シャルヴェが中学の四年生だった時、塗装工、マルコ・ランジュが彼女への強姦の罪で訴えられ、既に被告人には判決が下され、十年の刑期が言い渡されていました。その後、無実を主張する被告人が控訴し、控訴審が四ヶ月後に控えていました。その当時、マルコは三十二歳、リザは十五歳でした。
     アリスは、特に難しい事件だとは思わずに弁護を引き受けることになります。一審の刑期は十年。(私はフランスの法制度を理解しているわけではありませんが、真っ先に想起したのは2024/2月に見た「落下の解剖学」(監督:ジュスティーヌ・トリエ)の法廷シーンでした。)
     アリスが関係者に会い、再調査していく中、その少女に対する強姦事件には一つの小さいとは言えない「嘘」が含まれていることを知らされることになります。本書はスリラーとは言えませんので、より詳しく書くこともできそうですが、リリースされたばかりの段階ではまあ、やめておきましょう(笑)。
     その小さいとは言えない「嘘」によって事件がまわり舞台のようにくるりと反転するわけですが、そこには国を問わず、現代が抱える大きな問題が暴露されています。
     本書は、<何も言うことができなかった>状況を打破すべく何かを言うことの困難さと延々と続いてきた悪辣な<男社会>の正体を語りながら、それでも尚打破しきれない#MeeTooの持つ"Vulnerability"とその複雑さについてを或る種の希望に向かって描写していると言っていいのかもしれません。少し歯切れの悪い言い方になってしまいました。
     この時代まで、多くの状況に応じて"男たち"は何らか悪辣なパワーを当たり前のように行使してきた可能性が否定できないと思えるからでしょう。いずれにしても、そんなことはもうやめにしなければいけません。
     ◻︎「小さな嘘つき "LA PETITE MENTEUSE"」(パスカル・ロベール=ディアール 早川書房) 2025/6/21。
    小さな嘘つきAmazon書評・レビュー:小さな嘘つきより
    4152104341



    その他、Amazon書評・レビューが 1件あります。
    Amazon書評・レビューを見る     


    スポンサードリンク