オススメ?ダメダメ? 推理小説(ミステリ)について読書管理や感想を書いていく書評サイトです。 はじめての方はこちらからどうぞ。 サイトの要望はこちらからどうぞ。
2026年度雑誌ランキング
会員機能
その他
テスト稼働中自由に遊んでみてください!
【伊坂幸太郎】
【この小説が収録されている参考書籍】
【この小説が載っている参考書籍】
魔王の評価:
6.89/10点 レビュー 9件。 C ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです
平均点6.89pt
絞込み:
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
大洪水に流されない1本の立ち木になれるのか?
3年後に発売された「モダンタイムス」と合わせて「魔王」シリーズと呼ばれる作品。2004年と05年に雑誌掲載された2本の連作を合わせた、社会派エンターテイメントの中編集である。両親を交通事故でなくし、学生時代から理屈っぽいと言われてきた兄と直感型の弟の兄弟二人で暮らす安藤兄弟。前半の「魔王」は兄が主人公で、後半の「呼吸」は5年後の弟が主人公である。2作品に共通するテーマは、社会の流れが大きく変わろうとする時、個人に何が出来るのか、である。現実の日本の政治状況に限りなく近いフィクションの世界で、ファッショ化する国を動かして行くのが誰なのか、どんな思想や意思、あるいは無意識、無関心なのかを超能力というファンタジーを使いながら解き明かして行く。もちろん完全なフィクションであり、特定の政治的な視点に基づくものではない。ただ、時代の気分という大洪水(ファシズムへの道)に遭遇したとき、それに気が付き、自分の考えで行動できるかどうかが要点であるということは書かれている。これは、他の伊坂幸太郎作品にも共通する視点である。極めて現代性を帯びた社会派エンターテイメントとして、多くに人にオススメしたい。
魔王の感想
面白かったのですが、なんだか物足りない幕引き。きっと、作者なりのイメージをもってエンディングにしたのだと思いますが、今ひとつ伝わってきません。モダンタイムスも読んでみます。
安藤兄弟は不思議な力を持っています。しかし、その力の種類と使い道は全く違う。それぞれを主人公にした2編の作品が入っていますが、弟の話の方が好きでしたね。兄の話の方がスッキリ終るし、他作とのコラボも良い感じ。でもトーンが重いし暗い。弟の方は良く分からんまま進み、そのまま尻切れぎみですが、明るい。SF的設定でミステリーっぽく無いですが、伊坂作品にしては気に入りました。おススメします。
「政治への無関心に対する警告」、もっと巨視的に言うと「流されず自分の考えで判断する事の大切さ」がテーマかと思います。不景気だったり失業率が過去最高を記録したりと不安だらけで先行きの見えない社会情勢を打破するべく登場したカリスマ政治家・犬飼。ムッソリーニに比喩される彼の元、大衆は一斉に同じベクトルを示し大きな流れを生み出す。超能力を有する兄弟が、そんな状況に不安、疑問を感じ、立ち向かっていくという物語。その超能力ですが、それを武器に、破茶目茶に大暴れする訳ではなく、兄が「他人に自分の意図通りの事を話させる腹話術」、弟が「10分の1以下の確率勝負に必ず勝利する」という、巨大な流れに対し一個人が何ができるのかと考えた時に如何にもショボイのですが、これが何とも伊坂氏らしい。持っている能力も違うが、同じ方向を向きながらも、兄が「考える人」、弟が「考えない人」と、取り組み方が正反対なのも面白い。また、安藤に相反する考えの持ち主として、ドゥーチェという店のマスターを登場させているが、二人の会話を通して数多くの伊坂語録を登場させます。中々読み応えがあります。 ▼以下、ネタバレ感想
なかなかに引き込まれる感じです!兄から弟に意志が受け継がれてるところはいい話でした。 ▼以下、ネタバレ感想
3年後に発売された「モダンタイムス」と合わせて「魔王」シリーズと呼ばれる作品。2004年と05年に雑誌掲載された2本の連作を合わせた、社会派エンターテイメントの中編集である。
両親を交通事故でなくし、学生時代から理屈っぽいと言われてきた兄と直感型の弟の兄弟二人で暮らす安藤兄弟。前半の「魔王」は兄が主人公で、後半の「呼吸」は5年後の弟が主人公である。2作品に共通するテーマは、社会の流れが大きく変わろうとする時、個人に何が出来るのか、である。現実の日本の政治状況に限りなく近いフィクションの世界で、ファッショ化する国を動かして行くのが誰なのか、どんな思想や意思、あるいは無意識、無関心なのかを超能力というファンタジーを使いながら解き明かして行く。もちろん完全なフィクションであり、特定の政治的な視点に基づくものではない。ただ、時代の気分という大洪水(ファシズムへの道)に遭遇したとき、それに気が付き、自分の考えで行動できるかどうかが要点であるということは書かれている。これは、他の伊坂幸太郎作品にも共通する視点である。
極めて現代性を帯びた社会派エンターテイメントとして、多くに人にオススメしたい。