手話通訳士の荒井尚人は、コミュニティ通訳のほか、法廷や警察で事件の被疑者となったろう者の通訳をする生活の中、場面緘黙症の少年に手話を教えることになった。

コロナ禍の2020年春、手話通訳士の荒井の家庭も様々な影響を被っていた。

『龍の耳を君に』の事件を経て、みゆきと再婚した荒井。

仕事と結婚に失敗した中年男・荒井尚人。今の恋人にも半ば心を閉ざしているが、やがて唯一つの技能を活かして手話通訳士となる。

埼玉県警の何森(いずもり)は、昔気質の一匹狼の刑事である。仕事一筋ながら協調性はなく、県内の警察署を転々としていた。

大森康介は新米介護士。特別養護老人ホーム「まほろば園」で働き始めたものの、便臭にはまだ慣れることができない。

ベトナム人技能実習生が派遣先の上司を刺して行方をくらました。

事故で重度の障害を負った妻(49)を自宅で介護している「わたし」(50)。

NPO法人「子供の家」の代表で、虐待・差別・体罰・貧困といった子供の人権救済活動に関わっている河原はある日、SNS上で〈このままだとあたし おばあちゃんころしちゃうかも〉【NAGOYA JK】というヤングケアラーと思しき書き込みを見つける。

大学の同級生だった麻矢、璃子、友梨香。三人はよく飲みに集まっては夫の愚痴を口にし、日頃の鬱憤を晴らしていた。

大丈夫。昼間だって、見えないけれど星はそこにちゃんとあるから。

東京でフリーライターとして暮らす小野寺衛は、同棲する女性の妊娠が判明した夏の日、伯母からの電話を受ける。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。 愛する家族が奪われたのは偶然か、必然か。

地方都市の寂れた町にある葬儀社「芥子実庵」。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

新人ナースエイドの桜庭澪は、星嶺大学医学部附属病院の統合外科病棟に配属された。

二〇一七年、東京竹芝で善良な弁護士、白石健介の遺体が発見された。

戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。

その愛は、あまりにも切ない。 正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。

写真家志望の大学生・相羽慎吾。卒業制作間近、彼女の夏美と出かけた山里で、古びたよろず屋「たけ屋」を見付ける。

下町のおもちゃ工場で働く晋一は耳の不自由な青年だった。ある日、心臓病で寝たきりの母が怪死する。

亜紗は茨城県立砂浦第三高校の二年生。顧問の綿引先生のもと、天文部で活動している。

1968年、静岡県千里見町に近づく台風は、五十年に一度とも百年に一度とも言われる豪雨をもたらしていた。

12月の北海道。

築21年の三階建て一軒家を購入し、一階部分を店舗用に改築。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

島育ちの仲良し小学生四人組。あの日「ゆーちゅーばー」になることを夢見た僕らの末路は……(「#拡散希望」)。

柚月裕子の13年がつまった短編集 美しい花には毒がある 献身的に母の介護を続ける娘の楽しみとは……。