【風野真知雄】
いちばん嫌な敵: 妻は、くの一 蛇之巻1
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かつて長崎の出島で、死闘の末に鬼藤蛇文を撃退した、くノ一織江。だが最凶の長州忍者は、再び姿を現した。
平戸藩の御船手方書物天文係の雙星彦馬は、三度の飯より星が好きという藩きっての変わり者。
星が降るような夜空の下、織江と初めて出逢ったのは、もう2年近くも前のことだった。
「わしがこの国を開いてやる」江戸藩邸で「甲子夜話」の執筆にいそしむ元平戸藩主、松浦静山はこともなく言い放った。
元平戸藩主、松浦静山に気に入られ、たびたび下屋敷に呼び出されるようになった雙星彦馬。
ついに織江の正体を知った雙星彦馬。しかし彦馬は、それでも妻を信じて再び逢える日を待つ。
織江が実の娘であることを知った松浦静山。だが静山は、織江にそれを知らせぬまま、ひそかに守りつづけることを決意する。
松浦静山の下屋敷に飯炊き女として潜入した織江は、ついに静山の密貿易と野心の証拠をつかんだ。
神田明神近く、大通りの外れにいつのまにかできたごく庶民的な飲み屋「浜路」。
度重なる刺客との戦いに、織江は疲れを感じていた。彦馬を好きでなくなれば、一人で逃げ切れるかもしれない。
平戸藩の元藩主・松浦静山の娘、静湖姫は、三十一歳にして嫁にも行かず“謎解き屋”を開業中。今回飲み屋で聞いた謎も妙だった。
夫の彦馬に逢いたい。その想いを抑えられず、お庭番を抜けて逃亡中の織江は、変装して彦馬の家にほど近い妻恋坂を歩いていた。
売れっ子絵師・清麿の美人画に描かれ大人気となった町娘のおみねとおその。
「既に現われているんだよ、静湖の運命の人は」飲み友達・繁蔵のよく当たる占いを胸に留めつつ、平戸藩の元藩主・松浦静山の娘・静湖姫は、独り身のままもうすぐ三十二歳。
江戸の町の不思議事件を解決する“謎解き屋”を始めた静湖姫に、奇妙な依頼が舞い込む。