この世で最も恐ろしいことは、自分が自分でなくなってしまうこと――。

幸せな四人家族の長女として、何不自由なく育った弥生。ただ一つ欠けているのは、幼い頃の記憶。

病弱で生意気な美少女つぐみ。

妹の死。頭を打ち、失った私の記憶。

これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。

複雑な家庭環境の中、これまで会わずに育った「兄妹」が出会った瞬間から恋を育む──。

私の衝動的なプロポーズに対して、長い沈黙の後とかげはこう言った。「秘密があるの」―。

私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う――。

その男は死んでいたはずだった―。何十年も前、忽然と映画界から姿を消した監督にして俳優のヘクター・マン。

突如ダムが決壊し、濁流が町を呑み込んだ。

躊躇なく被疑者を殴り、同僚を飼いならし、ヤクザと手を結ぶ――その美貌からは想像できない手法で犯人を挙げ続けてきた八神が外国人技能実習生の犯罪に直面。

都内で謎の感染症が発生し、死亡者が続出。厚生労働省職員の降旗は、感染症研究所の都築博士と共に原因究明を命じられる。

メキシコで麻薬密売組織の抗争があり、組織を牛耳るカサソラ四兄弟のうち三人は殺された。

姪の汐子と下町で暮らす凸貝二美男は、泥酔した公園で奇妙な光景を目撃する。白髪の老人、叫び声、水音、歩き去る男。

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画」。日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく。

羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。

傷ついた犬のように、私は生まれた場所へと這い戻ってきた―ブルックリンの、幸福の物語。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

ほどいてつないで私はもう一度踏み出せる。

人類がはじめて月を歩いた夏だった。父を知らず、母とも死別した僕は、唯一の血縁だった伯父を失う。

ホラー&ミステリの宇佐美まことのデビュー作。受賞作を含む7篇を収録。

「安全地区」に指定された仙台を取り締まる「平和警察」。

閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。 愛する家族が奪われたのは偶然か、必然か。

大御所ミステリ作家の宮内彰吾が、癌の闘病を経て61歳で死去した。

町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。 小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。

あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。

「お探し物は、本ですか？仕事ですか？人生ですか？」。仕事や人生に行き詰まりを感じている５人が訪れた、町の小さな図書室。

この世には不思議なことなど何もないのだよ―古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。

「ひとりの生活」をテーマにした6名の女性作家によるオール書き下ろし競作集。物騒なので番犬のレンタルサービスを始めた女性。

さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。いまや九州は反乱軍の占領下となった。

恋人に騙され、仕事もお金も居場所さえも失った２５歳のエミリ。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

コンクール入賞者ツアーのはざま、亜夜とマサルとなぜか塵が二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。

ついに封印を解かれたのは、著者初の「ノワール小説集」。

川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。

陰陽師 新選組 憑きもの落とし 沖田、敗北──!? 雨宿りに立ち寄った寺で白い蛇に遭遇した八十八。

紫式部が生きた平安中期を描く、豪華絢爛宮中絵巻。