【千野隆司】
生きる: 札差高田屋繁昌記
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若旦那修業が始まって半年が経ち、金貸しの仕事にも慣れてきた新五郎。そこへ、意外な客が訪れた。
御留守居役を勤める五千石の旗本・坂東の側室綾乃は、坂東に酷い仕打ちを受けていたが、雪の降るある夜、意を決して家を飛び出した。
閑静な町並みの、とある隠居所で紙問屋「美濃屋」の遣り手の主人・富右衛門が、全裸死体で発見された。
金貸の鉞ばばあお絹から金を借りた商家の主が首を括って死んだ。孫娘のお鈴は、残された妻子のため、真相を……。
四代将軍家綱の法要の折に、二人組の侍に襲われていた身なりのいい武家の男児を助けた北町奉行所与力の山野辺に頼まれて、高岡藩上屋敷で男児を預かることになった正紀。
仇討ちの父子を道場に居候させた豊之助だったが、どうやらその仇とは、江戸を騒がす火付け盗賊団の頭らしい。
金貸の鉞ばばあお絹は孫娘お鈴と二人暮らし。お絹から金を借りた絵描きの与三次の身投げをお鈴が止めて……。
藩と領民が力を合わせ「国替え」という最大の難事を乗り越えた高岡藩井上家。
材木問屋の奉公人が刺殺され、凶器の脇差が腹に刺さったまま残されていた。
江戸城御用達の呉服商い・紀州屋の主が、小料理屋のおかみと心中したという。
造酒額厳守の触が出されているなか、天領の村から手に入れた二升の酒によって窮地に立たされてしまった高岡藩井上家。
廃嫡を目論む正棠や浦川たちの奸計に嵌まり、蟄居謹慎を余儀なくされた正紀。
幾人もの侍に追われていたところを豊之助が救った常太郎と名のる若侍は、いかにもいわくありげな様子。
本所来栖道場の師範代・豊之助は懸命にオンボロ道場の立て直しをはかるが、弟子は遅々として集まらない。
将軍家継嗣の徳川家慶は、見聞を広め将来の政に活かしたいと、城を抜け出し江戸の町へ物見に出かけていた。
亀之助の一件を機に、加賀百万石の前田家と縁を結んだ尾張一門。反定信派の勢いが増すなか、公儀は『造酒額厳守』の触を出す。
同日に起こった三つの難事件。若い男女の駆け落ち、問屋の強盗事件、付け火と焼死体。
神田上水の堀が決壊した。その甚大な被害が明らかになるにつれ、普請奉行の責任を問う声が日ましに大きくなっていった。
北町奉行・永田備前守正直の三男である豊之助は婿入りの話を断わり、剣客として生きる決心をした。
浦川や正棠たちの企てを打ち破り、無事高岡藩主の座に就いた正紀。
将軍御目見の旗本・香坂家へ婿入りし、新御番衆として、江戸城へ出仕する身分となった藤吉。
将軍家継嗣の徳川家慶は、江戸城での窮屈な生活に鬱々と時を過ごしていた。
将軍家継嗣の徳川家慶は、相変わらず西の丸での窮屈な暮らしに鬱々とした日々を過ごしていた。
先代藩主正森の頃から三十年にわたって仇を追っているという高岡藩の下士と出会った正紀。
旗本の小出家で、上役の悪辣な妨害にも負けず職務と武芸に励む川端藤吉。
大身旗本への奉公替えで更なる出世を果たした川端藤吉。俸禄も上がり、前途洋々かと思われた。
百姓から憧れの武士へと出世した藤吉に、中小姓として俸禄と姓が与えられた。ある日、奉公先である永穂家の家宝が盗まれる。
上州の水呑百姓の家に生まれた藤吉は、下男奉公先で米作りや馬の世話、雑用など何でもこなす毎日を送っていた。
元の主を殺した咎で斬首を待つばかりの男は無実ではないのか?北町奉行所見習い同心・鈴原淳之助は疑問を抱き、密かに探索をつづけてきた。
北町奉行所の与力と同心、八重樫力弥と鈴原左門は、門弟数千人を擁す鏡新明智流士学館桃井道場の『竜虎』と並び称される剣客だった。
旗本家の次男、大曽根三樹之助は家を飛び出し大繁盛の「夢の湯」に居候している。
芝神明宮で行われる富くじ見物に出かけた菊薗平次郎は、同じ長屋に住まうお舟の姿を見かける。
南町奉行所定廻り同心だった菊薗平次郎は隠居し、蕎麦売りを始めた。出汁に拘り、界隈では知られる評判の屋台店となる。
霊岸島にある酒問屋の大店“泉州屋”の主・鐘左衛門が妾宅からの帰途、刺客に襲われた。
十一代、家斉の治世。将軍のみが入ることが許される「御用の間」の書棚に、家斉は奇妙な書を発見する。
惣目付として、奥右筆、目付に楔を打ち込んできた水城聡四郎に将軍吉宗から新たな命が下った。監察する対象は「大奥」。
日本橋小網町河岸にある船宿「川澄」は、吉原に繰り出す客だけでなく、商談や休憩客で賑わい大繁盛。
文化十三年閏八月三日、江戸の町を嵐が襲った。そんな中、八歳になる参吉は、酒飲みの父親・留吉の遅い帰りを待っていた。
静まりかえった深夜の小名木川に艪音だけが聞こえる。闇米を運ぶ平田船だ。
秀吉が遺した百万両の財宝の手がかりを、敦賀の気比神宮まで捜しに行った近忠だったが、手がかりとなる図面は高嶋屋五郎左衛門に、財宝を開ける際に必要な宝刀は鼠小僧次郎吉に奪われてしまった。
諸藩の財政が危機的状況にあった江戸時代天保期―。松枝近忠は、自分が府内藩当主である大給近訓の実子であることを告げられる。
大店の若旦那から一転、裏長屋住まいの棒手振りになった磯貝雀太郎。今は縁あって北町奉行所定町廻り同心の見習いである。
北町奉行所定町廻り同心の娘・薫と祝言をあげ、同心見習いとして出仕することになった磯貝雀太郎。
大恩寺の復興、播磨三草藩の財政再建に一役買った寺侍の棚橋市之丞。その腕を見込んでまた依頼が。
棚橋家の次男・市之丞は、母の使いで面会した寺社奉行・阿部正精に、ある寺の復興に手を貸すよう頼まれた。
元南町奉行所の同心で、今は屋台の蕎麦売りの菊薗平次郎は、同心時代に捕らえ死罪になった男の遺児・長太郎の逆恨みに遭い、妻と娘を殺害された。
夜鷹稼業のおてつは、今は別に生活をおくる事となった我が子・貞吉と暮らす為に、必死に金を貯めていた。
米問屋の手代甲太郎は、金子の掛け取りを終えた帰りに、二人の破落戸に追われている娘を助けた。