地吹雪の夜道で、若い男女が乗った車が大木に衝突した。男は即死らしい。

噂を瓦版に仕立てて売る、江戸の広告代理店「広目屋」の由蔵の耳に、この世のものとも思われぬ美しい姫様が月見の宴席に現れたが、翌朝御殿ごとかき消えたという話が入った。

異界に漂う小説家の念が死者の魂を引き寄せる…… 締切りを数時間後に控えた私の周囲に、何者かの気配が……(『声にしてごらん』)。

土地の記憶を読み取る霊能力者・火明継比古により、秋田県鹿角市の大湯ストーンサークルに残された太古の記憶が解き放たれる表題作ほか、道に迷い母親が自殺した別荘に辿り着いてしまった男の恐怖を描いた「母の死んだ家」や、盛岡の裏長屋を舞台にした幽霊譚「玄関の人」など

ある新人賞に驚異的な小説が応募されたことから物語は始まる。

明治11年5月、英語が堪能で腕も立つ伊藤鶴吉は、 イザベラ・バードという英国人女性冒険家の北海道行きの旅に同行することとなる。

昭和四十年代まで、「衛生博覧会」という見世物があった。ビーカー詰めの奇形動物の死体、さまざまな疾病の人体模型。

謎の絵師といわれた東洲斎写楽は、一体何者だったか。後世の美術史家はこの謎に没頭する。

盛岡市にある喫茶店・ドールズ。

古い住宅地図に閉じ込められた思い出の町、あの少女の家は空き地とだけ記されていた…。

織田信長が天下布武を掲げた頃、陸奥の南部家では内紛が続いていた。

悪魔に見込まれた男の“取りひき”を描く表題作ほか、ミステリー、ホラー、時代小説、SFと幅広い活躍を続け、昨年、急逝した著者の数多い短篇の中から、最も魅力ある「恐怖短篇」の傑作を全3冊にまとめるシリーズ第一弾。

テレビ画面のギャングが銃の引き金を引いた瞬間、現実の弾丸が老人の胸を撃ち抜いた!(「弾丸は飛び出した」)。

しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。

抱かれたい。触れられたい。

「悪趣味だな。仲間で最初に死んだ人間の十三回忌に開くタイムカプセルだなんて…」。

時は平安、都では鬼が疫病を予言したという噂が。

目を奪う美貌と、小学生とは思えぬ色香。転校生の目童たかりは、謎めいた美少女だった。

明治18年(1885)、日本ブームに沸くロンドンで日本風俗博覧会が好評を博していた。

吉原近くの堀端で若い女の全裸死体が見つかった。首を切り落とされた上に、背中の皮が剥がされている。

事件の発端は青森県の板留温泉だ

根来忍者の頭領・左甚五郎を追って鬼九郎たちは会津へと向かった。

地獄から復活した屍魔たちの跳梁が誕生直後の平安京を恐怖に陥れる。

ボストン美術館で殺された老日本人画家とは何者か。

伝蔵こと、稀代の人気戯作者・山東京伝が、風来山人・平賀源内、安兵衛、蘭陽らの仲間とともに、奇怪な事件に挑む。

歌麿の「幻の傑作」が発見された?美術界をゆるがすかもしれぬ事件に雑誌編集者の杉原は勇み立ち、研究家の塔馬双太郎の助力をたのむ。

龍神伝説を追うために津軽、信濃、出雲と列島縦断して調査を進める九鬼虹人たちアクト・ナインのメンバー。

盛岡で古書店を営む結城恒一郎の姪・怜の意識の中には、交通事故をきっかけに甦った江戸時代の天才人形師・泉目吉が棲んでいる。

母が亡くなり無人となった実家の床下から古い人骨の入った骨壷が見つかった。

広重は幕府に暗殺された?若い浮世絵学者津田良平が“天童広重”発見をもとに立てた説は、ある画商を通して世に出た。

からくり展のポスター制作を依頼するため、国際的デザイナー矢的遙を訪ねた広告代理店スタッフ池上佐和子。