京都西陣殺人事件
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1987年7月に刊行された山村美沙さんのお馴染み名探偵キャサリン・シリーズの一冊です。名探偵キャサリン・ターナーの相棒でワトスン役と言える大学の助教授・浜口一郎をキャサリンは「イチロー」と呼ぶのがお決まりなのですが、これは意外にも今年シアトル・マリナーズに復帰が決まったあのメジャー・リーガーのイチロー選手とは全く無関係なのですね。名探偵キャサリンのデビューが1975年で、イチロー選手の日本プロ野球での選手名登録は1994年ですので、山村美沙さんは野球選手の事は全く意識せずに書かれていて単なる偶然だったのですが、今読むと当然の如く頭に浮かびますから何だか不思議な感じがしますよね。 久々に来日したキャサリンが京都に到着し浜口の案内で向かったのは西陣織の老舗の当主、小林総左衛門宅だったが、その後に皆で会ったお茶屋の芸妓・市花が翌日に自宅マンションで殺されているのが見つかる。それから続いて総左衛門の妻・加代が密室状況の茶室内で毒死している姿で発見され自殺と判断されるが、キャサリンは早速「これは連続殺人事件ではないか」と疑うのだった。 著者は外国人キャサリンがつい間違えて発する「変な日本語」をネタにして毎回楽しませてくれておりまして、本書では「アイアイアイ」と丸でお猿さんの歌みたいですが、その心は「和気藹々」だったのですね。まあ山村美沙さんの作品はやや軽い面もありますが、こういう風に所々にユーモアも入れながら読者を決して深刻にさせずにどんどん頁を繰らせる軽快な読み心地が良いなと思いますね。それから著者の趣味である「株取引」の楽しさを上手くストーリーに取り入れて手軽に儲ける喜びを感じさせてくれますね。今回の密室の謎解きは割合にあっさりしていて少し拍子抜けに感じましたが、メインの「意外な犯人」の趣向が中々に凝っていて作品全体の面で著者が周到に練り上げた構想の巧みさを強く実感出来て大いに楽しめました。こうして読んでいると山村美沙さんが描く「幸せなカップル」というのはやや曲者で警戒しなければならないなと思いましたね。そして山村美沙さんはさり気なく男女の愛の光と影を描き分ける方だったのだと気づきましたね。今回は紙数が短い事もあってか素人名探偵キャサリンの推理の見事さに比べて京都の警察が殆ど何もしていないかの様に思えてやや不甲斐なさも感じましたが、まあそれはさて置くとしまして結びのラスト一行に漂う哀感に心が捉えられて一瞬の内に憐憫の情が込み上げて来ましたね。 | ||||
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西陣織が斜陽になってきた頃の話。地上げ屋が主役の物語。さまざまな登場人物の利害が交差する。キャサリンの感が冴え渡る。 | ||||
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西陣織が斜陽になってきた頃の話。 地上げ屋が主役の物語。 さまざまな登場人物の利害が交差する。 キャサリンの感が冴え渡る。 | ||||
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