ストロベリー戦争 弁理士・大鳳未来
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勉強になるし、人物たちの言葉遣いもpositiveだし、自然と脳内で映像化されるほどの描写力だし。ああ、楽しかった! | ||||
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前作は、私としては表情の表現がなぜか目についたのですが、今作はそれが見られず、盛り上がりを持って読み切れました。知財に興味を持つキッカケとしては、とても良いのでは?と思っています。 前作同様、決め台詞が痺れますね! | ||||
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最後のたたみかけが秀逸ですね。それなりに知的財産の知識は持っていますが、結末はかなり大胆なことをやってのけたと。フィクションならではだと思いますが、リアルな法律をベースにしているからファンタジーではない感動がそこにあると思います。 | ||||
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デビュー作も読みましたが、あまりに色々詰め込みすぎた感があって、また作為的と思われる部分も気になっていたので本作は買ってすぐには読みませんでした。 シャンマスカットに代表されるような種苗法の問題にも触れられていますし品種固定の苦労、種苗法と商標法の効果の違いなども触れられていて門外漢には十分楽しめる内容でした。 大手企業がそこまでやるのかという戦略が描かれていますが、ありそうだという印象を持ちます。大学の研究室を巻き込んだ部分などいやらしいとも思える戦略もあって、主人公に肩入れしたくなります。 主人公のキャラクターは前作そのままという印象ですが、若い女性なので甘い物好きなどのエピソードはいいとは思いますが、仕事の切れ味から受ける印象とはちょっとずれがありすぎるかなという印象もあります。 最終的な解決に至る伏線はきちっと張られています。「なるほどそういう手があったか」と思わず言ってしまいそうですが、でもその解決に至るにはちょっと都合が良すぎるかなという印象も受けます。当初受け入れ難いと思っていた案が、実はウルトラCのような解決に至る啓示であったとはなかなかやるなとは思います。 突然変異を固定するのは並大抵のことではなく、動物でもそうで、作中にも触れられていますが先祖返りなども起こり得ます。 作中では歩留まりが悪いという問題点が描かれていますが、確かにそうでしょう。 以前 TV でイチゴの新品種を交配で作り出す苦労を取り上げていましたが、中には食べ物とは思えない臭いになってしまうものも出現するとか。こうした点も踏まえられているように思えます。 次作で何を扱うのか楽しみです。 | ||||
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イチゴの商標をめぐる弁理士大鳳未来の活躍。頼もしい弁理士だ。スイーツやイチゴが好きだというのも重要な資質かもしれない。 宮城県知多利郡久郷村の農家はほとんどがイチゴ農家。人口は500人。イチゴ農家数が180戸。久郷イチゴ農園の管理組合の初田組合長のところに、総合商社 田中山物産から、現在栽培しているイチゴの新品種 絆姫が、商標権の侵害になるという通知があった。初田組合長は、大鳳未来のいる特許事務所に商標権侵害について相談する。 この絆姫は、宮城県で作っているワンモアという品種の枝変わりで生まれた。隣の知多利町9800人でもいちごは作られているが、ワンモアという品種だ。絆姫は、初田組合長の娘優希が偶然見つけた。外見は、ワンモアとよく似ているが、バラの香りがして、美味しいのだ。あまおうを超える品種だと確信した。品種登録をするにも、枝変わりで品質の安定がない。種子で増殖し、選抜している。品種登録を受けるには、DUS審査がいる。区別性、均一性、安定性の3つをクリアーする必要がある。絆姫は70%くらいの安定性がなくて、品種登録ができないという。ふーむ。絆姫は種子繁殖しているのか? 優希はいう「通常の新品種は交雑で開発しますが、絆姫は交雑ではなく、従来種であるワンモの変異なんです」といい、安定しないというのは正しくない。交雑であろうとも変異であろうとも、イチゴは本来ならばランナーによって増殖する。突然変異だとしても、きちんとした母株を見つければ、ランナー増殖すればいい。一気に大量に増やすならメリクロン増殖をすればイイのだが。イチゴは種子繁殖ではなく、栄養繁殖系なのだ。それで種苗登録は可能だ。そこらの事実認識が違うのだが、それを問題にしても仕方がない。最近画期的な種子繁殖のイチゴ、よつぼしが生まれた。これによって、日本と世界のイチゴ栽培は大きく変わると思うが、本題から外れる。 まず、品種登録ができないという物語の前提から、自分達の権利を守るために商標をとる必要がある。この絆姫ができたのは4年前、その時に商標調査をしたら、絆姫の商標が取られていなかった。それで。今回、絆姫という名前でうることにした。甘いなぁ。農民だなぁ。ちゃんと商標を取得してから、売り出すべきことであるが。そのことをしていない。困ったもんだ。 本書のテーマは、「パテント・トロール」日本語では、特許搾取者、特許寄生虫、特許の海賊、特許投機家と訳される。まぁ。中国では、日本の農作物を商標とって稼ぐというビジネスがある。コメでは秋田小町、越 光(コシヒカリ)、一見种情(ヒトメボレ)が中国企業で取られている。中国の商標登録は、漢字でしか受けつけない。その漢字が取られている。果実で「青森」が商標登録されていて、中国に輸出したりんごを青森産と謳うこともできない。中国企業によって九谷焼、南部鉄器まで商標登録されているのだ。まぁ。中国では、商標を守れというのだが、商標の成り立ち自体がおかしい。韓国のイチゴは、日本のイチゴをベースにして、韓国イチゴとして大量に作られている。日本では、ただ指を加えるしかないのか。「シャインマスカット」は、2006年(平成18年)に品種登録されたぶどうであるが、現在その品種は中国では日本の40倍ほど栽培されている。ふにゃ。 久郷村の農家の甘さに漬け込んで、総合商社の田中山物産が絆姫の商標を取得したのだ。手口も、日本で最初に商標を取得するのではなく、台湾で取得して、のちに日本でも取得するという陰湿なやり方である。総合商社のモットーは「売れるものは人以外はなんでも売れ」ということだ。 確かに、久郷いちご園で、絆姫を売り出したら、商標侵害となる。そのために、田中山物産が、その商標を3年間実際使っていないということで、商標消滅で戦うことができるが、大鳳未来は、商品の識別という商標の意味を見つけて、久郷いちご園が、絆姫を売れるようにする。いやはや、大鳳未来。すごいよ。その発想。いちごへの想いがつまり、関東大震災によって被害を受けた久郷村が、絆姫を通じてつながり、再生する。ちょっと、著者はイチゴのことを知らないところもあるが、痛快だった。総合商社を相手どり、勝つって、気持ちいい。特許情報プラットフォームで「絆姫」を調べたら商標は取られていなかった。ふーむ。大鳳未来でとると面白いのに。 | ||||
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