嵯峨野あやつり異聞 浄瑠璃グラン=ギニョル
- 人形 (161)
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京都好きだから、と手に取ろうとする方には、全く薦められない。 大きく広げ過ぎた風呂敷を、きちんと包み込んで、結ぶ、というところまで、 もって行けていない。 伏線も張りたいように張ってみたが、混戦したり、断線したり。 魅力的なはずの、登場人物たちに、魅了させてくれないのは、煩雑すぎるからではないか。 読み進めたいのに、とても読み辛い出だしから、少し進むと、ドラマの台本に近いように感じられる。 2時間ドラマの筋書き、展開に当てはめると、なるほど、と思えてくるだろう。 小説と言うには、散漫な流れで、それを補うには筆力不足。 心臓移植、京の都と陰陽道、連続殺人、古浄瑠璃、江戸末期発祥の武術と医術の融合流派、 京都は嵯峨野に開業した会員制高級リゾートと、その日本庭園内に常設の浄瑠璃舞台。 舞台装置もてんこ盛りなら、登場人物も、 財閥の本妻の息子ながら跡継ぎにはされず、浄瑠璃の三味線方になっているのと、 医師の資格を持ちながら浄瑠璃の人形操りをしているのと、 高級リゾートの持ち主で財閥の当主だが、引け目を感じさせない妾腹の男、 日本のアイドルから米国で映画の主役に抜擢され、映画賞を受賞し、映画のため人形操りを習う男、 その姉。 警視庁の刑事に、老若の浄瑠璃の太夫に、リゾートの支配人、茶屋の女将、鶯。 発想は良いが、素材を活かしきれていない。 人力車の速度は、人間が歩行速度のほぼ倍程度。 とすると、人力車で15分は、ほぼ2キロとなり、化野の2キロの敷地を持つリゾートが建てられるのか? となる。 化野念仏寺と京都御所と銀閣寺の位置関係など、もっともらしく書いているが、 その伏線は、だから何だったのか? 凝り過ぎて、自滅した印象で、残念。 4時間前後。 | ||||
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古典的な浄瑠璃を題材としているため、 一瞬とっつきにくさを感じる人もいるかもしれません しかしそれは違います。 作者の狙いはそんなことではありません。 「生きる」ということ。 これをこんなにも真摯に向き合い唱えた小説はありません。 どこにもジャンル分けのできない作品です。 これはミステリーという仕掛けがかけられた推理小説ではないのです。 生きることこそミステリーなのです。 そして、強い希望を感じさせる作品です。 | ||||
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禍々しい空と恐ろしいほど巨大な月を背に立つ、沈んだ色彩の壮年男性二人。 陰惨なストーリーが詰まっているかと思いきや、表紙絵手前の竜胆のような印象が残る小説です。 千年の都に秘められた願い、力。 壮大な舞台で踊るのは人か傀儡か、救いは得られるのか。 静かに深みを増す展開に、先が気になってページを捲るのがどんどん早くなってしまいました。 大切な誰かを助けようとする気持ちが縺れ合い悲劇に繋がるやるせなさ。 読み終わった後は爽やかな余韻に浸りつつ、自分の無自覚な生き方について考えてしまいました。 素晴らしい小説です。 ただし、ガチガチの推理を楽しむには向いていないかもしれません。 | ||||
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