岡田鯱彦探偵小説選〈1〉
- 探偵小説選 (68)
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長篇「紅い顎巻」。ヒロイン・中御門紅子と彼女を秘かに愛する語り手であり探偵小説家の「私」。 対するに養子ながら紅子の兄にあたる茂樹と従兄妹の大隅武夫・嘉子。元侯爵だった紅子の父・公友のせいで複雑なる過去を持つ3人。 彼らに憎しみの殺意はあるのかないのか?ジリジリするような緊迫感を味わえる。 本書では初出誌が底本だが、この作は後に「黒い疑惑」→「恐怖の影」と改題。 本書では全八章から成るが、「恐怖の影」ではその章立てが無くなり細かく小見出しが付けられ筋の変更は無さそうだが単語の書き換えがされているようだ。 鯱彦の主人公には男性ホルモンが少なそうな男がわりと出てくる印象がある。この作などもまさにそう。 「私」がさっさと紅子をものにしていれば、最悪な結末に誘う後半のスキー旅行・狼峠の惨劇を避けられたものを…。 続いて『地獄の追跡』(58年/和同出版社)に収録されていた鯱先生物盗り帳10篇。ライトタッチなルパン風白浪物。ケミカル・トリックの「生不動ズボン」が鯱彦にして珍しい。 残る3短篇。「地獄の一瞥」はお得意の樹海サスペンス。「獺峠の殺人」は「紅い顎巻」の原型のようなプロットだが発表は一か月こちらが遅い。 「獺峠の殺人」で新進探偵作家として登場する尾形幸彦は、前述の鯱先生シリーズのある作では私立探偵またはG大学教授として侠賊の偽名に使われている。 鯱先生は明らかに尾形幸彦ではないが、本書以外の他の作品の尾形をすべて同一キャラとみなすにはよく検証が必要。 この時代にはやたらと作品の改題・改稿が多くその弊害でもある。 「天の邪鬼」は初めて彼の小説が活字になったとされる1949年の非ミステリもの。 80年代以降、『噴火口上の殺人』(01年/河出文庫)を除くと「薫大将と匂の宮」ばかりを中心に本が出ており、他の作品にも光が当たる機会が廻ってきて喜ばしい。 前巻の金來成がカテゴリ違いで首をひねりたくなる収録内容だったので、今後は期待を裏切らないでほしい。次回配本は『岡田鯱彦探偵小説選2』。 | ||||
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