(短編集)
藤村正太探偵小説選1
- 探偵小説選 (68)
※タグの編集はログイン後行えます
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
藤村正太探偵小説選1の総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作家は昭和24年川島郁夫の名で世に出て、昭和33年に本名の藤村正太へ筆名変更。本巻は全て川島時代の作品群なので、ここでは彼の名を川島と呼ぶ。 初期は本格を目指したトリッキーな作風というが、無理やりなどんでん返しを用いたり、どの作もゴタゴタしていて一本筋の通った読後の良い印象が残らない。 「黄色の輪」「接吻物語」「盛装」「虚粧」「或る自白」「筈見敏子殺害事件」、どれもこれも作者は七転八倒してアリバイや密室工作を拵えるのだが、 プロット終盤に余計な小細工をやりすぎる為、その作品における明確な線がぼやけてしまう。「断層」のラストでの犯人のルナティックな狂人的行動など唐突で不可解。 きっと彼も御多分に洩れず乱歩の影響(特に初期短篇や「陰獣」)が強いのだと推測される。 でも乱歩とは違い、結末の二転三転が有機的に活かされずクドいだけなのが惜しい。 作品のヴァリエーションはそれなりにあって「暴力」「その前夜」は設定が時代物のミステリーだったり、「田茂井先生老いにけり」はユーモア仕立、 戦争が一人の人間の性質を変えてしまう事を描いた「或る特攻隊員」は非ミステリーながらも力作でここでは小細工こそしていないのだが、 またも印象的なラストを作り損ねている。裁判のある盲点な制度を扱った「法律」も締め括りが弱い。 小酒井不木風の生臭い戦慄医学ミステリー「液体癌の戦慄」「武蔵野病棟記」も雰囲気はすごく良いのに…。 元々私は麻雀推理物や社会派を書いた藤村正太時代には興味がなかったが、次回配本予定の『2』もこの調子なら不満は残る。 あと、普通に『川島郁夫探偵小説選』として出してよかったのでは?乱歩賞受賞作家・藤村正太という理由で本叢書を買う人はまずいないと思われるから。 この巻は内容ではなく川島名義での初単行本という理由での★5つ。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 1件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|