クロスロード・ブルース
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あらすじ
その謎に包まれた人生ゆえ、伝説のブルース奏者と呼ばれるロバート・ジョンソン。彼が死の直前に録音したという“幻のレコード”が存在した―。レコードを巡るトラブルに巻き込まれ、消息を絶った同僚を探すためにブルースの聖地へと向かったニック。元プロフットボール選手であり、現在は音楽史の教鞭をとる彼は、同じく幻のレコードに固執する何者かの存在を知る。ひた隠しにされてきたジョンソンの最期。レコードの秘密。ニックは見えざる力にその運命を翻弄されてゆく―。琥珀色に彩られた薫り高きシリーズ第一弾。レビュー"'If Raymond Chandler came from the South, his name would be Ace Atkins' - Kinky Freidman; 'You can really hear the music everybody talks about so reverentially' New York Times; 'Atkins's research into blues history adds depth and context to the always-entertaining story, which whizzes by like an old, familiar song hear on the car radio late at night' Chicago Tribune"--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。(「BOOK」データベースより)
外部リンク
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評判
クロスロード・ブルースの評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
クロスロード・ブルースの総合評価:
7.00/10点 レビュー 2件。
感想一覧
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元プロフットボール選手の「ブルース探偵」ニック・トラヴァーズのシリーズ第1作で、著者エース・アトキンスのデビュー作でもある。ロバート・B・パーカー亡き後、スペンサー・シリーズを書き継ぐ役にも選ばれ、現在5作を上梓している。ちなみにニック・トラヴァース・シリーズはウィキによると4作書いているようだ(内、第3作は『ディープサウス・ブルース』として邦訳あり/小学館文庫)。
伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソンの幻の音源を巡って事件に巻き込まれていく、というのが大筋で、読んだのはもう15年以上も前なので細かいストーリーは忘れてしまっているが、本書を読んで強烈に印象に残ったのは、この作家、エース・アトキンスの描写力。行った事もないミシシッピ・デルタの風景が、目の前に浮かんで見えるような文章なのだ。沼沢地の湿った空気が肌で感じられるようで雰囲気抜群。はっきり言ってもうこれだけでこの本は読んだ価値があった、と感じた。
ハードボイルドとしてのストーリー的には及第点の面白さで、あっと言わせるようなすごい仕掛けがある訳ではないが、この小説はとにかくその雰囲気を味わうという一点において、他では体験できない気分にさせてくれる。面白さうんぬんよりも、本ってそういう唯一無二のものがあるかどうかっていう部分が大切なんじゃないかなぁ、と思うのだ。
本書を酷評されている方のレビューを読むに、おそらくハードボイルドとミステリの違いすら判っていない方のようだ。ミステリは「謎解き」のジャンルで、ハードボイルドは「生臭い人間ドラマ」。同じ「探偵が主人公」でも描いているものが全然違うのだ。
では本書はブルース・ファンには楽しめない小説なのかというと、そんな事はなく、ブルースのガイドブックなどでも紹介されていたりする。しかも、ブルース・ミュージシャンのB.B.キングが絶賛してますよ。
「正しい感情、正しい音色、正しいタイミング。『クロスロード・ブルース』はクラシックの名曲を彷彿させる」
本書を読んだ当時はブルースの知識は皆無に等しく、ロバート・ジョンソンの名前をかろうじて知っている程度だったが、最近ブルースに興味が沸いて、じわじわ手を出しかけているところである。そんな中、もう一度『クロスロード・ブルース』読んでみたいなぁ、と思っている今日このごろである。