“文学少女”と神に臨む作家(ロマンシエ)
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
評判
“文学少女”と神に臨む作家(ロマンシエ)の評価:
10.00/10点 レビュー 1件。 B ランク
“文学少女”と神に臨む作家(ロマンシエ)の総合評価:
8.41/10点 レビュー 59件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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小学生のころ、表紙のきれいなお姉さんに一目惚れして読み始めた懐かしい思い出があります。
大人になってからも、遠子先輩の長台詞での蘊蓄と、心葉くんの三題咄のお味に一喜一憂する姿にほんわかしたりくすりときたりしていました。
特にシリーズ中でも一番といえるほど好きなシーンが、(あくまで遠子先輩の手紙という形ではありますが)遠子先輩のお母さんの結衣さんと叶子さんの学生時代のエピソードです。恋物語のように一目惚れした同級生と仲良くなろうと必死にがんばったり、ほんの少しの出来事にどきどきするとってもかわいい結衣さんと、冷たくあしらっているように見えて結衣さんを誰よりも強く深く愛していた叶子さん。
この二人のきらきらした過去の幸せが、とてもとても好きでした。
そのせいもあって、私は文陽さんがあまり好きにはなれませんでした。結衣さんと結婚しながら、叶子さんと子供ができるようなことをしてしまったところが、どうしても理解できませんでした。
叶子さんと文陽さんの間にも、強い結びつきがあったのは分かります。
でもそれは、男女という形で現れてほしくはなかったです。
平凡な夫妻の幸福を作家の小説の為に擲つ文陽さんは、良い編集者だったとしても、最低の夫だと思います。私はどうにも結衣さんが可哀相でした。
裏切られるために結衣さんというキャラが作られたようで、悲しくて堪らなかったです。
同じように、ななせちゃんも不憫でなりませんでした。
巡礼者では憎まれ役を買って出て、作家では心葉くんの逃げ場になろうとしたななせちゃん。不器用でまっすぐで大好きです。
心葉くんに名前で呼んでもらうのが夢だったななせちゃん。彼女を心葉くんが名前で呼んだのは、ななせちゃんではなく遠子先輩を選んだ瞬間だったのが、悲しくてリアルに泣いてしまいました。
美羽ちゃんを崇拝と言える程好きだった心葉くんに片思いして、奇跡のようにお付き合いができたと思ったら、他の女性の愛のために別れる……不憫すぎます。
一番悔しいのは、心葉くんはそれを、ある種肯定してしまっていることです。そのどうしようもない衝動が愛だと、正当化してしまっているように見えました。
でも、心葉くんはななせちゃんをふった以上、ある意味では加害者側です。なのにこれでいいのだと云わんばかり遠子先輩にいくのは違うと思います。愛のせいにせず、心葉くんとしてななせちゃんへの裏切り(というと強い気もしますが)を自覚して欲しかったです。ななせちゃんをふった挙げ句ななせちゃんに汚れ役を押し付けているように見えました。
ななせちゃんは前述の通り、「女って恐い」と言われるような役回りを結構させられています。対して遠子先輩は、まるでヒロインとしてあつらえたかのように心がきれいな描写ばかりで、女としての嫉妬とか欲望とかは全く描写されません。(やきもちとか、悪口もかわいらしくコミカルな描写)そういうところを見て遠子先輩を選ぶ心葉くんは、美羽ちゃんを天使として見ていた頃と変わりないように見えます。遠子先輩との道を選ぶのなら、ななせちゃんと付き合ったのは遠子先輩を選ぶためのお膳立てということになってしまいます。好きなキャラをだしにされたようで悲しかったです。
総じて言えるのは、一言で言えない特別な関係性のために、結衣さんやななせちゃんが用意され、裏切られたように読めてしまい、モヤモヤしてしまったということです。