頭蓋骨のマントラ
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
頭蓋骨のマントラの評価:
6.00/10点 レビュー 1件。 C ランク
頭蓋骨のマントラの総合評価:
7.60/10点 レビュー 5件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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国際的なビジネスの場で弁護士として活躍していた著者の処女長編にして、2000年のアメリカ探偵作家クラブ賞受賞作。現代チベットを舞台に繰り広げられるミステリの第一作。現在では単を主人公としたシリーズが三作出ている。
7世紀にインドから仏教を輸入し、現在では最も初期仏教に近い信仰を保っているとされるチベット仏教と、土着の宗教とが混交するユニークな宗教的背景。未だに解決されていない中国政府による圧政。チベット人、そして僧侶たちの達観。あるいは怒り。あるいは悲しみ。それらを巻き込んで、雪玉が転がるように連鎖する謎はその大きさを加速度的に増していく。
主人公の単道雲、その助手となるチベット人イェーシェー、単の監視役である馮(フエン)軍曹、鉱山の監督を務めるアメリカ人のレベッカ・ファウラー、そしてチベットの高僧たちといった、魅力的な登場人物も少なくない。
ディテールの積み重ねが丁寧なだけに秘境モノめいたケレン味は比較的少ないかもしれないが、チベットの文化を無闇に神秘化しない描写には好感が持てる。
必ずしも歯切れの良い結末ばかりではないが、多くの登場人物のそれぞれのドラマが説得力を持って描かれている。ミステリよりはサスペンス要素の方が大きいため、事件の発端である首なし死体という魅力的な謎の価値が多少削がれたきらいもあるが、事件の真相はページ数にふさわしい規模を持っていた。
チベットでなければ起きない事件、チベットでなければ見られない精神、乾いた空気。〈チベットもの〉としての面白さも存分に味わえた。
野中昇によるカバーイラストはいかにもペーパーバック的で率直な表現だが、作品に合っていて楽しい。
上下巻を合わせると650ページを超える大作だが、できれば一気に読みたい。