ディミティおばさまと貴族館の脅迫状
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
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評判
ディミティおばさまと貴族館の脅迫状の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
ディミティおばさまと貴族館の脅迫状の総合評価:
10.00/10点 レビュー 2件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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平和な午後を過ごそうとしていたロリの計画はいきなりやって来た隣人の親友エマの訪問で破られる。エマによると夫デレクが実は伯爵家の跡取りで父親と長年仲違いしていたのだが20年振りに実家の広大な貴族屋敷へ帰る事になったらしい。夫の身を心配するエマに同行を頼まれたロリは行く事を決心し、ディミティおばさまの宿る青い手帳を持って夫ビルと共に屋敷へと赴くが、着いた早々に不審な火事騒ぎに遭遇するのだった。
本書の冒頭を読むと、まず普通のミステリー作家であれば父親か息子の殺人事件が起きて警察の捜査が始まるという風に展開させそうな所なのですが、決してそうはならないのがこのシリーズならではの良さで、かなり危険ではあっても殺人事件にしないのが著者の優しさだと思いますね。本書に描かれる犯人は全く狡猾でなく犯行の証拠を隠しもしない隙だらけの素人っぽい人物である事から、やはり著者は良いミステリーよりも心を打つ人間ドラマに重きを置いて書かれたのだなとうかがえて、今回も推理小説の味わいとは別の意味での深い満足感が得られました。それから銃殺や刺殺や毒殺でもない珍しい殺人方法のトリックが意表を突いて中々に新鮮でした。そして本書の人間ドラマの目玉は、母親の悲しい秘話にまつわる長年の誤解がとけて復活した父子愛、デレクの娘ネルの危機一髪になりながらも勇敢な活躍、許されないけれど真犯人の一抹の哀れみを感じさせる事情と対照的に強欲な者にきっちり罰として下される審判です。忘れてならないお楽しみで、今回も動物ぬいぐるみの新入り、デレクが子供の頃に愛した‘ぞうのクランプス‘が良い味を出しています。さて、ヒロインのロリは今回ディミティおばさまと何度も突っ込んだ会話を交わして、「人を見る目」について貴重な教えを得たと思います。今回ロリが心魅かれた殿方デレクのいとこのサイモンは妻帯者で、何とその妻と夫ビルが怪しいのではと疑う心苦しい状況になりますが、でもこれまで何度も試練を乗り越えて来たロリはやっぱり最後まで挫けずにがんばり抜きますね。脅迫状や犯人に関して何時になく鋭い推理を披露するロリは探偵としても人としても確実に成長していると言えるでしょう。惜しくも真相まではあと一歩及びませんでしたが、私は今回の事件で彼女がサイモンに与えた良い影響だけでも十分に役割を果たせたのではないかと思います。