破裂

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種別
長編
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あらすじ

2004年10月31日 破裂

医者の診断ミスで妻を傷つけられた元新聞記者の松野は、“医療過誤”をテーマにしたノンフィクション執筆を思いつく。大学病院の医局に勤務する若き麻酔科医・江崎の協力を得て、医師たちの過去の失敗“痛恨の症例”や被害患者の取材を開始した。その過程で、「父は手術の失敗で死んだのではないか」と疑念を抱く美貌の人妻・枝利子が、医学部のエリート助教授・香村を相手に裁判を起こす。が、病院内外の圧力により裁判は難航。その裏で医療を国で統制しようと目論む“厚生労働省のマキャベリ”佐久間が香村に接触を始める…。枝利子の裁判の行方は?権力に翻弄される江崎と松野の運命は?そして佐久間の企図する「プロジェクト天寿」とは?大学病院の実態を克明に描き、来る日本老人社会の究極の解決法まで提示する、医療ミステリーの傑作。(「BOOK」データベースより)

評判

破裂の評価:

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破裂の総合評価:

7.86/10点 レビュー 71件。

感想一覧

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.71
(4pt)

医療におけるそれぞれの正義

医療ミスを取り上げるジャーナリストと,協力する医師のやり取りから物語は始まる.
医療の構造的な問題を炙り出すという大義目分の下に取材が進められるが,
一方で,記事が面白くなるために,協力する医師の身に圧力がかかったり,
事件に発展したりすることすら期待するジャーナリストの姿が,率直に言って不快である.

中盤からは,ある医療過誤の真相を追う流れと,
高齢化社会への過激な対策を実現するために暗躍する官僚の活動が中心となる.
久坂部氏がモチーフとする題材はいつも現実的で,提示される対策は過剰なまでに過激である.

あらゆる手段で具体的な方策と人的資源を確保し,世論を誘導して施作を実現しようと官僚の姿は,
薄気味悪くもあり,ある種の信念に対する畏怖も感じる.

とはいえ,一官僚や国の省庁のやり方としてはいくらなんでも陰謀史観的にすぎる.
あらゆる事象を国家権力を使えばコントロールできるというのは,非現実的というより,安易な発想のように思える.

医師の良識と過剰な自意識,ジャーナリストの使命感,官僚の理想.
それぞれの立場の正義が対比されつつ下巻の結末へ向かう.
破裂〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344409884
No.70
(5pt)

医療過誤、高齢者問題、安楽死の是非、官僚汚職、薬物問題等々盛りだくさんである。しかし、その盛りだくさんのテーマを見事にエンターテイメントとしても楽しめる内容にまとめ上げている

医療過誤、高齢者問題、安楽死の是非、官僚汚職、薬物問題等々盛りだくさんである。しかし、その盛りだくさんのテーマを見事にエンターテイメントとしても楽しめる内容にまとめ上げている内容が濃いですねさすが現役の医師医療の深い闇に詳しい
でわたくしですが数年前から某国立病院に入退院
現在も通院検査してます主治医様ほんと助教授とか研修医さんなどにあたります本当にリアルですこうした医療病院ねたの本は興味ぶかいですよこうしたねたのテレビドラマも多いですし好き方にはお勧めです
破裂〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344409884
No.69
(4pt)

リアルと想像の境が…

前の「無痛」より、より現実的で、こんな発想の官僚がいたら実際に法律作ってやりそうな気がする。

その発想は「安楽死を積極的に推進する…」というものなのだが、単に楽に殺すのではなく、一度心臓を強くして、普段と同じ生活が出来るようになって、コロッと心臓麻痺で死んでしまう方法なのだ。しかもこの発展型もあり、麻薬を打つことで幸せな幻想を見ながらそのまま死んでいく…というような事も考えられている。

世の中の老人にアンケートとって、「生きるのが辛いので殺してほしい」という声がある程度あるという実データをもとにこのような施策を進めようとするのだが、その背景には崩壊しそうな健康保険を立て直す…などの問題もからんでいて、とてもフィクションとは思えない。

この二つのテーマだけでも面白いのだが、医療ジャーナリズム、薬物問題、医療ミス問題、官僚と議員の微妙な力関係…などもからんできて、話が膨らみのきらいはあるが、一気に読ませてしまう筆力はさすが。しかも途中途中に色っぽい話もあり、その恋はなんと思わぬ方向に…。

ただ真剣に「長生きする」事が医療の目的なのか?という事をマジに考えさせられた。意識がなく点滴などで生かされている人の人間としての尊厳はどうなっているのだろう。ただまったく無反応でも本人の意識ははっきりはしていて、何とか蘇りたい…と悶々としているような人も実際にいるのかもしれないし。

この人のあまりにもリアルな医療現場の描写が、この本のノンフィクションとフィクションの境目をあいまいにしている。
そのあいまいさが私の恐怖心を思いっきり増幅させてしまう。
破裂〈上〉 (幻冬舎文庫) Amazon書評・レビュー: 破裂〈上〉 (幻冬舎文庫)より
4344409884
No.68
(4pt)

ぽっくり逝きたいですか?

ぴんぴん生きてぽっくり逝く,人生の終盤の姿として望ましいと考える人は多いでしょう。

もし,それが医療によって仕組まれることが可能だったらという,医療SFミステリーです。

いろいろと癖がある医師達,ジャーナリスト,官僚,医療事故の遺族ががっぷりと組んで,見ごたえたっぷりの好一番。

お勧めの1冊です。

ただ,私は大失敗しました。

この小説を読む前に,作者が著した「大学病院のウラは墓場―医学部が患者を殺す」を読んでしまったのです。小説を読む前に著者の立ち位置が分かってしまっていると,どうしても小説を小説として純粋に楽しめなくなってしまいます。先の展開を読みたがってしまうというか。

この作者の著作は出版順に読んでいく方が考えさせられ,楽しめたなぁともったいなかったです。
破裂 Amazon書評・レビュー: 破裂より
4344006984
No.67
(4pt)

誰が正しいのか?混乱を楽しんでほしい

本書のテーマは、医療訴訟、高齢化社会、厚生労働省の腐敗、

安楽死など多岐にわたる。

10月19日に発表された厚生労働省の医療制度構造改革試案を

読んだ後に、この「破裂」を読むと、ストーリーの中の登場人物

の誰が“正しい”のか混乱する。その混乱を楽しみながら読んだ。

読後に、「長生き」について考えさせられる一冊だ。
破裂 Amazon書評・レビュー: 破裂より
4344006984

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