異人館の妖魔
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この本の出版は朝日ソノラマですが、かつて「ホラーは売れない」という考えが出版業界ではびこり、ホラー作家がなにかと冷遇されていた頃、数少ない出版社や編集者が尽力してくれた、その中のひとつがこの朝日ソノラマ、そしてソノラマ文庫だったそうです。夢枕獏、菊池秀行、竹河聖、朝松健などのそうそうたる有名作家たちがここから育っていったとか。 そして、これが井上雅彦氏初の長編だったそうで、驚きでした。そういわれれば、アンソロジー編集そして短編集が多く、他に連作があったもの長編はそんなに多くなかったかな・・・と。 始まりはきらびやかで雅な耽美幻想から始まります。1825年、江戸時代の長崎、当時、唯一海外に向かって開かれたオランダ人居留地の出島、洋風と中華の雰囲気が混じりあうきらびやかな街の雰囲気、祭の前夜祭の夜、妓楼や仕舞屋の灯りが赤、黄、青、緑と妖しげに変化する描写が美しく文章に酔います。いかにも井上氏らしい・・・と思って読み進むと、あれれ、どんどんスピード感がついて、半村良や山田風太郎ばりの伝奇小説になってしまったのにびっくり。不気味なキメラのような怪物、唐人やオランダ日本ハーフの筋骨隆々の超人、はかなげな美女が登場。そして、このお話の中心はシーボルトと、あの「吸血鬼ドラキュラ」でドラキュラをやつけたヴァン・ヘルシング。彼が若い時、日本にやってきていたと想定したら・・というお話です。バタビア(今のインドネシア)を経て日本にやってきたヘルシングが、当時から吸血する魔物に対する経験と知識があったことがわかります。好みは分かれると思いますが、ドラキュラ関連、そして井上氏のファンは読んでみてもいいと思います。執筆にあたって長崎取材もされたそうですが、読んでいると長崎に行きたくなってしまいました。 続編が「鈎屋敷の夢魔」で、こちらではヘルシングがシーボルトについて江戸へ上がるお話らしいです。そちらも読んでみるつもりです。 | ||||
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